インド政府のシャオミへの「嫌がらせ」がヤバすぎる。背景に「国内メーカー育成」 すまほん!!

 4月29日に公表された市場調査機関IDCの2022年第1四半期データによると、中国スマホ市場の出荷台数は前年同期比14.1%減の7420万台、うちシャオミは1100万台、前年同期比18.4%減、第5位に。

 インド財政部の下級法執行機関は4月30日、シャオミ・インド社の銀行口座から555.1億ルピー(約9000億円)の資産を差し押さえたと発表。

 国内市場での売上減とインド政府による差し押さえ処分、シャオミにとっては泣きっ面に蜂となりました。

 どういうことかこの差し押さえは裁判所により解除されたものの、インド政府からシャオミへの当たりが強いのは、これが初めてではないようです。中国「連線Insight」の記事を元にお伝えします。

インド人気No.1のシャオミ、政府には嫌われている?

 シャオミは2014年にインド市場へ参入後、2017年末にはサムスンを追い抜いて出荷台数首位に立ち、その後もガッチリキープ。雷軍もインドをシャオミにとって非常に重要だと話しています。

 ここ半年でインド政府はシャオミに対して3度の税務調査を行っており、今年の初めには65.3億ルピー(約100億円)の追徴課税処分を下しています。

 また、インド政府が2020年に発表した電子製造業生産奨励計画でも、計画にサムスンやアップルは組み込まれていましたが、中国のスマホメーカーは外されていました。

「特許権使用料の支払いは違法」らしい

 前出インド財政部の下級法執行機関による4月30日の発表によれば、「外為管理法」の規定により、シャオミ・インドの銀行口座から555.1億ルピーの資産を差し押さえたとしています。

 発表では、インドの法執行機関は今年2月よりシャオミによる違法送金について調査を展開、シャオミは2014年からインドでの業務を開始し、2015年に送金を開始しており、シャオミ・インドは外国企業3社に555.1億ルピーを送金しており、そのうち1社への送金は権利使用料に偽装したシャオミ集団への送金であったとしています。

 また、シャオミ・インドはインドの製造業者からスマホとその他商品を調達しており、外国企業3社からいかなるサービスも得ておらず、グループ内で各種の無関係な書類を隠れ蓑として、特許権使用料の名義で海外へ送金したことは、外為管理法第四条に違反するといいます。

 これに対してシャオミ・インドは、すべての営業活動はいずれも厳格に現地の法令を遵守しており、シャオミ・インドが支払った特許権使用料は合法かつ事実である、シャオミ・インドが支払ったこれらの使用料は、インドバージョンの製品に使用した知的財産の使用料であり、適法な商行為であると声明。

「会計技術上の難題」

 今年1月の65.3億ルピー追徴課税も、やはりシャオミ・インドからクアルコムとシャオミモバイルソフトウェア社へ海外送金した特許使用料について、これらの費用が商品の取引価値に計上されていないというもの。

 インド政府としては、特許権使用料は企業のコストであり、もしこの費用が過剰であればそれだけ企業の課税所得が減少するという立場。

 これについてシャオミ・インドは、特許権使用料をどのように輸入商品の価格へ計上するかは、各国でいずれも複雑な難題となっているとしています。

 夏謹言弁護士によると、「現代企業は様々な方法で適法であることを前提として節税をおこなっている。今回の件でカギとなるのは、シャオミ・インドと外国企業間の取引が事実であり、必要な取引であったかであり、もし取引が虚偽であれば、当然インドの法律に違反することになる」とのこと。

 ロイター社の報道によれば、シャオミ・インドが特許権使用料の支払いも含めた資金の移転についてインド政府へ逐次報告することを条件として、差し押さえは解除されましたが、つまり、インド政府はシャオミ・インドによる特許使用料の支払いをいつでも阻止すうことができるわけです。

まだあるインド政府による嫌がらせ

 税務以外でも、インド政府電子情報技術部は昨年6月に「主権と国家安全への脅威」を理由とし、中国スマホアプリの使用禁止を開始、シャオミブラウザもこれにより禁止されました。

 シャオミはインド市場販売台数首位のブランドであり、シャオミブラウザはプリインストールしてあるため、この禁止令では大きな影響を受けました。

 インド政府による各種の動きから見ると、今後シャオミがインド市場で受ける監視はますます厳格になりそうですが、インドはシャオミが最も成功している海外市場だけに、撤退することはありえないだろうと言います。

インド政府の本音は「国内メーカーを育成したい」?

 第一手機研究院院長孫燕飚は「政治と、現地製造業育成といった要素から、インドは中国企業のインドでの発展を制限するかもしれない」と指摘します。

 また、前出電子製造業生産奨励計画にサムスンとアップルを入れながらも中国企業を弾いたことにも触れ、「今のところインドの現地スマホブランドは強くない。そこで、インドはアップルとサムスンを用いてシャオミ、OPPO、vivoを攻撃し、現地ブランドの生存空間を確保しようとしている」と言います。

 孫によれば、最近インドの現地スマホブランドはゆっくりながらも勃興しつつあり、とくにウェアラブル端末ブランドの発展が目覚ましいとのこと。

 2021のインドスマートウォッチ市場の出荷台数は前年比274%増となり、インド国内ブランドのNoiseが27%のシェアを占めて市場を牽引し、インド国内ブランドが市場総出荷数の75%を占めました。

総評

 焦点となっている特許権使用料の取り扱いですが、正直会計知識があまりないので私はよくわかんないですが、クアルコムに支払ったのも違法というのは、もっと解せないという印象。

 ただ、どうやらシャオミはインド政府からモロに嫌われているようなので、これまでインド市場で快進撃を続けてきたシャオミは、ヤバすぎる苦境に直面しているようです。