オキュラスが新製品「Oculus Go」を発表しました。2018年初頭にも登場予定。スマートフォンやPC、ヘッドフォンなどを必要としない、完全自己完結の一体型で、わずか199ドル(およそ2.2万円)というのだから驚きです。
従来、Oculus Riftといえば10万円近い価格(今回、約5万円程度に据え置きで値下げされた)の上に、これに対応する処理性能を持ったCPU・グラフィックボードを持った高性能なPCも別途必要でした。全部買ったら相当なお値段です。
SamsungのGear VRも、高額なGalaxyスマートフォンとのセットである必要がありました。両方買ってざっくり10万円ぐらいでしょうか。PS VRなども同様にヘッドセットとゲーム機を個別に購入する必要があります。この構成でも10万円に手が届きそうな価格に。
このように、VRといえば、複数デバイスの購入が必要で、面倒だし結局お金が掛かるというのがこれまでの常識でした。
こうした常識を完全に打ち砕くのが、完全一体型の「Oculus Go」です。ヘッドセットを買ったら、もう追加投資は必要ない。199ドルだけで済む。接続の手間もナシ。革命的です。VR普及への障壁が、一気に取り除かれた感すらあります。
なぜこんなに安いのか?もちろん、Oculus社が提携するGear VRの蓄積というのもあるでしょう。Gear VRのアプリ・ソフトウェア資産をそのまま使えます。あくまでモバイル基準のVRです。前世代となるSnapdragon 821を採用していることなども価格も安い要因かもしれません。それでもここまで安いのは不思議なぐらいです。普及機であり、次の時代のエコシステムを取りに行くことまで見据えての戦略的な価格なのでしょう。
一方で、Oculusが今後投入することを公言している独立型VRヘッドセット「Project Santa Cruz(仮名)」は、Snapdragon 835を搭載するものと見られます。これはToms’s Hardwareなどが伝えています。センサーは6軸フリーのセンサーで、インサイドアウトトラッキング採用、空間内移動が可能など、独立型ながらハイエンドVRのような仕様を備えています。
Santa Cruzは2019年に投入される見通し。
また、HTCやLenovoの独立型Daydreamヘッドセットにも、Snapdragon 835が乗るものと見られています。
「とりあえずVRを体験したい」という敷居は、「Oculus Go」によって一気に下がるでしょう。これまでのモバイルVRを、格安で体験できます。ただ、より上位のVR体験を、独立型VRによって求めたいというのであれば、それよりも後に出てくる製品群を待ってみてもいいのではと思います。もちろん、「Oculus Go」を買った上で、2019年のSanta Cruzを待つという姿勢もアリだと思います。
Oculus Go https://t.co/CWRw1vu9XS
— すまほん!! (@sm_hn) 2017年10月12日