米大手経済紙Forbesの上級投稿者Jay McGregor氏は、「PlayStation 5とXperiaの提携が、AppleやSamsungを出し抜き得る」と題した論説記事を公開しました。
ソニーは音楽、ゲーム、テレビ、カメラ部門において大成功を収めており、スマートフォンとは対照的であると指摘。愛されるハードとサービスを作ることに熟練しているソニーが、なぜ人気あるスマホを作れないのか?この状況がPlayStation 5で変わり得るといいます。
ソニーは部門間を跨いだプロモーションについて消極的であるということはなく、ソニー・ピクチャーズの映画にはXperiaが至るところに散見、以前はスマホとゲームコンソールの組み合わせもあったといいます。PS4とXperia Z3には印象的なリモートプレイ機能があり、電話をコントローラーに接続する周辺機器と組み合わせることで筆者のお気に入りの端末の一つになったとのこと。
クラウドゲームにおけるライバルであるGoogle StadiaはPixelで使用可能で、MicrosoftのProject xCloudはAndroidスマホで利用可能です。それでは、Xperiaは?
そこでJay McGregor氏の考え得るとする解決策が、XperiaをPS5に同梱、そのXperiaでRemote Play(文脈的にPlayStation Now?)を利用できるという案。
スマホ業界は販売減少に対応して価格競争に陥り、各社が新規顧客獲得にますます積極的になっていることを指摘。各社がミッドレンジを拡充しているのはもちろん、バンドルの例としてはサムスンはGalaxy S20はヘッドフォンを同梱すると噂され、モトローラ razrはGalaxy Foldよりも500ドル安い値段で広範囲な画面交換ポリシーを採用、AppleはiPhoneを購入するとApple TV Plusサービスへの1年間のサブスクリプションを提供しています。
最新のXperiaは21:9比率でノッチがなくゲーマー向きであり、ここに高リフレッシュレートの120Hzディスプレイと大容量電池を搭載すればよく、必ずしもハイエンドフラッグシップである必要はなく、ミッドレンジでも良いとの論を展開。それをPS5と同梱する「離れ業」を経済合理的とすれば、Xperiaブランドはすぐに回復するだろうと記事を締めました。
この論説を
— すまほん!! (@sm_hn) February 4, 2020
モバイル向けでゲーミングを謳うそこそこ優秀なミッドハイSoCが登場する中、アイデアとしては面白いです。
しかし平井体制下でXperiaの「One Sony」が困難をきわめた原因のひとつは、協業の成否の責任をどの事業部が取るのかという事業部間の壁、独立採算の問題です。現在のXperiaが注入するソニーの技術はいずれもカメラ・業務モニターを手掛けるSIPS(ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ)中心で、これは事業部の壁を取り払えたというよりかは、モバイルがEP&Sという大きな括り、即ち「壁の内側」に取り込まれた、力関係の変化が背景にあることが推察できます。
ゲーム事業を展開するSIE(ソニーインタラクティブエンタテインメント)は昨年、Remote PlayをiOSやXperia以外のAndroidにも開放済み。スマホの積極的な拡大路線にあった平井体制時代ならともかく、カメラの映像伝送など様々な機器・用途への採用が想定される5G技術を、ソニーグループの手元に確保し続けるという消極的な理由でモバイル部門が維持されている現在の情勢下において、壁の外にあるSIEが自部門サービスへの接触機会を減じてまでもXperiaを売ることは合理性に乏しく、今回の論説記事のような展開がそのまま実現することには疑問符がつきます。より上位のトップダウンの決断が必要でしょう。
PlayStation 5は2020年の年末商戦期に発売予定です。
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