著名リーカーのIce universe氏がSamsungの折り畳み有機EL搭載ノートパソコンについて示唆しました。
同氏は8月31日にTwitter上でGalaxy製品に用いられているフォントで「Galaxy Book Fold 17」と書かれた画像とともに「BREAKING!」と投稿。
BREAKING! pic.twitter.com/MTwRZIXmSG
— Ice universe (@UniverseIce) August 31, 2021
通常ならばこの情報だけでは到底信じられるものではありませんが、ディスプレーの展示会「SID 2021」にてSamsungはローラブルスマホや三つ折りスマホのコンセプトと同時に折り畳みノートパソコンを登場させており、さらにIce universe氏のリークは比較的高精度なものであるため、信憑性はありそうです。
SID 2021の動画に登場していた17インチの折り畳みノートパソコンはもちろん有機ELを採用し、継ぎ目のない画面となり、さらにカメラはUPC(画面下カメラ)にすることで極細ベゼルを実現するという、まさにSamsungがスマホで培った技術の結晶をすべてパソコンにつぎ込んだような内容になっています。
また、ゲームが快適に動作する演出がなされており、ある程度の性能も確保されていそうです。
ただ、一般的にノートパソコンで有機ELを採用したモデルは液晶を採用したモデルと比較して軒並み駆動時間が減少しており、このコンセプトのままで販売するのであれば駆動時間の減少か重量の増加が避けられないと感じます。
たとえば、すでに終売している機種となっていますが、dGPUを備えてある程度のゲームも可能な「HP Spectre x360 15-eb0000」では、IPS液晶を採用する標準モデルが公称15時間、有機ELを採用しSSDが1TBに増量した上位モデルが公称8時間30分と大きく差が開いています。
有機ELの性質上、ダークモードに設定することで消費電力が抑えられるといえども、多くのサイトやWindowsのソフトはダークモードに非対応。さらにタブレットにも負けず劣らずな本体の薄さを実現しており、そんな状況下で発熱量がArmより大きいx86-64アーキテクチャのCPUを搭載してどの程度戦えるのか、少し不安に感じます。先駆者であるThinkPad X1 Foldは公称11時間となっていますが、CPUの性能が非常に抑えられており、動画のような3Dゲームは動作不可能といえます。
なお、コンセプトムービーでは物理的なキーボードが一度も登場しておらず、そのためすべて仮想キーボードで完結させるというのも考えられます。ThinkPad X1 Foldは折りたたんだ画面の片側にはめてUMPC(小型PC)ライクに使用するためのキーボードが用意されていました。
先に述べた理由により、筆者としては動画で登場した機種のように、Windowsを搭載しながらある程度のゲームがプレイできる性能とした場合、コンセプトムービーに登場したままの姿でお披露目されるのは容易ではなく、もしかしたら17~18インチの大画面を誇ったAndroidタブレット「Galaxy View」シリーズの折り畳み版のようなものになるのかもしれないと感じました。
Ice universe氏の投稿の返信欄には「Lenovoの折り畳みノートPC(ThinkPad X1 Fold)のライバルになりますか?」といった質問が寄せられ、Ice universe氏は中国語で「競争相手となる製品は存在しない」といった旨の回答をしています。詳しくは説明していないものの、この意味は先述の「Windowsではない」だとか「物理キーボードを備える使い方を想定していない」といった意味なのかもしれません。
Galaxy Book Fold 17の価格も当然ながらリークされていませんが、7.6インチのGalaxy Z Fold3が20万円台、13.3型のThinkPad X1 Foldが30万円台からであるため、それ以上の価格設定になることは必至でしょう。
Samsungは近く、Galaxy S21シリーズの最廉価モデル「Galaxy S21 FE」を発表するとみられています。今回はあまりにも前情報がない段階でのリークであったためS21 FEと同時期にGalaxy Book Fold 17が発表されることは考えにくいですが、なんにせよ非常に面白い機種であることは明らかです。続報が楽しみです。