NTT docomo、KDDI、SoftBankの携帯大手三社は、ユニバーサルサービス料金の値上げを発表しました。
これは電気通信事業法に定められたユニバーサルサービス制度の番号単価の改定に伴う措置。2016年7月利用分から1回線あたり3円の負担額が発生します。
ユニバーサルサービス料とは、消防や警察など公共機関への緊急通報に発生する料金を全体で負担しようという料金です。国民の安全を守るためのコストを、全体で支え合うという発想自体は妥当です。
これまで、ユニバーサルサービス料は2010年の8円、2011年の7円、2012年の3円、2015年の2円と、順当に値下げが行われてきました。これは回線数が増えているので当然といえば当然です。今やMVNO回線を含め回線数は伸びているのに対し、まさか下がるのではなく上がるというのは少々驚きです。
今となってはほとんど過去の話ですが、一部ではMNPの割引の「実質価格」やプラン組み合わせの妙を利用し、携帯電話料金を0円にする「裏ワザ」が存在していました。しかしユニバーサルサービス料に割引を適用することはできないことから、ユニバーサルサービス料のみが発生する回線が生まれることがあります。このため、それらの技は「8円回線」「7円回線」などといった、ユニバーサルサービス料の額に準じた名称がついていました。ユニバーサルサービス料の変遷は、いわば「携帯乞食」の歴史と言えるかもしれません。