金盾によるインターネットの検閲などの問題をめぐり、中国市場から撤退して8年になるGoogle。英国BBCが8月17日に伝えたところによると、Googleは中国向けに「検閲済み検索エンジン」の開発を検討しており、また、中国共産党機関紙「人民日報」の海外アカウントもTwitterやFacebookなどの海外大手IT企業を歓迎すると表明しており、Googleによる「中国市場復帰」も現実味を帯びてきたように見えます。
Googleなき中国市場には、大手中国国内企業がひしめいており、ここにGoogleが再度殴り込みをかけた場合、勝敗はどうなるのか?それを占う論評記事が中国「Tom.com」に掲載されていたので、紹介します。
まずGoogleの中国復帰について、単なる噂であろうと事実であろうと、Googleが復帰後に競争激烈な中国インターネット市場で一席を占めるには、革新技術の優勢を発揮するという重要なポイント以外に、中国国内市場特性にあわせたローカライズ改革を進め、ようやく市場に受け入れられるだろうと言います。
また、事実上、Googleは中国で技術調整をするものとして検索エンジンばかりに拘泥しておらず、2017年12月、Google AIはすでに中国大陸復帰を宣言しており、中国AIセンターを設立しているそうです。
中国国内のIT企業にとって、Googleの挙動は業界全体の未来の発展動向を示すものであり、それは核心育成競争、市場で足場を築けるだけのローカライズ運営策略だといい、また、今のところ少数の企業がこのカギを意識しているに過ぎないといいます。
Googleなどの超大型IT企業の中国復帰は、ある程度白熱した市場競争をもたらすものの、やってくるのは彼らの先進的技術モデルであり、中国IT企業の技術と市場運営レベルの向上を促すものとしています。競争の中でこそ「悪貨が良貨を駆逐」する状況が改善され、ようやく市場に「核心」技術、競争力と運営策略を有した質の高い企業が生まれ、中国のIT技術の実力の堅固な基礎が築かれる、といいます。
資金力や技術力の比較、という話はありませんでしたが、「先進的技術モデルがやってくる」という発想は、市場原理への信仰が強い中国らしい記事でした。