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世界初エアコン内蔵スマホ!バッテリー容量15000mAhの「Realme Chill Fan Phone」コンセプトモデルを発表!

 OPPO傘下のスマートフォンブランドRealmeは、8月27日に開催したイベント「828 Fan Festival」にて、コンセプト機「realme Chill Fan Phone」を初披露しました。

 Realmeは内部ファンと熱電冷却装置を一体化した本製品を「世界初のエアコン内蔵スマホ」と謳い、長時間ゲーム時や急速充電中の発熱を抑えて安定したパフォーマンスを狙う試作機として紹介しました。量産や発売時期は未定です。

 「Chill Fan Phone」は、15000mAhという未だかつてない大容量バッテリーを搭載していることもさることながら、その最大の特徴は3つの異なる冷却機構を統合した点にあります。

  「3つの異なる冷却機構を統合」というのは、まずペルチェ素子(TEC)がプロセッサコアから能動的に熱を汲み上げ、その熱を約7700mm²の大面積ベイパーチャンバー(VC)が受け取って全体に効率よく拡散し、そして最終的に小型ファンがその熱を外部へ強制的に排出する仕組み。Realmeによれば、この三位一体の冷却構造によって、SoCの内部コア温度を最大で6℃低下させることが可能とのこと。

 ペルチェ素子とは、半導体の特性を利用して能動的に熱を移動させる熱電冷却技術で、主にネッククーラーなどで採用されています。ただし、高い冷却性能と引き換えに、やはり電力消費が大きくなります。そして、消費電力量が大きくなると、特にペルチェ素子の反対側に熱が集中するという現象が発生するので、それらの対策として7700平方ミリメートルに及ぶ広域な大型VCを搭載しています。

 ベイパーチャンバーはいわば超薄い魔法瓶のような板で、スマートフォン向けだと約0.3~0.5mmである場合が多いです。内部の液体が蒸発・凝縮を繰り返すことで熱を均一に拡散し、筐体の左側面の通風孔から、ファン作動時にはここから熱気を排出する構造です。

 よって、家庭用エアコンのようにコンプレッサーや冷媒を用いるものではなく、TECが熱を「冷側から温側へ」移動させ、VCとファンが連携して冷却を成立させています。

 なお、これら内部構造の断面図は現時点では非公開なので、現段階では各冷却機構の配置はあくまでも推測するしかありません。なので、推測した図解をnano-bananaで生成してみました。

現在の公開情報から推測した、Chill Fan Phoneの冷却システムの内部構造イメージ

 イベントでのデモンストレーションでは、その強力なファンの風でロウソクの火を吹き消す様子も披露され、その排気性能を視覚的にアピールしました。

 一般的に、Snapdragon系SoCでは内部コア温度が約65℃を超えるとサーマルスロットリング(性能抑制機能)が作動します。表面温度が42~45℃の状態では、内部のコア温度だと70~75℃にも達していると考えられており、特に急速充電中にはこの現象によって充電速度が落ちることもあります。TECによってコア温度を最大6℃低下できるとすれば、このスロットリングの発動を数分~十数分程度遅らせる効果も期待されます。

 さらに背面には、「IceSense Ultra」と呼ばれる温度可視化パネルも搭載されています。端末温度が45℃を超えると白色に、38℃以下まで冷却されると青色に変化する仕組みで、ユーザーが冷却状態を視覚的に確認できるという、ガジェットの所有欲を満たすとても面白い機能です。変温動物のカメレオンみたいですね。

 このChill Fan Phoneは、現時点ではあくまで技術力を示すためのコンセプトモデルであり、具体的な発売予定や価格は一切未定です。ペルチェ素子やファンの駆動に伴う消費電力の増加、動作音、そして通気口を設けることによる防水・防塵性能の確保など、実用化に向けては多くの課題が存在します。まあ、「コンセプトモデル機ってそもそもそういうもんやろ」と言われたらそれまでなんですけど、せっかくならちゃんと製品化して欲しいですね……。

  realme Chill Fan Phone
位置づけ 研究開発を示すコンセプトモデル(発売未定)
冷却構成 7700mm²級VC+小型ファン+TEC(ペルチェ)
公称効果 コア温度を最大-6℃
デザイン要素 側面ベント排気、背面「IceSense Ultra」で色変化
想定ユーザー スマートフォンゲーマー、夏場のヘビーユーザー層
不確定事項 SoC・カメラ等の詳細、価格、発売時期・地域
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