全人類にオススメしたい、初のフルモデルチェンジを遂げたApple Watch Series 4 レビュー

Apple Watch Series 4 review

 初代Apple Watchが発表された2014年。ディスプレイが四角い、見た目はダサい、値段は高い、電池は持たない、誰が買うんだと批判ばかりでした。しかしそれから4年経った今、どうでしょうか。周りを見れば結構な人がApple Watchをつけています。Apple Watchは今、iPhoneが辿った4年を同じようにたどっているのです。

Apple Watchの評価

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Apple Watch Sport (初代)

 買うのは一部のギークだけ。そう評価された初代Apple Watch。初代iPhoneはどうでしょうか。電池は持たない、コピーペーストはできない、壁紙は変えられない、そのくせ高いと散々な評価を叩きつけられていました。買うのは一部のファンやマニア、ギークだけ。まるで同じ歴史をたどっているように、同じ評価をApple Watchは受けていました。

Series 2Series 3の登場

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 Series 2ではNikeHERMESとコラボしたモデルが登場したり、国内版ではFeliCaに対応、スペックも大きく向上しました。Series 3ではついにセルラーモデルが登場しiPhoneなしの単体で通信可能になるなど、徐々に進化を果たしていました。それに伴うようにApple Watchは大きなシェアを獲得していきました。

Series 4の登場

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 そして初代の発表から4年。iPhoneで言えば初代からiPhone 4にあたるモデルになります。iPhone 4は今までの丸みを帯びたデザインからモノリスのような形状へと大きくデザインを変えたモデルです。電波問題はあれど、高精細なディスプレイ、高画質なカメラ、そして美しい両面ガラスのデザインでした。同じデザインを引き継いだ4sは未だに根強いファンがいるほど、大人気モデルになりました。

 Series 4はどうでしょうか。Apple Watchでは初めてのフルモデルチェンジを果たしたモデル。外観はより丸く、時計らしいデザインに。本体はより丸みを帯び、それに合わせるようにディスプレイも丸みをもたせた、ガジェットとは思わせないデザインへと大きく変わりました。より大衆へ勧めたい、そんな見た目、そんなスペックです。そんな大きな転換期を迎えたSeries 4、レビューしていきます。

機械感が減った外観

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左がSeries 4、右がSeries 2

 以前までのApple Watchはディスプレイが四角く、いかにも電子端末感満載のデバイスでした。しかし、Series 4はどうでしょうか。本体のフレームに沿った丸みのあるディスプレイ、ベゼルも近年のスマホと比べると太いですが、時計感がある程よいベゼルだと思います。そしてディスプレイだけではありません。全体的に時計感を増すためいろいろなところが変更されています。その一つとしてサイドボタンの変更です。

ディスプレイサイズの変更

 今までApple Watchは38mmと42mmの2つのラインナップで販売されていましたが、今回始めてサイズが肥大化しました。しかしそれぞれ2mmずつ大きくなった40mmと44mm。たった2mmで何が変わるんだ?誤差じゃないのか?と思っていましたが、腕につけてみるとそれはただの想像に過ぎませんでした。腕を上げただけですぐにわかる、大きくなったディスプレイ、2mm大きくなったことでUIが全体的に大きくなっています。ひとつひとつの操作のしやすさも違います。2mmでこうも変わるのか、と実感しました。

 しかし、それほど大きくなったと実感できるのに本体は大きくなったことを感じません。ベゼルを削ったことによる狭額縁化の影響もあると思います。そのため、2mm大きくなっても違和感なく使えるのです。

サイドボタンの変更

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左がSeries 2、右がSeries 4

 従来と比べてサイドボタンの隆起が減り、正面からではデジタルクラウンしか見えないデザイン。サイドボタンは触ってもあまりボタンがある感覚がわからず、所有している人にしかボタンの存在をわからせないデザインになっています。おそらく、より時計らしくするためのデザインだと思います。普通の時計に竜頭があってもこのように横に大きなボタンがある時計は稀だと思います。ボタンを分かりづらいデザインに変更することでパッと見た感じは時計に仕上げる、良い変更だと思います。デジタルクラウンとこの丸みのある筐体のデザインが「Apple Watch」らしさとアイデンティティを失うこともないのです。

デジタルクラウン

 今までのデジタルクラウンTaptic Engineを利用したフィードバックでした。スクロールした時にここまでと理解させるためのフィードバックです。今回のデジタルクラウンスクロールできるコンテンツのときにはカチカチと本物の時計のようなフィードバックがあります。そのような細かいところもより時計らしい感覚になりました。

