
先に走ったAmazonが盛大に転んだ?
Amazonが2025年2月に華々しく披露したAI音声アシスタント「Alexa+」は、数週間以内の米国展開を予告し、3月31日にはごく限られた利用者向けのEarly Accessを開始しました。しかし、その船出は万全ではありません。発表会で目玉とした機能の一部はまだ使えず、The Vergeは当初から、音声での食料品注文やブラウザー対応などが欠けたままだったと伝えています。
その後も、期待が安定した使い心地に変わることはありませんでした。2025年秋のThe Vergeによるレビューでは、Alexa+は自然な言い回しでスマートホーム機器を操作できる場面がある一方、応答に最大15秒かかることがあり、天気や音楽の再生でも10秒以上待たされるケースがあったとのこと。コーヒーマシンの操作は不安定で、浴室ファンを15分だけ回す指示にもうまく応じられないのです。
2026年2月、AmazonはAlexa+を米国内の全顧客に開放しました。Prime会員は追加料金なしで使え、非Prime会員にもAlexa.comとアプリで無料のチャット体験が用意されています。
ただ、提供範囲が広がっても不信感は拭えていません。WIREDのReece Rogers氏はEcho Show 15で1か月間試した末に、Alexa+は基本的な信頼性に欠け、特定の言い回しを当てるまで意図を汲んでくれないと指摘しています。楽曲や動画を呼び出しても空振りが続き、結局リモコンやタッチ操作に頼る羽目になる。その光景は、未来の到来というより、未完成の実験がそのまま家庭に入り込んだようなものです。
一方ライバルのAppleも、余裕のある立場にはいません。Appleが公に約束しているのは、より賢く、よりパーソナルな新しいSiriを「2026年内」に届けるということだけです。まだまだ先になりそうです。
ここで浮かび上がるのは、勝ち負けよりも「失敗の現れ方の違い」です。Amazonは先に市場へ飛び出し、日々の暮らしのなかで未熟さをさらけ出しました。Appleは遅れた分、確実に指示タスクをこなす再現性こそが求められるという現実を、他社の失敗から学ぶ時間を得ています。吉と出るか凶と出るか、見ものです。



















