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シャオミへの米政府「制裁」執行停止、他の中国企業も「行政訴訟」検討

 米国前トランプ政権末期、中国のハイテク企業に対する投資禁止処分がなされましたが、既報のとおり、そのうちの一社であるシャオミが米政府を相手に投資禁止処分の取消訴訟を提起、3月12日に連邦裁判所はシャオミによる執行停止(判決を待っていては取り返しのつかない損失が発生し、多分勝訴するだろうと裁判所が認めればOK)申し立てを認容し、「投資禁止」は解除されました。

 私の感想としては「完全にイチャモン、中国企業叩きたいだけのメチャクチャな処分だったので当然」だったのですが、「シャオミ以外の投資禁止処分を食らった中国企業も、大なり小なり同じようなものでは?」と、誰しも考えるのではと思います。

 事実、同様に制裁処分を受けている中国企業が、シャオミに続いて米国政府を相手取り行政訴訟を提起する用意を進めていると、中国「网易科技报道 」が伝えました。

トランプ前政権によりシャオミが受けた損害

 前トランプ政権によるシャオミ投資禁止処分により、シャオミの市場時価総額は100億米ドル下落しており、株価は今年1月に9.5%減少、米国の制裁は投資家にシャオミの株式を手放させたと指摘。

 ここは筆者として、もう一度いいます、100億ドルです、いっちょうとんできゅうひゃくおくえんです。これ、国家賠償請求訴訟やばいんじゃ……。

 デタラメなポピュリストに政権運営させるとえらいことになるので、やはり注意したほうがいいと思います。

被制裁中国企業、訴訟準備を着々

 今回の案件に詳しい弁護士によると、米国連邦地裁裁判官Rudolph Contrerasの決定した執行停止に勇気づけられた制裁処分を受けている中国企業が、Steptoe&JohnsonやHogan Lovellsといった米法律事務所と交渉を開始しているとのこと。

 ワシントンに本部を置くグローバル法律事務所Steptoe&Johnsonの香港事務所執行パートナーWendy Wysongは、「いくつかの企業は弁護士に接触し、投資禁止処分リストと、リスト入りした理由について疑問を呈していた」と言い、Hogan Lovellsの関係者は議論に参加いている企業名を明かすことは避けたと言います。

シャオミ制裁の「理由」に、元ホワイトハウス法律顧問も「大笑い」

 連邦地裁裁判官は、米政府がシャオミを投資禁止処分リストへ組み込んだ過程に「重大な過失がある」と認定しています。当該処分の理由とされているのは「米国防省はシャオミは5G技術と人工知能の発展について軍事行動と重要な関係があること」と「ある部門がシャオミ創始者・CEO雷軍を表彰しており、当該部門は中国政府による商業と軍事部門の障壁除去を幇助している」こと。

 これに対する裁判官の指摘は、5GとAIは急速に民生電子製品のスタンダートとなりつつあり、また、2004年以来、すでに500以上の企業家が雷軍と同様の賞を受けており、中には乳幼児向け粉ミルクメーカー社長もあると言います。

 ホワイトハウスと国務省の元法律顧問、ワシントンの弁護士Brian Egan氏は、「シャオミをブラックリストさせた理由は大笑いと言っていい、絶対にさらに多くの企業が司法救済を求めると思う」と述べているとのこと。

バイデン政権も対応に困惑

 一方の連邦地裁より執行停止を受けた米政府ですが、今のところシャオミ訴訟案件への「適当な方向」がわからないと、3月16日に表明しているようです。

 法務省のスポークマンも、本件に関しては「ノーコメント」。国防総省スポークマンは質問した記者に「ホワイトハウスへ」問い合わせるよう言ったものの、そのホワイトハウスもダンマリだと言います。

 これは私の感想ですが、陰謀論者が大好きな大統領の最後っ屁を処理させられている米国の役人、可哀想ですね。

シャオミ以外の「ブラックリスト」中国企業は?

 トランプ政権最後の数ヶ月、シャオミと他43社が投資禁止処分対象の「ブラックリスト」に入れられ、根拠は1999年に制定された法律により、国防省が中国の軍部により「掌握或いは制御」されていると認定する企業ということになっています。

 他に「ブラックリスト」入りしている企業としては、映像監視大手「海康威視」(Hikvision)、「中国海洋石油総公司」(CNOOC)、中国最大のチップメーカー「中芯国際」(Semiconductor Manufacturing International Corp)があるとのこと。

 以上三社は、引用元中国メディアの質問に回答はなかったそうです。

 また、ブラックリストには地図技術企業の「箩筐技术公司」(Luokung Technology Corp)があり、ここも今月初旬に米国政府を相手として訴訟を提起、シャオミと同様に「執行停止」決定を受けられると見込んでいるといいます。

総評

 米国前トランプ政権による中国企業制裁は「いや、メチャクチャでしょ」と感じていましたが、シャオミが米政府を相手に行政訴訟を提起、執行停止決定を勝ち取ったことにより、他の中国企業も「うちも」「うちも」と、訴訟の波が広がっているようです。

 「そりゃそうでしょ」というところですが、この後には私の予想というか、私なら国家賠償請求訴訟を提起するところですが、シャオミの時価総額への損失「100億ドル」には目玉が飛び出るところ。どこまで請求が認容されるか知りませんが、「トランプのデタラメ処分」のツケは高くつきそうだという印象です。

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