ディスプレイを活かす文字盤

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 画面が点いたときにディスプレイを意識させない、新しいウォッチフェイスがフルスクリーンです。ディスプレイをいっぱいに使うフルスクリーンのウォッチフェイスでよりApple Watchらしい、でも時計らしいデザインをアピールできるウォッチフェイスです。噂では次期アップデートでフルスクリーンのウォッチフェイスは増えるとのリークもあるので期待して良いと思います。

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歴代で最も進化を感じる速さ

 変わったのは外観だけではありません。ソフトウェア、ハードウェアも大きく進化しているのでちょっと操作するだけで違いがわかるくらい、大きく進化しています。

ロード?それは過去のもの

 Apple Watchのアプリは立ち上がりが異常に遅く、初代では10秒以上ぐるぐるとロード画面が表示されているのは当たり前Siriが失敗するのはよくあること。まあ、初代ってこんなものだよね、と笑って使っている人または呆れて使うのをやめた人、二極化が進みました。

 しかしSeries 4は使ってびっくり。ロード画面を見ることがほぼなくなりました。見ても一瞬だけ。標準アプリの多くは押したらすぐ使える、 すぐ立ち上がるのです。標準で一番重たいアプリ、マップもスイスイ表示されてサクサク、キビキビ動きます。サードパーティのアプリもロード画面が一瞬表示されるくらいでそのまますぐ使えます。LINEYahoo!天気の雨雲レーダーなど重ためのアプリは、あまりの動作の遅さで今まで使う気がなかったのですが、Series 4のスピードなら使いたい、iPhoneを取り出すより速い!と言えるスピードになりました。

爆速化したSiri

 Siriはどうでしょうか。正直iPhoneSiriですらちょっと重たく感じるのでApple WatchSiriは購入直後から全く使っていなかったのですが、家に帰ったときなんとなく使ってみたところ、速すぎて笑いが止まりませんでした。今までのは何だったんだよ!と思わず一人で突っ込んでしまうくらい、衝撃でした。

 Series 2ではSiriにお願いをしても、お待ち下さい……で待つとそのまま落ちて時計に戻っているのが日常でしたが、Series 4では重たい動作の場合、『準備ができたら感覚フィードバックでお知らせします』と優秀になっています!そしてそれらもほとんど待たないので超優秀。天気予報くらいなら一瞬で表示してくれます。道のりを聞いてもすぐマップアプリで案内してくれるほど、キビキビ動いてくれます。

 そして新機能である、Apple Watchを口元に近づけて喋りかけるだけでSiriが使える機能、これがかなり使えます。誤作動することもなく、かといって作動しないということもほぼありません。かなり使えます、この機能!なお、この機能はwatchOS 5の新機能ですので、以前の機種でもアップデートで利用できます。

 僕がApple Watchに求めていたのはこれです。腕で操作が完結する動作、イライラすることのないキビキビとしたアニメーション、何もかもが違うぞと思い知らされました。

ショートカットはApple Watchでも

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 iOS 12から導入されたショートカットApp。一部動作に制限はあるものの、Siriで完結するものならApple Watchでも実行できます。例えばIFTTTとショートカットAppを組み合わせてNature Remoを動かして家電をApple Watchで操作する、といったことも可能です。筆者はこれで部屋の照明やエアコンをコントロールしています。外出先でも腕を上げてちょっとしゃべるだけでいつでもコントロールできます。最高に便利!

HTMLメールも腕で見れる

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 HTMLメールは今まで『続きはiPhoneで~』と表記されていたのですが、Series 4ではHTMLメールがレイアウトが崩れることなく、そのまま表示されます。結局iPhoneを取り出さなきゃいけないのか、といったイライラはもうおしまい。腕で内容がすべて確認できるので、大した内容でなければそのまま腕を下ろすだけ、続きがみたければそのままHandoffで引き継ぐことですぐ詳しく内容をみたりすることができます。

ワークアウト

 運動面での利用も大きく強化されます。ワークアウトを行うときはApple Watchでワークアウトアプリを立ち上げて行う運動内容を選んでスタート、又はSiriにランニングを開始と言うだけでスタート出来ました。しかし、これを忘れていた場合、記録が全くないのでカロリー計算やデータが残らずショックだったことが何回かありました。

 watchOS 5ではワークアウトアプリを立ち上げていない場合に始めると、Apple Watchが自動的にワークアウトが始まったと判断して、「○○をしていますか?」と通知が表示されます。そのため、仮に忘れていても自動的に検出してお知らせしてくれるので、かなり便利になりました。また逆に終了することを忘れていても教えてくれます。

