Xiaomiは、日本時間4日の21時より行われていたXiaomi Launch October 2022にて、ハイエンドシリーズの廉価版という立ち位置である「Xiaomi 12T」シリーズを発表しました。ユーロ価格はかなり上がってしまいましたが、それに見合う進歩を遂げています。
パフォーマンス
Xiaomi 12TはSoCにDimensity 8100 Ultraを、Xiaomi 12T Pro1はSnapdragon 8+ Gen1を搭載。先代でもXiaomi 11TはDimensity 1200-Ultraを、11T ProはSnapdragon 888+を採用していたため、いずれも順当に進化したという印象です。製造プロセスは8100-UltraがTSMCの5nm、8+ Gen1が同4nm。
Xiaomi曰く、Snapdragon 8+ Gen1は8 Gen1と比べCPU性能が16%、電力効率が30%改善しているとのこと。冷却や電力効率の改善にも力を入れているとアピールし、先代比65%のVCプレート面積の拡大も実現したとのこと。
ディスプレイ
先代Xiaomi 11Tシリーズはいずれも解像度はFHD+でしたが、Xiaomi 12Tシリーズでは両モデルとも2712 x 1220。高い解像度とバッテリー持ちを両立します。
ディスプレイは変わらず6.67インチのAMOLEDで、リフレッシュレートは120Hz。新しくAdaptiveSyncディスプレイに対応し、状況に応じてリフレッシュレートを30/60/90/120Hzと切り替えられるようです。
また、ディスプレイの色表示は12bit、680億色の表示に対応。10億色の表示に対応したデバイスが増えつつある中、さらに上を行きます。輝度は最大1200nits。
ただし、ディスプレイの保護ガラスはGorilla Glass 5を採用。先代Xiaomi 11Tシリーズでは2世代先のGorilla Glass Victusを採用していたため、12Tシリーズではコストカットに。
デザイン
デザイン言語はおおもとのXiaomi 12シリーズとおおよそ共通しています。Mi 11/Xiaomi 11Tシリーズ間ではデザインのまとまりがなかったため、これは個人的にうれしいポイントです。また、先代モデルでは背面素材にプラスチックを採用していましたが、12Tシリーズでは上位シリーズ同様に非光沢ガラスを採用しているようです。
本体色は両モデルともにシルバー、ブラック、ブルーの3色。デザインの違いはカメラの「200MP」という記載程度。
カメラ
今回、Xiaomiが最も大きくアピールしているのがカメラ。Xiaomi 12T Proでは2億画素センサーのISOCELL HP1を世界では実質2番目に搭載したモデルとなります。ISOCELL HP1は1/1.22型のセンサーで、16画素を1画素にまとめることが可能。
先代モデルではカメラのスペック上の違いはなかったため、画作りに影響するのはSoC内蔵のISPによるものだけだったのですが、今回はかなり大きく変わりそうです。
メイン以外のカメラ構成は同じで、800万画素で1/4型の超広角と1/5型の200万画素のマクロと続きます。いくら廉価機とは言え、使途が実用的でないマクロカメラと解像度が微妙な800万画素超広角カメラにもそろそろテコ入れしてほしかったところです。
今回、Leicaとの提携は発表されていないものの、2億画素センサーを用いた「200MP Xiaomi ProCut」などの撮影機能が発表されています。200MP Xiaomi ProCutは、その名の通りまず2億画素で撮影したのちに、それぞれの被写体や場所にフォーカスした写真を自動で切り出すシステム。もちろんXiaomi 12Tでは非対応です。
バッテリー
バッテリーはいずれのモデルも5000mAh。Xiaomi 12T Proは先代と変わらず120W充電に対応しますが、なんとXiaomi 12Tでも120W充電に対応。19分での満充電を謳いますが、これは先代よりも2分ほど遅くなっています。
また、Xiaomi 12T Proは13.5時間のバッテリー持ちを主張、Xiaomiのフラッグシップスマホとしては最も長い駆動時間を謳います。また、画面解像度が向上したにもかかわらず、Xiaomi 11T Pro比でゲームプレイ時間も1時間以上伸びているとのこと。
充電面に関しては、Xiaomi 12TシリーズはXiaomi上位モデル最高の駆動時間とXiaomiとしては1位タイの充電速度を併せ持ったデバイスであり、かなり魅力的であるといえるでしょう。
その他
12T Proでは先代と変わらず、Harman/kardonの監修を受けたステレオスピーカーを備えますが、12Tでは一般的なステレオスピーカー。いずれのモデルもDolby Atmosに対応します。
また、NFCに対応。日本版Xiaomi 11T Proは別途おサイフケータイにも対応していましたが、今回Xiaomi Japanはグローバルでの発表に際し沈黙を貫いており、ティザー画像などは確認できないため、おサイフケータイが利用できるのかは不明です。
デュアルSIMに対応し、地域によって異なると断りは入れられているものの、うち1枚分をeSIMで利用可能。先代モデルでは一切使えなかったため大きな進化です。欲を言えばmicroSDカードスロットでも備えてほしかったところですが。
画面内指紋認証およびセキュアでない方式の顔認証に対応。個人的には画面内指紋認証は率直に言って使いづらく嫌いなため、ここは非常に残念なポイントです。
OSはAndroid 12をベースとしたMIUI 13。3回のOSアップデートと4年のセキュリティパッチの提供を約束しています。
価格
Xiaomi 12Tの価格は549ユーロ、12T Proは749ユーロ。先代よりそれぞれ100ユーロずつ高くなっているほか、円安の影響をモロにうけており、日本円に換算すると8万5000円と10万円超という値付け。
Xiaomi 11Tシリーズは日本では当時のレート換算より5000円近く安かったとはいえ、日本で販売された折の価格が心配になります。
なお、Xiaomi 12T Proは日本国内SIMフリーモデルのほかに、SoftBank版の存在がリークされていますが、Xiaomi 12Tシリーズを取り扱うキャリアに現時点ではSoftBankは記載なし。
スペック表
Xiaomi 12T | Xiaomi 12T Pro | |
---|---|---|
OS | MIUI 13(Android 12ベース) | |
SoC | MediaTek Dimensity 8100-Ultra | Snapdragon 8+ Gen1 |
メモリ | 8GB | 8/12GB |
容量 | 128/256GB | 128/256GB |
画面 | 6.67型 1220p(2712 × 1220) AMOLED 120Hzリフレッシュレート 480Hzタッチサンプリングレート ゴリラガラス5 12bit/680億色 1200nits |
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カメラ | 1億800万画素ISOCELL HM6 800万画素超広角 200万画素マクロ |
2億画素ISOCELL HP1 800万画素超広角 200万画素マクロ |
インカメラ | 2000万画素 | |
電池 | 5000mAh 120W |
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寸法 | 163.1mm×75.9mm× 8.6mm,202g | 163.1mm×75.9mm× 8.6mm,205g |
その他 | NFC、画面内指紋 | NFC、画面内指紋 |