他社回線で端末を使ったら、プラチナバンド非対応だった……ということが無くなるかも?
総務省は、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」の改正案を公開しました。本改正案への意見募集(パブリックコメント)は2022年12月6日まで。
このガイドラインはキャリアのSIMロックを禁止したもの。SIMロック以外の機能制限として、改正案では「対応周波数の制限」を挙げます。
キャリアがメーカーから調達する際に、他社利用の利便性が低下するようバンドを制限することは、利用者の利便性を損ない競争を阻害する可能性があるため、適正かつ合理性なものとは考えられないとし、業務改善命令の要件に該当するとしました。
携帯キャリアは長らくSIMロックによって他社での端末利用を封じてきました。政府はこのSIMロックを禁じたものの、キャリア販売端末は他社のプラチナバンド等に対応しておらず、こうした周波数の仕様に関しても疑問の声があがっており、総務省は規制を検討してきました。
周波数制限について、キャリア側はあくまでメーカー判断であるなどと主張していました。
日本以外の状況としては、在外公館を通じた総務省調査によれば、米国を除く主要諸外国は販売端末はどの事業者のネットワークでも対応しています。
バンドを気にせず端末を買いやすくなるルール変更。ただ、必ずしも手放しで喜べるとは限りません。たとえば世界的に見ても珍しいドコモのB21やn79に非対応のGoogle Pixelは、ドコモから販売していないにも関わらず今後の動向次第では対応を強いられることになりかねず、それで価格転嫁されればドコモ回線を使わない国民がわざわざその対応コストを負担させられる構図とも言えます。注意深く見守りたいところです。