これでAndroidタブレットや折り畳みスマホが盛り上がるかも!
Googleは、折り畳みデバイスやタブレットなど大きな画面のデバイスに最適化された「Android 12L」を発表しました。現時点ではエミュレータ用に開発者向けプレビューの提供を行っており、来年3月ごろに正式版の発表を予定しているようです。
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Android 12L特徴まとめ
Android 12Lとは
Android 12Lの最も大きな特徴は当然ながら、スマホより大きい様々なサイズのデバイス、タブレットや「デスクトップ」、折り畳みデバイスなどに最適化されているところに尽きます。
アプリの開発者が大画面デバイスでも容易に最適化を施せるようにするためのAPIやツールが提供され、APIレベルも将来的には32に。ある意味ではスマホとタブレットでバージョンが分かれていた時代の再来と言えるかもしれません。
画面分割やサイズ変更が手軽に。
ユーザー側にも利点は多く、600dp(※)を超える画面では、通知バーやロック画面などが2列に並ぶようになり、それぞれを同時に操作できます。
※画素密度と実解像度から算出された数字「dp解像度」によって、Android OSはデバイス種別を判別、適切なUIで表示を実現しています。
さらに画面分割やサイズ変更に対応していないアプリでもOS側で分割・サイズ変更をサポートするようですが、これは地味に Android 12からの実装となっているようです。
Android 11以前ではゲームはともかく一部のアプリは画面分割に対応せず使い勝手が非常に悪かったのですが、大画面向けのAndroid 12Lでも対応が明記されているのはかなり嬉しいポイントです。
タスクバーが登場、画面分割が容易に
また、別途アプリを簡単に起動、画面分割できるタスクバーも登場するようです。筆者としては、画面の一部を占有されてしまうためにかなり邪魔だなと感じたのですが、タスクバーは長押しで簡単に非表示にすることができるようです。
このタスクバーを上へスワイプすることによりホーム画面へ戻るなど、Android 12Lのナビゲーションは最新のジェスチャーナビゲーションとかなり似てはいますが、Android 10以降で発生しているジェスチャーナビゲーションとサードパーティー製ランチャーの相性問題が解決されているのかは気になります。
アプリやGoogle Play Store等にも細かい改善・変更が
やや細かい点では、Google PlayのUIが大画面に最適化されたものになり、スマホ以外のサイズに最適化されていないアプリには警告が表示されるようです。
また、今年の初めごろに告知されていた、Chromebookやタブレット、スマートウォッチなど特別なデバイスでは、アプリの評価がそれ固有のものが表示されるようになることも関係します。これにより大画面デバイスでそのアプリが正常に動作するかの指標をほかのユーザーに提供できます。
さらに、一部のアプリには画面の縦横を強制させるものがありますが、それらの要求を無視し、アスペクト比を維持したまま表示させるオプションがAndroid 12以降メーカー側に提供されているようです。これはエンドユーザーには関係がないことかもしれませんが、常に縦/横向きに固定されているタブレットなどのデバイスにおいて調整がなされていないアプリを設定する際に首をひねらなくとも操作ができる……という用途になるのでしょうか。
また、互換モードの強化が入っており、大画面デバイスにいまだ最適化されていないアプリについてもユーザーエクスペリエンスを向上させるとしています。
時期・対応機種
Android Studio上のエミュレータでは、Android 12Lはスマホ、タブレット、折り畳みデバイス、デスクトップの4種類のリファレンス端末が利用可能とのこと。大画面デバイスとしながらスマホでの動作も検討しているのは少し意外です。
今月は開発者向けプレビュー、12月にベータ1、2022年の1月と2月にそれぞれベータ2と3が提供され、2022年第一四半期中に最終リリースが公開される予定です。また、Pixelシリーズへのダウンロードも可能で、こちらはPixel 4以降が対象となっていますが、実際にダウンロード可能なのはベータ1以降。
壊滅的だったAndroidタブレット市場がコロナにおける在宅勤務で需要が巻き返したという側面もあるため、この表現は少し不謹慎ではありますが、メーカー各社やGoogleも本腰を入れてタブレットに対しての対応を始めたことが嬉しく、かなり楽しみです。ただ、日本でも販売されており非常に高いコスパを誇るXiaomi Pad 5のMIUI for Padなど、企業側で大きくカスタマイズが入れられているものについてどのような対応となるのか気になるところではあります。