「ドコモ光」とセット割「光パック」、はっきり言って高い。複雑。期待ハズレ。

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 NTT docomoは、NTT東西のサービス卸を利用した固定回線サービス「ドコモ光」を正式発表しました。2月16日より受付開始、3月1日よりサービス開始となります。これにあわせて光セット割「ドコモ光パック」も発表されました。本記事でまとめて、噛み砕いて解説します。

「ドコモ光」「ドコモ光パック」と各種割引についてのまとめ

ドコモ光

 光回線のプランは以下の通りとなっています。単独型は、ISP(フレッツ光対応のISP全て)を別途契約する必要があります。ISP契約とセットになっているのが「ISP料金一体型 タイプA/B」。表にすると以下のようになります。

※表内は月額。本記事中の表記価格は全て税別。

  単独型 タイプA タイプB
戸建  5000円+ISP費 5200円  5400円 
マンション 3800円+ISP費  4000円 4200円 

 上記は2年契約の場合の料金。2年契約なしの場合、戸建ての料金は+1500円、集合住宅は+1000円となります。

 なお、タイプAとBの違いは単に提携ISPの違いです。タイプAのISPにはdocomo自ら開始する「ドコモnet」も含まれます。

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 以上が、光回線の月額料金です。NTT docomoの携帯料金のプランに応じて、以下のセット割引「ドコモ光パック」の割引額が決定されます。

ドコモ光パック

 「ドコモ光パック」が、これまで話題となってきたいわゆる「光セット割」です。NTT docomoのスマートフォン/携帯電話と、前述の「ドコモ光」を組み合わせることで、割引が発生します。

 割引対象となるプランは、新料金プランの「データM/Lパック」「シェアパック10/15/20/30」。それぞれのプラン名の頭に「光」を付けたものがセット割の正式名称となります。(例:光シェアパック30) それぞれのパックが大きければ大きいほど割引額が上がる仕組み。

 「データMパック(5GB/月)」の場合は800円/月の割引に過ぎませんが、家族利用を想定した「シェアパック30 (30GB/月)」を選択している場合、最大3200円/月(マンションなら3000円/月)の割引を受けられます。これらの割引は期間によって減額されることなく受けられます。

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(表は戸建て。マンションの場合、光シェアパック30の割引が3000円/月、シェアパック20の割引が2400円/月)

ドコモ光限定割引

 旧料金プランと「データSパック(2GB/月)」はセット割の対象外ですが、「ドコモ光限定割引」を適用すると、500円/月の割引を受けられます。上の表にはそれが反映されています。ただし割引期間は1年だけ。

 受付期間は2015年8月末まで。

光スマホ割

 新規/MNPで携帯回線を契約し、「光シェアパック」も契約した場合、基本料金を1年間割引するのが「光スマホ割」です。

 「Xiカケ・ホーダイ(2700円)」なら半額(1350円)に、「Xiデータプラン(1000円)」なら350円割引して650円となります。

 受付期間は2016年3月末まで。

初期費用

 契約事務手数料は3000円。

 新規申し込みで、工事が必要な場合、工事料は戸建てで1万8000円、マンションで1万5000円が目安となっています。フレッツ光のユーザーが、そのまま移行する場合は、解約金0円で工事料も0円。1Gbpsへのアップグレードを伴う場合は工事料7600円が目安となっています。

独自サービス

 スマホとPCの設定や操作を遠隔で支援する「光リモートサポート(500円/月)」や、専門スタッフが直接行う「光訪問サポート」といったオプションが用意されます。

解約金

 2年契約の場合、更新月以外の解約で、「マンションタイプ」は8000円、「戸建タイプ」は1万3000円の解約金が発生します。

評価:別に安くないのでは?

