Dyson Purifier Humidify+Cool PH03 レビュー すまほん!!

 DysonのPurifier Humidify+Cool PH03、つまりは加湿空気清浄扇風機を昨年購入し、1年使用したのでレビューしていきます。

なぜDysonにしたのか

 加湿器は多くのメーカーから販売されており、安いものでは数千円で販売されているものもあります。しかし加湿器は加湿できれば良い、というわけではありません。そのためにはまず加湿方式から説明したいと思います。

加湿方式について

 加湿方式は主に5種類の方式があります。超音波式、スチーム式、気化式、ハイブリッド(温風気化)式、ハイブリッド(加熱超音波)式の5種類です。

 超音波式は水を超音波で振動させ霧状にし空気中に放出します。消費電力も少なく構造も単純なため、安価な製品は多くがこの超音波式を採用しています。しかし超音波式には水中の雑菌をそのまま放出してしまう、水分中のカルキやミネラルもそのまま噴霧するため、機械が壊れてしまうなどデメリットがあります。多くのガジェットを所持する筆者としては超音波式は絶対に避けたいところ。

 スチーム式は水を加熱し、その蒸気を放出して加湿する方式です。加熱するため雑菌を放出する心配もなく、素早く部屋が潤うというメリットがあります。デメリットは加熱する故に電気代がかかる、近い距離で使う場合やけどの危険性があるということ。下に貼っている商品では最大消費電力が900W超。レビューを読むと沸騰後でも400W前後と結構消費しています。おっちょこちょいなので転倒してやけどするリスクは避けたい、電気代は抑えたいということで今回は外しました。ただ、普通に買うならコレが安くて速くて鉄板です。

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 気化式は水を浸透させたフィルターに風を当て、気化させることで加湿する方式です。気化する際に非常に小さな水蒸気粒子になるため雑菌を放出せず、電気代も安価ということもあり、シャープやパナソニックの加湿空気清浄機はこの方式を採用しています。デメリットは風を当てる必要があるため、相応に動作音がうるさい、本体サイズが大きくなりがちということ。

 そしてスチーム方式と気化式を組み合わせたようなものがハイブリッド(温風気化)式。水を浸透させたフィルターに温風を当てて気化させる方式です。雑菌を放出せず、素早く潤い、やけどの心配もない非常に良いとこどりの仕組みですが、温風を起こす仕組み上電気代の壁は避けれず。

 加熱超音波式は、名前の通り水を加熱し、超音波式の加湿を行うハイブリッド式。水を加熱するため雑菌のリスクは減るものの、超音波式によるリスクは引き続き残るため検討の余地なし。

 結論として気化式の加湿器を選ぶことにしました。

加湿器の選定

 筆者が加湿器を購入する際以下を条件に探しました。

  • オシャレであること
  • 掃除しやすいこと
  • スマホでステータスが見れること

 部屋に置くならオシャレなほうが良いですよね。年中置いておきたいオシャレな加湿器を選びたいです。

 掃除がしやすいこと。これはマストでした。昔シャープの加湿空気清浄機を使用していましたが、加湿部分の掃除のしにくさは異常でした。隙間からホコリが入り、そのホコリの除去をしつつ、汚れを落とす。汚れも隙間が多く掃除するのが嫌になり使うのをやめました。

 スマホでステータスを確認できること。IoT時代としてネットワークにつなげておきたいな、と思います。繋がらないデバイスより繋がるデバイスのほうが楽しいじゃないですか?たぶんオタクだけですねコレ。

 昨今スマホ業界を騒がせたバルミューダの加湿器、Rainは非常に面白い製品です。給水タンクはなく、壺のような形状の製品に水を注ぐという今までにない斬新なデザイン。しかも注がれる中央部分には有機ELディスプレイ、操作は”壺”の縁をなぞって操作。加湿方式は気化式を採用。アプリで操作も対応しているしコレに決まりでしょ!と思ったのもつかの間。どうやらネットワーク接続モデルは1年前に販売終了。ネットワーク非対応のモデルは継続販売。スマホ作ってる会社、大丈夫でしょうか?

