超高価70万円!スマホとカメラの嵌合体「ZEISS ZX1」にマニアが下す評価とは? すまほん!!

 カメラを搭載するAndroidスマホはごく普通ですが、逆に「Android搭載カメラ」をご存知ですか?実は2018年にドイツの光学機器メーカーZEISS社がAndroid搭載カメラ「ZEISS ZX1」を発表、2020年10月以降ドイツで発売。その後も販路を拡大していました。

 かつてはPanasonicもAndroid搭載デジカメ「LUMIX CM1/CM10」を出していましたが、あくまでカメラとしては小さい1型センサー。しかしZX1はなんとフルサイズセンサーを搭載しています。

 ZEISS ZX1実機を、カナダのガジェット系YouTubeチャンネル「ShortCircuit」がレビューしています。

 ZEISS社は数多くのカメラを開発してきましたが、Android搭載のモデルはこれが初。”Shoot, edit, share”(撮影、編集、シェア)という主題が箱に書かれており、スマホと違い好きなアプリをインストールはできませんが画像編集ソフト「Adobe Lightroom CC」や「Instagram」を内蔵し、写真の編集からシェアまで一台で完結を謳います。

 Peak Design製のストラップを同梱しており、これはオマケレベルではなく写真家が実際に買って使用するレベルの高級品。価格は6000ドル(70万円)とAndroid端末としてもカメラとしても高額ですが、さて、それに相応しい価値はあるのでしょうか。

 まずはカメラ仕様ですが、レンズは非交換式で35mm f/2、センサーはフルサイズ3740万画素CMOSセンサー。本体は簡素なデザインで、シャッタースピード等各種設定を物理ダイヤルで調整する仕様になっており動画内では高評価。

 タッチディスプレイは1280×720で、サイドバーにカメラ設定を変更するスライドバーが表示されます。EVF機能使用中(カメラをのぞき込んでいるとき)もタッチスクリーンで設定調整ができ、ファインダー内にインターフェースが表示されるようです。これには「超クール!」と高評価。タッチスクリーン感度はスマートフォンと同等のレベルは期待できませんが、カメラに搭載されたものとしては最高精度のものの一つだそうです。

 リーフシャッター搭載でとてもシャッター音が静かですが、シャッタースピードが犠牲になる欠点も。動き回る動物の一瞬の瞬間を撮影するような用途には不向きですが、一般的な用途では必要十分とのこと。

 多くのカメラは沢山のボタンが搭載されていますが、ZX1はボタンがたった一つしかありません。設定で任意の機能をアサインできるカスタムボタンになっており、残りは全てスクリーンで行うこととなります。USB-Cポートとバッテリースロットも搭載されていますが、SDカードスロットがありません。これは512GBのSSDが内蔵されており、SDカードを必要としないデザインのためです。

 もちろん動画撮影も可能で、最大4K/30fpsまたはフルHD/60fps。ごく平凡な仕様であり、特に際立ってはいません。

 前述の通りインストール可能なアプリケーションはLightroomとInstagramのみ。DropboxやOneDriveには無線接続可能でデータ同期が可能。Facebookにはアップロード対応していますが、Twitterなど他のSNSサービスは利用できないというのは「撮影からシェアまで一台で」できるはずのコンセプトにしては不十分との評価。

 では実際の性能はどうでしょうか。本動画では、カメラマンとギーク(ガジェットオタクの意味)の2名それぞれにデバイスの感想をインタビュー。カメラとして、そしてAndroidデバイスとしてそれぞれどうなのかを検証するという面白い試みをしています。

 まずはギークからAndroidデバイスとしての視点評価。見る限りOSはAndroid 8かそれ以下。EVFでタッチスクリーンから設定調整できる機能ですが、あまりウケは良くない模様。「全然好きになれない」との評価です。デザインも「シンプル過ぎる。最高級TeslaやiMac Pro 5Kみたいなものを買う客層をターゲットにしているなら分かりますが、もうちょっといろいろボタンとかが付いている方が高級感あっていいと思います」とミニマリストデザインが裏目に出てしまいました。

 「これにいくら払う?」と聞かれ「3500ドル(40万円)くらいかな」と答えましたが、6000ドル(70万円)という価格を伝えられ「うえぇぇぇっ!」と酷い反応……。

大不評のリアクション

 続いて二人目、今度はカメラマンからの評価。

 デザインに関しては、グリップが微妙に小さく指先で掴まなければいけないのがあまり好きじゃないと評価。EVFでの設定機能は先ほどよりは高評価ですが、機能的というよりは、単に「面白い」という程度の反応でした。

 タッチスクリーンで写真の編集ができる機能ですが、「小さいスクリーン上で編集するのは違和感があるし枚数が多いと難しい」とのこと。予想価格はZEISS製であることも考慮しても4000ドル(46万円)。6000ドルという定価を聞くと「ちょっとキツイかな……」とまたもやネガティブな反応を返しました。

本体と手の隙間が微妙に発生し、見た目ほど持ちやすくない

 実際に編集画面などインターフェースを使用してみた所感としては、Lightroomをこのサイズで使用できるのはスゴイが、やはり小さくてスライドバーが操作しにくいとのこと。

編集インターフェース

 画質はシャープネスはとても良い感じと好評。

 総評として「6000ドルという価格の高さは全て自社製によるものでしょう。それだけの技術力は流石ZEISSといったところですが、この価格でこの機能性のカメラはあまり需要があるとは思えません」「小さいスクリーン上で画像編集というのはやはり難がありますが、とても高い技術力は感じました。本機はまだプロトタイプ感が拭えませんが、将来他のメーカーもこういったコンセプトのカメラを開発していくのを期待しています」と語っています。

 筆者は写真撮影の趣味は無いので相場感はあまりわかりませんが、いくら良いメーカーの製品といってもこのちぐはぐ具合で70万円というのはちょっと信じられませんでした。このガジェットカテゴリの発展に期待です。