固定料金単体では魅力なし

 まず肝心の「ドコモ光」の料金は、競合のKDDIと同程度の水準にあります。たとえば「auひかり」はISP費込で戸建てが5200円、マンションが3800円となっています。戸建のタイプAでは同額、マンションでは「ドコモ光」の方が高くなっています。

 もちろんこの両社よりも安い光回線サービスもいくつも存在しますし、docomoの携帯回線を解約すると「ドコモ光」まで解約となるため、あくまでdocomoで光セット割を利用したいユーザー向けと割り切るのがいいでしょう。

安いプランでは魅力薄

 見ての通り、旧料金プランや最安の「データSパック」は「光パック」の対象外。期間限定で500円割り引かれるだけ。「光パック」の下限となっている「データMパック」選択時の800円という割引額も、競合のKDDIが提供する「auスマートバリュー」の1410円/月に劣ります。「auスマートバリュー」は契約2年経過後または新料金プランの2GB/3GB選択時、割引額が934円に減額されますが、「光パック」はそれをも下回ることになりそうです。

「シェアパック」でも劣勢

 なるほど、では「シェアパック」で家族みんなでたくさん貢いだら、「光パック」の割引額が増えて魅力的になるのでは?と思いがちですが、競合と比較した場合に必ずしもそうはなりません。

 というのも全体から割り引かれるだけのdocomoとは異なり、KDDIの「auスマートバリュー」の場合、1回線ごとに割引がされるからです。

 例えば家族2人でdocomoの「光シェアパック15」を契約すると割引額は1800円/月ですが、KDDIの「auスマートバリュー」の場合は1人あたり1410円/月の割引額であり、合計は2820円の割引となります。(契約2年経過後は1868円だが、それでもdocomoより割引が大きい。) さらに家族3人で「光シェアパック15」を契約しても割引額は1800円のままですが、スマートバリューなら計4230円(2年経過後2802円)に。auの方が割引額が大きいです。

 docomoは、料金2万2500円/月の「シェアパック30」を適用して、やっと最大3200円の割引となります。ただよく考えると、月30GBというデータ通信量は、家族3人で使いきれるものではないでしょう。月30GBというと家族5人、6人分のデータ通信量になってくると思いますが、人数が増えるほど有利なのは「auスマートバリュー」ですので、その場合でもauの方が割引額が大きくなります。

 つまり「ドコモ光パック」の方が有利だと言えるのは、「『シェアパック20/30』の膨大な通信量を、たった2人の家族だけで使い果たすような特殊例」ぐらいなもので、大抵の場合はKDDIの方が得なのでは?大体、そんな特殊な家庭はおそらく、自宅にインターネットがないのでしょうから、光回線を引いた途端、「そもそも大容量のシェアパックなんていらなかった」と言い始めそうなものです。

auは旧料金プラン選択可能

 docomoの旧料金プランに相当する7GB/月のプランを、KDDIは残した上で、新料金プラン「カケホとデジラ」を併せて提供しており、個々人のライフスタイルにあった料金プランを選択できます。単身者や通話をあまりしないユーザーを門前払いしているかのようなNTT docomoの姿勢とは対照的です。この点も運用コストに非常に差が出るポイントだと思います。

高いくせに複雑怪奇

 一本化した新料金プランでさえわかりづらいとの批判を受けていたにも関わらず、「ドコモ光 / 光パック」と各種割引サービスも相当に複雑怪奇。この記事でかなり噛み砕いて説明はしていますが、それでもわかりづらいです。「auスマートバリュー」の方がよほどシンプル。後出しで、安くないのに複雑なのだから、最悪でしょう。

総評

 結局、「auスマートバリュー」と比較した時、優位性があまりないです。セット割を重視するなら、スマホと固定回線はKDDIでまとめた方がいいでしょう。

 既にフレッツ光を契約中で、且つ大容量のシェアパックを使っているような場合には、「ドコモ光 / 光パック」は選択肢に入ると思います。

 個人的には、やはり固定回線とセットならKDDIでいいなとか、大手キャリアを見限ってMVNOにした方が安いなとか、そう感じる「期待外れ」の発表でした。新料金プランの方向性が「家族」重視なので、光セット割も「パケあえる」偏重になることはある程度は予想していましたが、まさか「家族」の利用でも「auスマートバリュー」に劣勢とは。

 光セット割の解禁に期待して待っていたものの、これでdocomoを見限る踏ん切りのついた、というユーザーもいるのではと思いました。

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