「実質価格」、通信料値引きが法改正で禁止へ。なら一括0円を政府として認めたら?

 毎日新聞は、総務省が電気通信事業法の改正案をまとめたと報じました。機種購入に伴う通信料の値引きを禁止するとのこと。通信料値引きとは、つまりドコモの「月々サポート」、KDDIの「毎月割」、SoftBankの「月月割」を指すものと考えられます。閣議決定し今国会で提出するとしています。

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 通信料からの割引による「実質価格」は、料金プランの複雑化を招くとともに若者の信用情報ブラック増加という社会問題の元凶であったことを考えれば、国による規制はあまりにも遅すぎるぐらいでしょう。本来ガラケーからスマホへの移行期にでもやっているべきで、サボり続けた宿題を今やってる感じですね。全面禁止の前に表記だけでも規制してよかったのではないかと思います。

 KDDIとSoftBankは割引を終息させるのは既定路線で、ドコモは残す形だったので、下手に国の介入はいらなかったのではという気もします。

 せめて端末価格が安くて「(良くも悪くも)スマホなんて2年以上使ってられるわけない、早く買い換えたい」と消費者が思っている時期にでもやっておいて、その頃からMNOのユーザーが端末代と通信料を正しく認識できているようになっていたら、良かったのでしょうけどね。今はスマホの寿命が伸び、端末代金の高騰が極地に達していますから、単に消費者が新機種を買わなくなるだけでしょう。タイミングとしては最悪ですね。

 寡占3社以外の資金力に劣るMVNOなど新規プレイヤーとしては、端末購入によって通信料金を安く見せる手法が使えなくなる方が競争上有利に働くでしょう。

 消費者の選択権の阻害・レ点方式によるオプション加入など、キャリアが牛耳るガラパゴス市場の悪政がいかなるものであったかは皆さんご存知の通りとして、MNO支配の功罪の「功」の部分として考えられるのが、新世代通信規格への切替がスムーズに行く、という点です。通常、新規格端末は当然ながら高額化しがちで、かといって消費者がそれを購入しなければ新世代通信規格の普及スピードは落ちてしまいます。しかも新規格端末は出始めは不安定であったり電池持ちが悪かったりするものです。そこでキャリアが安売りすることは、新世代通信普及のために一定のメリットがあると考えられます。まあ、つまり5Gを控えた今、いくら筋の悪い割引だからとはいえ、やはり規制するタイミングとしては最悪と考えられます。

 「一括0円・家族数十万円キャッシュバック・さらに通信料からの割引、全部盛り」というのが不健全で規制されて当然なのは間違いないですが、通信料の割引を規制する以上、「新世代通信規格を採用した新機種にキャリアが補助金を出して一括0円で販売することを『期限付きで』容認する」というようなお目溢し政策を堂々とやるべきでは、とも思います。

 これはネタでも何でもなく、新技術普及目的のみ安売りを公式に容認しようというのは、韓国の携帯業界改革の議論で実際に俎上に載っていたものであり、我が国の携帯料金値下げ議論以降の諸改革も韓国のそれを参考にしているので、突飛な話ではないと思います。通信契約に縛る性質の通信料からの割引はMVNOに不利ですが、一括なら問題ありません。新世代通信規格が早く普及することは後にMVNOユーザーにも恩恵がありますしね。

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 なお、韓国政府は端末販売もキャリアから引き離す政策も取っていますが、日本では、そういう根本的な部分の議論はありませんね。キャリアべったりと言うべきか、韓国はご当地SamsungとLGは世界で戦うメーカーだから自立できても日本のメーカーは瀕死だから今さら自立も何もあったもんじゃないと言うべきか。