Android端末用の現状最高峰のSoCといえばQualcommのSnapdragon 8 Gen 1とMediaTekのDimensity 9000。中国メディアのITHomeは、限りなく近い環境にて両者の性能を検証しました。
OPPOが先月末に発表したフラッグシップスマホの「OPPO Find X5 Pro」は、無印版のほかにMediaTekのフラッグシップSoCのDimensity 9000を搭載する「OPPO Find X5 Pro Dimensity Edition」が存在しています。無印版は全世界で取り扱われますが、DImensity Editionは中国国内のみの販売で日本ではそうそうお目にかかれない製品となっています。
Dimensity Editionと無印版の違いは、SoC以外にOPPO独自のMariSilicon Xが非搭載かつ5軸の光学式手ブレ補正に非対応といった点。Dimensity Editionはカメラスペックこそ大幅に劣るものの、ベンチマークの計測だけであればこの二台はSnapdragon 8 Gen 1とDimensity 9000を比較する最高の環境であるでしょう。
ITHomeは2台の端末で同時にAnTuTuベンチマークをテスト。結果はSnapdragon 8 Gen 1を搭載するFind X5 Proが99万点、Dimensity Editionが100万点越えだったとのこと。各分野で見ると、Dimensity 9000はGPU以外の分野でSnapdragon 8 Gen 1に2-3万点の差をつけているものの、Snapdragon 8 Gen 1はGPUの分野で5万点ちかい差をつけて勝っています。同メディアはAnTuTuベンチマークを複数回実行したようですが、スコアの傾向は一定だったとのこと。
誤差程度ではありますが温度はDimensity Editionがわずかに高く、バッテリーは無印版の方が多く消費されていますが、Dimensity EditionはSIMカードが刺されておりバッテリー残量に余裕があること、また無印版はバッテリー残量が30%台となっている点などから単純な比較は難しそうです。
Snapdragon 8 gen 1とDImensity 9000はCPUがCortex-X2×1+Cortex-A710×3+Cortex-A510×4という構成という点では共通しているものの、Samsung製造のSnapdragon 8 Gen 1は熱問題や消費電力の多さ、それによる性能低下、加えて不良品率の高さ、歩留まりの悪さが指摘されています。QualcommはSnapdragon 8 Gen 1 PlusをTSMCに委託すると伝えられており、発熱の改善を期待したいところ。