11月28日KDDIが提携するJCNにケーブルテレビ向けセットトップボックス「Smart TV Box」の提供を開始しました。
ケーブルテレビは主に首都圏を除く地域で強く普及しており、その背景には地上デジタル放送への移行時に、地デジの電波が届きづらい地域はケーブルテレビで補おうという意図がありました。
セットトップボックスとしての性能は十分
Android OSを搭載しているという点に注目が集まりがちですが、セットトップボックス(以下STBと省略)としての性能も十分すぎるほどで、地デジ・BS・ケーブル放送の受信にはもちろん対応。外付けのHDDへの録画にも対応しています。
注目すべき点はDLNA/DTCP-IPに対応していることで、対応するスマートフォンから録画した番組を閲覧することもできます。
安心のデュアルチップ設計
筆者は最初「Androidが動作している上でテレビの録画なんて、Androidが不正終了したらお釈迦ではないか」と思いましたが、よくよく仕様を見てみるとAndroidが動作するチップ(SoC)とテレビ機能用のチップがふたつ搭載されていることがわかりました。
トルネでありがちな録画している際にゲームによってPS3がフリーズすると、録画もそこで途切れるということは、起きないと予想されます。これは安心設計ですね。
さて、普及するか?
提供するケーブルテレビ各社とKDDIには両者ともにうまみがあり、特にKDDIからすれば、STBに内蔵されているWi-Fi AP機能で、Wi-Fiにトラフィックを流したいという考えが見えてきます。
また、ケーブルテレビ側もユーザにより利用する機会を増やしてもらうことで、ケーブルテレビコンテンツの利用が増えることも考えられます。
(とにかくSTBを機動してもらわないことには魅力が伝えられないため)
今までテレビに接続して、いわゆる「スマートテレビ」機能を利用できるスティック型のSTB(?)をはじめとして、Androidを内蔵した面白そうな製品は数多く提供されていました。
しかし、どの製品もうさんくささが漂い、いまいち手を出す気にはなれませんでしたが、この製品なら一定の品質が担保されているのではないでしょうか。
今後はスマートフォンやタブレットだけでなく、テレビでもAndroidを利用する時代がくるのかもしれません。