海外メディア「THE INTERCEPT」が、元NSA職員エドワード・スノーデン氏の暴露した機密文書をもとに報じたところによると、世界最大手のSIMカードメーカーGemaltは、世界中の携帯電話通信のプライバシー保護に不可欠な暗号化キーを、米英諜報機関によって大量に盗まれていたとのこと。
実行犯はNSA(アメリカ国家安全保障局)とイギリスの情報機関ら。文書によれば、彼らは音声通話およびとデータの両方を含む、世界の大多数の通信を監視することができる状態であったそうです。アメリカは各国大使館の通信をも傍受可能とのこと。
GemaltはSIMカードや次世代クレジットカードチップを開発する、オランダの多国籍企業。年間20億枚のSIMカードを製造し、世界中に出荷しています。
同社の取引先はAT&T、T-Mobile、ベライゾン、スプリントといった北米の主要キャリアをはじめ、日本の携帯キャリアを含む世界中の450の通信事業者。記事中にはNTT docomoの名前が挙がっています。このほか、KDDIやSoftBank、そしてE-MOBILEを継承するY!mobileのSIMカードも同様であると思われます。KDDIがVoLTE用に新たに策定した最新のau ICカードもGemalt製であることがわかっています。
米内務省報道官は本件に関するコメントを控え、外交チャンネルを応じてのみ回答するとしています。