バッテリーライフ

 こんなに動作が改善してて、ディスプレイも大きくなったのなら、気になるのはバッテリーライフ。純粋に考えればものすごく短くなったのでは?と思いますが、使ってみるとびっくり。前と変わらない、もしかすると前より持ってるなあと体感することが多かったです。そのため朝から夜まで使ってそのまま、翌日の朝でも残量が30%ほど、とApple Watchにしては優秀です。その他のウェアラブルデバイスと比較すると悪い方かと思いますが、お風呂はいっている間に充電スタンドに置く、など習慣づけるとバッテリーはあまり意識して使うことはありません。

 そのため、初代ではコンプリケーションにバッテリーを置いて文字盤を使っていましたが、Series 2の途中からはバッテリー残量をコンプリケーションから外して使うようになりました。それ以降あまりバッテリーを意識することはなくなりました。毎日充電は面倒かも知れませんが、数日置きに充電するのも逆に忘れてしまうのでは?と筆者は思うので、結局毎日充電する羽目になりそうです。

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気になるポイント

 正直、ここまで製品レベルを高められると文句のつけようがないのですが、何点か気になるポイントがあります。

予備電力機能付きエクスプレスカード

 iPhone XSMaxXRに初搭載された予備電力機能付きエクスプレスカード(以下予備電力機能と省略)ですが、この機能はSeries 4に非搭載です。iPhoneは充電器を持ち歩いたり、知人に借りることができるのですが、Apple Watchの場合そうはいきません。Apple Watchの充電器を持ち歩いてる人はほぼ0でしょうし、そもそも外で切れるのは想定外。そのような事態にも対応できるようにApple Watchにこそ予備電力機能は欲しかったかなと思います。特にセルラーモデルなら性能向上によって単体でこなせることも広がったと思うので、益々需要があるのではないでしょうか。

解放されないウォッチフェイス

 一向に解放される気配がないウォッチフェイス。解放されたら色々な文字盤を開発してみたいと考えていましたが、解放されないのは権利問題などあるのでしょうか。時計の文字盤は世界中に多く存在するので、それを有料で販売したり無料で配信したりすることで他のブランドに迷惑がかかる、HERMESやNIKEといったコラボモデルの価値が下がると、考えているのでしょうか。以前iOS 6でスイス連邦鉄道の時計を盗用した過去がある故、その辺ちょっとシビアになっているのかなと推測しています。

Apple Watchの選ぶ基準

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 ディスプレイが丸く自然になったことで、時計としてのポテンシャルも高まりつつあるApple Watchですが、買おうとしたときに困るのがバリエーションの多さです。しかしApple Watchはそれぞれターゲットに合わせた種類が用意されているので、自分に合ったものを選ぶことをオススメします。今回はそれぞれのモデルを選ぶ基準を軽く紹介したいと思います。

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 個人的にオススメしたいモデルはステンレススチールケースのモデルです。見た目が綺麗な鏡面のステンレスなので、時計らしさが一番感じられるモデルです。また別売されているバンドやサードパーティのバンドが一番合うのもこのモデルです。ビジネスやプライベート、どんなシーンでもバンドを変えるだけで一番適応できるモデルです。

 問題点としては若干重たい、傷がつきやすい、と言うところ。アルミケースモデルからステンレスケースに移行した人が真っ先述べる感想が重たいなと言うこと。質感や見た目は圧倒的にステンレスケースが勝るのですが、スポーツを頻繁にする人にはオススメではないモデル。とは言えG-SHOCKのような重ための時計を常日頃使っている人なら気にならない重さです。XXSMaxなどステンレスフレームを採用しているiPhoneなら合わせてこちらにしたいところですね。

Apple Watch Series 4

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 スポーツに特化したのがNike+モデルNike+のモデルはNike+専用の文字盤とバンドが用意されています。通気性抜群、Nike+限定のウォッチフェイスもSeries 4とマッチしているのでスポーツやアクティブな活動にぜひオススメしたいモデルです。筆者も最初NIKEのモデルを購入する予定でしたが、発売が105日と遅めでしたので、購入を諦めました。

