iPhone5の評判はおおむね高く、細々とした不具合はあるもののOSとハードウェアが密な関係を保っているだけあり、非常に快適な動作をする。
それをさらに加速させるのが通信回線だ。いくらスマートフォンの動作が高速になっても、通信速度が遅くては「馬の耳に念仏」だろう。
docomoはかねてからXiの名称LTEを提供しており、KDDIとソフトバンクもそれぞれのLTEのサービスを開始している。
6.0.1でできた抜け穴(?)
iPhone5が発表されたと同時にローンチされたiOS6は当初、docomoのFOMAの電波はつかむものの、Xiの電波をつかむことはなかった。モデムはXiの周波数に対応しているはずなのに、なぜXiにつながらないのか……。様々な憶測を呼んだものの原因はわからず、仕様という結論が出ていた。
そこに現れたのがiOS 6.0.1。マイナーバージョンアップであることから、バグの修正だけかと思われた。だが、このバージョンを適用すると、Xiの電波をつかむことが実証された。
ちょうどよいタイミングでドコモがnano-SIMの提供を始めたため、一悶着はあったもののXiをつかむiPhone(XiPhone?)のできあがりである。
キャリアに縛られない快適さ
一時、日本でもSIMフリーについての議論が起きた。当時はまだフィーチャーフォンが主流の時代であり、キャリアとメーカーは今以上に蜜月な関係だった。専用の物理ボタンが用意されていたぐらいだ(iモードのボタンやeZwebのボタンなど)その状態でSIMロックを解除したところで、大きなメリットを享受できなかった。
しかし、今はスマートフォンの時代となり、物理ボタンのほとんどは消え去った。残るはキャリアのロゴ程度。その中でキャリアのロゴを許さない、それを唯一を持っているのがiPhoneだ。
キャリアメールなんて、糞食らえだ
キャリアメールが幸せにならない道具になりつつある。そもそも私はメールのやりとりをほとんどしないため、メールの確認がおろそかになりがちだが、キャリアメールは言葉にできない何かを持っている。
確かに通信キャリアがメールサーバを担保し、メールを1つのサービスとして売りに出すのは良いのだが、縛りが多すぎる。フィーチャーフォン時代からずっと、長文のメールを小さなキーボードで入力しなければいけないのは苦痛ほかならなかった。
(auの場合は例外的に可能だったが)
しかし、時代はスマートフォン。iPhoneならなおさら、そんなキャリアのいろいろな縛りを気にせずに
「俺は電話ができるんだ!! うおおおおおおおお!! パケット通信も!! ほらっ!! こんなに!! たくさん!!」
と興奮をしてしまった。
確かに公的な場所でGmailやYahooメールを使うことははばかられるが、筆者はGoogleAppsを使って、自分専用のドメインで自分専用のアドレスを発行しているため、これもまた関係のない話なのだ。
iPhoneはやっぱりすべてのキャリアで使えたらいい
やはり、iPhoneはすべてのキャリアで使いたいと思えた。しかし、今のdocomoと日本の通信業界では無理なことだ。また、SIMフリー版のiPhoneは、キャリアからのインセンティブがなく(販売報奨金)値が張る。なかなか入手が難しいのも事実だ。
しかし、もしも私がiPhone5をメインで使うとなれば、多少の値が張ったとしてもSIMフリー版のiPhoneとdocomoの組み合わせで利用するだろう。
それは、どこにも縛られないという高揚感と、予想以上に快適な速度を出すXiのおかげなのかもしれない。あるいは、普通の人とはほんの少し違うツールを持っているという、胸をくすぐる男心のせいかもしれない。
なお、次回は名古屋の栄で行った速度計測の結果を掲載したい。
機材提供:EXPANSYS JAPAN