OPPOは、グローバル市場において5G非対応エントリークラススマホの「OPPO A40M」を発表しました。最近のOPPO端末らしく、ミリタリーグレードの耐衝撃性と耐水性を備え、過酷な環境下でも安心して使用できることをアピールしますが、それよりもあまりに謎なSoCを搭載している点に注目です。
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搭載チップはSnapdragon 6s 4G Gen 1・・・・・・。なんだこいつ!?
そのSoCとは、「Snapdragon 6s 4G Gen 1」というもの。そもそも冗長すぎる名前だとか、4世代通信規格の意味である4Gのすぐ後ろに「世代」という単語の略字であるGenを続けるのはかなり気持ち悪いとか、一体どこから突っ込めばいいか分かりません。
しかし最大のツッコミどころは「これまでSnapdragon 6s Gen 1というSoCは正式に発表されていない」というところ。Snapdragon 6 Gen 1やSnapdragon 6s Gen 3の誤表記である可能性も考えましたが、OPPOはほかに「OPPO A3 4G」という端末でも採用しているほか、搭載するGPUはAdreno 610で、先の2つのSoCが搭載するいずれとも異なるため、にわかには考えづらくなっています。
情報源としての信憑性は不明ですが、XユーザーのRaj Kumar氏は「Snapdragon 6s Gen 1 4GはSnapdragon 662のクロックをわずかに上げたリブランド品である」と述べています。両者の製造プロセスは11nmで同じであり、CPUとGPUのクロックが100MHzだけ引き上げられているとのこと。
Qualcomm Snapdragon 6s Gen 1 4G launched as a rebranded Snapdragon 662
→ The Snapdragon 6s Gen 1 4G is essentially the same as the Snapdragon 662, just with a new name.
→ Qualcomm didn’t officially announce this chip; it was discovered when OPPO launched the A3X 4G in… pic.twitter.com/Xu16Qe63mm
— Raj Kumar (@technomania0211) August 10, 2024
Snapdragon 662は2020年頭に発表されたSoCであり、登場から4年半が経過しています。4年でミッドレンジからエントリー向けSoCの製造プロセスも11nmから4nmにまで微細化したと考えると、すこし感慨深いものがありますが、とはいえ6s Gen 3の発表後に6s 4G Gen1をリリースするのはどうなのでしょうか……?
性能に関しても非常に厳しく、Raj Kumar氏が伝えるGeekbench 6のスコアではシングル338点、マルチ1062点。Snapdragon 662のスコアに関しても同水準ですが、このスコアは下位シリーズに当たるSnapdragon 4 Gen 1に2倍近くの差をつけられて完敗しています。Snapdragon 6s 4G Gen 1は「Snapdragon 4s Gen 1(4G)」という名前がお似合いです。Snapdragon 662はそもそも5G非対応ですが。
Qualcommは21年の12月に命名規則の変更を発表しましたが、Snapdragon 6s Gen 3など最近になって古い世代のSoCを新しいものに見せかける行為がちらほらと目立つようになってきました。古いチップを下位SoCにリブランドする必要性は分かるのですが、Qualcommのやり方にはあまりいい印象を受けません。
OPPO A40Mのスペック
もはやスマートフォンの説明よりもQualcommのマーケティング方針などに対する悪口のほうが長くなってしまいましたが、OPPO A40Mのスペックを紹介します。
SoCは先にお伝えした通りSnapdragon 6s 4G Gen1。メモリは6GB、ストレージは256GBを用意します。廉価モデルでも256GBスタートな機種が増えてきましたね。
ディスプレイは6.67インチの液晶ディスプレイで、解像度はHD+(1604×720)です。リフレッシュレートは最大90Hzに対応。
アウトカメラは5000万画素のメインカメラと、画素数不明のフリッカーセンサーの2眼構成となっています。メインカメラは4画素を1画素にまとめて1250万画素相当とするピクセルビニングに対応。インカメラは500万画素。
バッテリー容量は5100mAh、45Wの急速充電に対応しています。わずか30分で50%まで充電することが可能であるとしています。また、OPPOの独自技術により、4年間使用しても80%のバッテリー容量を維持するとしています。
MIL-STD 810H準拠の耐衝撃性能と、IP54相当の防塵防滴性能を備えています。地味に面白いアピールポイントとして、360°NFCにも対応することをアピール。どの角度からでもNFCタグを読み取ることができるとしています。
カラーバリエーションは、Starlight WhiteとSparkle Blackの2色展開となっています。
価格、そして南アフリカの端末と通信プランの高さに驚く
価格は公式には発表されていませんが、一括払いで取り扱っている南アフリカの通販サイトでは5999南アフリカランド(5万円弱)で販売。スペックのわりに高いですね……。
先ほどのサイトはぼったくり詐欺サイトかと思い、vodafoneの南アフリカで通信プランと抱き合わせで販売されているモデルを確認してみました。
1.5GBの通信容量に150分の通話と150通のSMSが付属したプランの料金と合わせて、399南アフリカランド(3274円)の36回払い、つまり支払総額は1万3824ランド、このスペックで7万8000円となってしまいます……。
このスペックの端末に通信料込みで2年間8万弱?まるで計算が合っている気がしませんが、日本で16万円程度で販売されているGalaxy Z Flip6の価格も、同じプランで1049ランド×36回払いで総額31万円になるため、OPPO A40Mがボっているわけではなく、これが普通なのでしょう。コレを言うのもなんですが、日本に生まれてきてよかったと思いました……。
スペック表
OS | ColorOS 14.0 (Androidベース) |
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SoC | Qualcomm Snapdragon 680 4G Gen 1 |
メモリ | 12GB(6GB+6GB仮想メモリ) |
容量 | 256GB |
画面 | LCD 6.67型 HD+ (1604×720) 最大90Hzリフレッシュレート |
カメラ | 5000万画素メイン |
インカメラ | 500万画素 |
電池 | 5100mAh 45W急速充電 |
寸法 | 165.77×76.08×7.68mm、186g |
5G | 非対応 |
LTE | 1/3/5/7/8/20/28, 38/40/41 |
3G | 1/5/8 |
その他 | 指紋認証、顔認証、イヤホンジャック搭載 |