Apple Watch Nike+

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 そして最安で軽いアルミニウムモデルApple Watchの中でも一番安価なモデル(NIKEモデルと同額)であるということ。初めて使う人はとりあえず試したいと言う人にはオススメ。セルラーがない、GPSモデルがあるのでその分安価で試せるのも魅力の一つだと思います。またNIKEモデルも同様、アルミケースのメリットとして軽い、傷が目立ちにくいと言うこと。アルミニウムなので軽いのはもちろん、本体はサラサラした加工になっているのでちょっとした傷では全然目立たないです。

 デメリットとしては見た目が安っぽい、カジュアルすぎる、バンド探しがやや大変と言うこと。サラサラした明るめのアルミニウムなので、普段の服に合わせるのはやや難しめ。ステンレスのように違和感なく溶け込むこともなく、白くケースが光ります。そのため少しでも目立ちにくくするためにスペースグレイのモデルを購入したいところ。

 また、バンドを購入しようにも基本的にはステンレスケースにつける想定で用意されているので、なかなかマッチしないということがあります。スポーツバンドの色を変えることぐらいしか出来ないのはちょっと辛いです。

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 質感、デザインにこだわりたい、ブランドものにちょっと惹かれるという人にはHermesモデルをオススメします。本体自体はステンレスケースと同様ですが、ウォッチフェイスにHermes限定が用意されていたり、Hermesの革バンドとは別に運動に適したオレンジのスポーツバンドが同梱されているのもレア感があり良いです。バンドもHermesならではのオシャレでクール、カワイイ、様々な種類が用意されています。Series 4の新しいウォッチフェイスを見ているとHermesモデルが一番欲しくなります。それくらい、オシャレで素敵です。

 デメリットとして値段がかなり高価であること。最安でも14万円からとiPhone XSの値段を物ともしない価格設定です。また、メインターゲットとしては女性を想定しているようで、バンドによっては男性のサイズがなかったりするのでApple StoreやHermes直営店などで一度試してみることをオススメします。

Apple Watch Hermes

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まとめ

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 ヘルスケア、ワークアウト、アプリ、支払いがこの一台で完結する最高のデバイス。ターゲットは全人類、男女も健常者も障害者もシニアもジュニアも関係ない。

 Apple Watchをつけるだけで、心拍数は自動的に計測されます。日本では利用できませんが心電図機能が搭載されたことで、興味がなかった人でもこれ以降ちょっと気を使う生活になるかもしれません。そして転倒通報機能(Series 4には転倒時に起き上がる動作がない場合、自動的に通報されるという機能)は新たなジャンル開拓を始めたなと言う印象を受けます。ギークな層だけでなく、一般の様々な世代へ拡大することで、年齢や人を問わない、全世代が使えるデバイスにすることで、らくらくホンなどを嫌う層でもApple Watchなら着けるかも知れません。

 そしてそれらを補うアクセシビリティがApple Watchに備わっていることも強みではないでしょうか。健常者、障害者、年齢層を問わず使えるのはmacOSiOSと力を入れ続けてきたAppleだから出来たことだと思います。Apple Watchは以前より、障害者の方に広まりつつあるデバイスのようで、このような機能が増える、便利になるのは嬉しいことではないでしょうか。

参考 ITmedia -iPhoneよりも人生を変える、Apple Watch

 アクティブな運動をするユーザーはスポーツの種類に縛られることなく、様々な運動の記録を残せるので日々の記録向上やデータとして活用など、運動面でも幅広く応用できるポテンシャルを秘めていると感じます。

 外観も初の大胆なフルモデルチェンジ。更に丸みを帯びた本体に、マッチする丸みのあるディスプレイがガジェット感をぶち壊し、よりオシャレなデバイスになったと思います。スペック面でも今まで重たくて使うのを躊躇っていたアプリは、起動時間が大幅に短縮されたのでiPhoneよりApple Watchで見たほうが早いということが増えました。特にショートカット機能とSiriを組み合わせれば、腕一つで出来ることは無限大だと思います。

 Series 3でセルラーモデルが登場し、Series 4で見た目がより自然な時計に近づき大幅なスペックアップを実現したApple Watch。いつかはiPhoneのように必需品になる未来もそう遠くないと思います。欠点がほぼないSeries 4、最高傑作です。間違いなく買いです。

サードパーティからこのような安いバンドが販売されているのもApple Watchならではですね。