Appleは第3四半期(Q3: 4〜6)の決算を発表しました。それによれば、売上高は374億ドル。このうち純利益は77億ドルとなり、前年同期比で12%増となっています。Appleは、この業績はiPhoneとMacの好調に支えられた結果であるとしています。
販売台数は、iPhoneが約3520万台で前年同期比13%増、Macも約440万台で18%増です。ただし、iPhoneに次ぐ販売台数を占めるiPadは、約1330万台で前年同期比9%減という結果です。日本のタブレット市場でもAppleが2位に転落し、ASUSが首位となったのは記憶にあたらしいところ。
さらにiPodに至っては約290万台で前年同期比36%減ですから、iPhoneに頼りすぎている感はややあります。iPhoneとiPadの販売数が、全体のうちの多くを占めています。(ただしハードウェアの販売以外に、Appleのコンテンツ販売が伸びている点は赤線を引いて覚えておきたいところ)
なお、気になった点として、日米市場での販売数の成長の乏しさがあります。日米ともに前年同期比でわずか1%増という結果になっています。特に日本市場では前期比からの落ち込みが激しく、成長率はマイナス35%に。Q3は新商品を控え、販売数が落ち込むのは世界共通とはいえ、成長率1%のアメリカとは差が付いています。
中国市場のQ3は前期比で日本以上に落ち込んでマイナス36%なのですが、前年同期比で見ると28%の増加となっており、昨年よりも売れており、好調ぶりが伺えます。
中国市場では伸びしろとなる人口の多さと、最大手キャリアのiPhone取り扱いといった要因が好調の背景として考えられます。
日米市場での成長率鈍化は、欲しいと思った消費者には行き渡ってしまったというのが挙げられるかもしれません。さらに日本では、iPhoneは買えば買うほど現金と割引が付いてくる摩訶不思議な商慣習が、ちょうど沈静化した時期でもあります。
現状のサイズやデザインでは買うには至らなかった、大型化を求める顧客や、Androidを買ってしまったユーザーを、Appleが積極的に取りに行く必要が出てきます。WWDC2014の発表からも、そうした姿勢が垣間見えていましたから、今年の9月以降、Appleがとるであろう新しい作戦(=4.7インチ版・5.5インチ版iPhone)に注目したいところです。