中国メーカーHuawei Technologiesが、GoogleのAndroid OS関連サービスやGoogle Mapなどが提供されない場合においても、欧州市場でハイエンドスマートフォンを発売する方針であると、ロイター通信が報じました。情報源はHuawei関係筋。
Huawei関連に詳しい情報筋曰く、Huaweiは9月18日に独ミュンヘンで新しいMate 30シリーズを正式発表する予定。5G対応版もあるとのこと。
本機は、2019年5月中旬のHuawei関連会社100社以上のEntity List登録後、初のフラッグシップ新機種となります。
Google広報担当者は、米国の対Huawei制裁により、ライセンスされたGoogle関連アプリ・サービスでMate 30を販売することはできないとロイター通信に述べたとのこと。
Googleが、中国国外市場におけるAndroidスマートフォンにとって必要不可欠なGoogle Mobile Servicesを、ライセンス申請しているかどうかは不明。
制裁下、米国企業は特定製品の輸出許可ライセンスを商務省に申請することが可能です。しかし、Huaweiに販売するためのライセンス申請を、米商務省が米国企業から130件以上受けた一方、どれも認められていないとロイター通信は今週報じています。
G20大阪サミットの閉幕後の記者会見で、トランプ大統領はHuaweiへの制裁緩和を示唆しており、期待が高まっていましたが、米国政府は逆に46社のHuawei関連会社をEntity Listに追加。Entity Listの原則否認も維持されている模様です。
Mate 30がAndroid OSを採用するとすれば、Google関連サービスが使えない可能性が高いものと考えられます。
Gmail、アプリストア、アップデート、セキュリティー、クラウド、Googleホーム、YouTube、Google Mapなど、あらゆるGoogleのサービスがあって商品として成立しているAndroidスマホ。アナリストRichard Windsor氏は「Googleサービスなしに誰も端末を買わない」と指摘します。それでもMate 30をAndroid OSで発売するというのであれば驚きです。
Huaweiは開発者向けにMap Kitを準備しているものの、これ自体はGoogle Mapに直接対抗するものではありません。
なお、スマートフォン用OSとして、独自OS「鴻蒙OS」がAndroidを代替できるかについては、アナリストもHuawei幹部も懐疑的です。スマートウォッチやテレビへの搭載が現実的です。
Mate 30シリーズには、Mate 30、安価なMate 30 lite、前面ノッチにセンサーを備えたMate 30 Proの3種類が存在。Mate 30 / 30 ProはHiSilicon Kirin 990を搭載すると噂されています。
チップセットについては、HuaweiはARMv8永久ライセンスを保有しているためKirin 990を9月6日に発表できる見通し。
短期的には凌げる一方で、完全に自主研究でチップを作ると5~10年は遅れていると中国国内のアナリストが分析しているように、長期化すればHuaweiは他社に大きく劣後することが予想されます。
China Dailyが報じたところによると、HuaweiはArm使用継続を望むものの、制裁が解除されない場合はオープンアーキテクチャ「RISC-V」の使用も検討するとしています。
Google関連サービス・アプリストア等の使えないAndroid搭載Huawei製スマホ
— すまほん!! (@sm_hn) August 28, 2019