Googleはエイプリルフールの特設サイト「Google Nose BETA」を公開しました。Noseは、嗅覚で検索が出来るという優れもの。という設定です。
濡れた犬の香りを検索したり、香りを嗅いだり共有できたりするそうで。
という、ごくありふれたエイプリルフールのジョークです。
ただ、単なる笑えるジョークで済ますにもちょっともったいないと思いました。嗅覚のインターネットを介した送受信というのは、既に試みはあります。日本の中本高道研究室の開発する「遠隔匂い再現システム」が近いのではないでしょうか。
匂いのデータというのも、容量的にはさほど大きなものとはならないでしょう。今のLTE時代のモバイルネットワークなら、匂いのデータを携帯端末でやり取りすることは可能だと思います。
問題は、匂いの入力デバイスと出力デバイスでしょうね。音声や映像は、入力デバイス(カメラ、ビデオカメラ、ウェブカム)などが容易に手に入り、出力デバイス(ディスプレイ、スピーカー)も存在していましたから。既にハードウェアは揃い、あとはネットワークさえ高速化し、普及すればよい、というだけの問題でした。だからYoutubeやニコニコ動画が登場し、ヒットしたのですよね。しかし嗅覚は、入出力デバイスであるハードウェアが全く普及どころか、開発途上にある段階なのです。
たとえばスマートフォンに、匂いを嗅ぎ取って数値化する装置を取り付けることは、よほど装置が小型化し、普及が見込めないと難しいでしょうね。せいぜい入力デバイスのみで、もし匂いを再現する出力デバイスとなると、香水のようなものを調合、噴霧する装置が必要になりますから、携帯することは難しいと考えられます。
ただ、これが10年後、20年後となるとどうでしょうね。Googleは13年前の本日、あるジョークサイトを公開しました。「Google MentalPlex」というものです。これはユーザーの考えている「検索したいもの」を読み取り、勝手に検索を提案してくれるというもの。
当時にしてみればエイプリルフールでしかないのですが、今考えてみるとどうでしょう。Googleは世界の情報を収集、分析し、あなたの趣味嗜好を言い当て、他に好きであろう物事を提案する能力を持ちました。
たとえば検索候補を予測、サジェストしてくれるGoogle検索。あなたの検索履歴を分析し、朝は天気予報を、昼は渋滞情報やフライト情報を、あなたの好きそうなアーティストのイベント情報を、どんどん提案してくれるGoogle Now。考えているであろう事をデバイスが提案してきて、声で応えればいいGoogle Glassも似ています。13年前のエイプリルフールのジョーク「Google MentalPlex」が、現実になってきているのですよね。
「Google Nose」が10年、20年後、実現していない保証なんて誰かできますかね?
情報元:GoogleNose