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イケてるね。VR展示会で活躍する全天球カメラ「RICOH THETA」

 世界最大のバーチャルイベントを謳う仮想空間展示/即売会「Virtual Market 5」が開催中です。

 無料のSteam版VRChat内で展開されており、PC単体またはPCと接続したVRヘッドセットで無料参加可能。Oculus QuestシリーズなどSnapdragonで動作するモバイルプラットフォームVR単体では参加できないものの、Oculus LinkもしくはVirtual Desktopを用いてPCと接続する形であれば利用可能。

 複数の企業ブースが出展中で、カメラメーカー「リコー」は360度全天球カメラ「RICOH THETA」を展示。Vket4に引き続いての出展となります。

 景色のテクスチャーが周囲を覆う球体。この内部に入ると、THETAで撮影した360度静止画が視界全方位に広がります。なかなか面白い展示。VRヘッドセットの視線に追従して見回せます。

 せっかく360度動画も撮れるので、この動画版の球体も展示すれば面白そうな気はしますが、高い処理性能を要求されるVRだけに、より幅広い層にリーチするためには重たい処理が想定される展示は容易ではないのかもしれません。

 また、THETAにはラインナップが複数あるのですが、個別機種の説明まではできていませんでした。

 しかしながら、他社には3D空間だからといって詰め込みすぎ、情報量過多によって来訪者がついていけていない展示も見られるので、あえてラインナップの各機種の違いなどの詳細は説明せず「3D撮影のできるTHETAというカメラが存在する」という触りの概念説明に留めているのは、ひとつの賢明な判断ではあるかもしれません。

 VR空間での展示会というだけあって、まだまだ展示方法がこなれていないブースも少なくない、手探り感もある中、RICOHはまだ上手くやれている方です。

 なお、京都府精華町の展示ブースにも、RICOH THETAが効果的に用いられていました。こちらは球体内部に入ると、視界全方位を360度写真が覆うと同時に、音声解説が流れます。

 360度カメラといえば市場を切り開いてきたRICOH THETAやGoProのイメージが強かったですが、最近ではより若い社員を中心とした中国の新興企業Insta360が、SNSを活用した巧みなマーケティングでシェアを拡大し、技術開発にも投資し、力をつけてきている印象。RICOH THETAもVket展示はイケていて素晴らしいと思いますが、他の面でも新しいマーケティング手法で戦わなければ、このまま押し込まれてしまうかもしれません。

 2020年10月には、RICOH発のスタートアップ「ベクノス」が全天球カメラ「IQUI (イクイ)」を発売するという新しい動きもあり、今後のRICOHに注目していきたいところです。

 Vket5の開催期間は2020年12月19日~2021年月1月10日となっています。今回は企業宣伝という切り口で注目点をお伝えしましたが、ほんの一部に過ぎません。仮想空間上の展示会場は非常に広大であり、個人・サークルの3Dモデル即売会としての側面も持ちます。おそらく1日だけで回るのは困難であり、じっくり日数をかけて楽しむのがいいでしょう。

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