米国議会の共和党議員が、Appleに対して中国メーカーYMTC(長江メモリ)からiPhone用のNANDフラッシュメモリを調達しないよう強く求めていたことがわかりました。
Financial Timesによると、共和党のマルコ・ルビオ議員とマイケル・マッコール議員はAppleがNANDフラッシュメモリのサプライヤーにYMTCを加える可能性があるとの一部報道を受け、Appleに対する警戒を強めたとのこと。
現在、多くのiPhoneには、主に韓国のSK Hynixや日本のキオクシア製のNANDフラッシュメモリが利用されています。ただ、2022年2月に起こったキオクシアのNAND生産工場における半導体汚染事故などを背景に、Appleは一部のサプライヤーにおいてトラブルが発生した際にもiPhoneを安定して製造できるよう、複数の供給源を確保したい思惑がある模様。
ルビオ議員は、Financial Timesの取材に対して、YMTCをはじめとする中国企業の製品が持つセキュリティリスクを懸念した上で、「もしYMTC製NANDフラッシュを今後のiPhoneに搭載する場合、Appleは連邦政府からこれまでにない厳しい監視を受けることになるだろう」と述べています。
これに対してAppleは、Apple製デバイスのNANDフラッシュメモリに保存されているすべてのユーザーデータは完全に暗号化されるとアピール。加えて、YMTC製NANDフラッシュメモリを搭載したiPhoneを中国国外で販売する計画はないとの声明を発表しています。
米国議会においては、YMTCは国家安全保障上の脅威とされており、一部議員は禁輸リストへの追加をバイデン政権に対して要請。YMTCへの禁輸措置の適用も残すは時間の問題となりそうです。