中国スマホメーカーSmartisan「倒産秒読み」

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 個性的な機能はてんこ盛りなものの、製品不具合を頻出させ、「そろそろ市場から淘汰されるのでは」と囁かれていると、10月にお伝えした中国のスマホメーカー、Smartisan(錘子科技)。

 今月に入り、大規模リストラ、給与遅配、在庫切れ、創設者CEOが執行役員に降格と、とうとう「倒産待ったなし」の状況にあることを、中国界聞新聞が伝えました。

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 12月5日、スモッグの立ち込める北京望京北路にある「中国数碼港大楼」前で、一群の人々が怒りの声を上げていたといいます。寒さに震えながら「錘子科技 血と汗のカネを返せ」のプラカードを掲げているのは、集金にやってきたサプライヤーたち。絵に描いたような「倒産する企業」という感じですね。

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 この「借金取り」参加者によると、当日この場には6、7社の債権会社20人程度が参加。今回が初めてではなく、債務に関するやりとりが滑らかでないため、前にも他のサプライヤー1社とともに同じようなことをやり、その際に錘子科技側は「11月末にかえす」と答えたそうです。しびれを切らしたことから、人数が増えて再度のデモにおよんだのだとか。

 ちなみに、このような昔の漫画みたいな「いかにも」な絵が中国で出現する理由ですが、日本では手形の不渡りを2度やると銀行が取引を停止するため、直ちに事業継続が不可能になりますが、中国の銀行はそのようなルールがないため、このように営業中のところに債権者が押しかけることになります。とはいえ、このような段階に至っては、一般論から言って事業継続は困難でしょうね。なんとなれば、誰も錘子科技に製品を供給しないでしょう。

 翌週12月10日には、錘子科技の社員が給与遅配をネットにリーク、資金繰りショートが再度明らかになったといいます。リークされたのは、錘子科技の社内メール。

社が売りがけ金の回収を期日までにできなかったため、11月の給与が本日規定通りに支払えません。皆様にご不便をおかけしますが、ご理解の程お願い致します。社は売りがけ金の回収次第、11月の給与を各位にお支払いします。社会保険料及び税は期日までに納めますので、ご安心ください

 まったく安心できませんね。鳳凰網の裏取り取材によれば、このメールの存在は確かであり、複数名の錘子科技社員が、失望の声をあげているそうです。

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 「钛媒体」の報道によると、複数のスマホ業界関係者は錘子科技の内部調整と経営危機について「このような結果はまったく意外ではない」と述べているそうです。今年Q3までに、錘子科技は1億元以上の営業損失を計上しているといいます。Xperiaと比べれば甘いですが、錘子科技の場合はスマホをメインとした中小企業なので、致命的なのでしょう。

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 事件が頻発する直前、錘子科技の創始者で前CEOの羅永浩は、これら経営不安について一々回答していたといいます。酷派が4、500万元の返済を求めていた件について、羅永浩は「交渉によって解決、妥当に処理する」と微博で回答。中国「証券日報」の報道で錘子科技が資金繰りが極度に緊張し、職員の給与支払いに足りない、全社規模での人員削減計画を開始したと伝えられたときには、「社はたしかに危機に直面していますが、錘子に時間をください」と言っていたそうです。見ているだけで胃が痛みますね。

 「暗黒の11月」が明けたものの、給与遅配や資金繰りショート問題が終わることはなく、錘子は「創業の原点」に戻ろうとしているといいます。創業ドキュメンタリーの中で、中国で最も話題性のある起業家の一人、羅永浩が往時を振り返って言うに、「給料も払えずに債権者に追われ、一度は自殺を考えた」そうです。なかなか強烈な指摘ですね。

 当時と異なるのは、羅永浩は12月に入ってからの「借金取り」事件以来、雲隠れしているといいます。学習したのでしょうか。

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 さて、錘子科技の資金繰り問題が解決するかですが、錘子科技が受けた直近の融資は2017年8月成都市政府による10億元で、以来1年半、新規融資はないようです。ダメみたいですね。

 個性的な機能を搭載した機種をリリースしてきた錘子科技ですが、年を越せるかも怪しいようです。