バルミューダ 加湿器 気化式 レイン スタンダードモデル BALMUDA Rain ERN-1100SD-WK

 DysonのPurifier Humidify Coolは高すぎて視野に入れてなかったのですが、ヨドバシカメラの店員さんに声をかけられ、加湿器の不満を述べるとPH03で実演してくれました。メンテナンスこれだけでOKです。給水も楽です。アプリは既に使っていたので便利さはわかっていました。話を聞いているうちにコレしかないな、と思いヨドバシカメラで購入。詳しくは後述します。

外観

 外観は非常にシンプル。高さは92cm、奥行きは31.2cmとやや大きめですが、1台で加湿、空気清浄機、扇風機を担うと考えれば非常にコンパクトな設計ではないか、と思います。

 本体中間部分には電源ボタン、メンテナンスボタン、液晶ディスプレイが備わっています。

 液晶ディスプレイにはフィルターの消耗具合や空気中の有害物質の濃度や温度湿度を表示することができます。

 本体上部にはリモコンを置けるようマグネット式になっています。

 従来のダイソンの扇風機では楕円状の隙間から風を送るタイプでしたが、本製品では一般的なルーパーのようなものがフロント部分に備わっており、これをもとに送風方向を変えるという仕組みです。

 また、ディフューズドモードではフロントの送風部分が格納され、背面から風が送風されます。

 側面部には空気中の大気汚染濃度を測るためのセンサーが備わっています。

 上部のスリッドがフィルター部分、下部が水を入れるタンクになっています。

 フィルターの着脱は非常に楽。左右にあるトリガーを同時に下げると「ガチャン」といい、空気清浄用フィルターが外れるのと同時に……

 内部にある加湿フィルターへアクセスできる扉が開きます。この一連の流れが非常にスムーズでかっこいいのが男心を擽ります。

 下部に備わるタンクも同様に左右にあるトリガーを下ろすことで簡単に外れます。あとはスライドするように取り外し……

 縁になっていたところを持ち上げると非常に持ち運びのし易い取っ手に大変身。しかも持ち上げるとロックがかかるので移動中にぶらぶらすることもありません。

 タンク部分も清掃がしやすいよう大口径になっています。給水時も口が広いので非常に楽です。

使用感

 1ヶ月ほど使ってみました。

アニメーションが良い

 リモコンで操作すると、本体正面に備え付けてあるディスプレイにインフォメーションが表示されます。空気中のPM2.5やPM10、VOC(揮発性有機化合物)、NO2(二酸化窒素)、そして温度と湿度をリアルタイムで表示します。常時監視しているので、空気中に異変があった場合はインフォメーションディスプレイにPM2.5が急上昇するアニメーションが表示され、ファンの回転数があがります。

 また動きとディスプレイのアニメーションがしっかり連動しているのも厨二心をくすぐられます。後述するディフューズドモードに変更した場合は風の向きが後ろ向きに変わるアニメーションと共にフロントのダクトが格納され背面から風が送られます。カッケー!!

ディフューズドモードが便利

 ダイソンの羽根のないモデルは正面から風が出てくるから、冬場は寒いのでは?と思われますが、ここ数年のモデルにはディフューズドモードが搭載されています。

 これは風を正面から送るのではなく、背面へ風をおくることで風を循環させるモードです。直接風を当てることなく部屋の空気を循環できるので、冬場でも快適に使えます。

 それどころか、部屋の空気がいい感じに循環されるため、使用前は部屋のいち部分のみエアコンの風があたって風がない部分は寒いと感じることがありました。ディフューズドモードのおかげで部屋の空気が循環され、部屋全体が暖かくなりました。サーキュレーターとしての機能も備えているわけです。

タンクが楽&かっこいい

 給水タンクが非常に楽です。国内メーカーの多くは給水タンクの上部に取っ手があり、下部に給水口があります。取り外すのは楽でもその後が考えられてない製品が多くありました。キャップを開け締めするのに力はいります。手は濡れます。しょうがない、と思われていました。

 ダイソンは左右のロックを解除すると、タンクがせり出し、そのままスライドして取り外すと取っ手が上部にあります。このまま水道に持っていき、上部の大きな蓋を取るだけです。パッキンのついた蓋なので、か弱い人でも簡単に外せます。給水口もスマホが入るくらい口が大きいのでこぼす心配がゼロ。給水が終われば蓋を締めてカチッといえばOK。わざわざ逆さまにする必要がないです。本体にスライドして装着で終わり。非常に楽です。

 タンク容量が他社比で大きいのも良いところ。シャープのフラグシップ(KI-PX100)で4.3L、ダイキンのフラグシップ(MCK70Y)でも3.4Lに比べ、ダイソンのPH03は驚異の5L。大きいけれど、取っ手がしっかりしているので水を入れた後でも楽に運べます。

 また、給水タンクをデザインの一つとして使用しているのもポイント高いです。国内メーカーでは背面に持っていきがちですが、ダイソンはあえて正面に持ってきて水をデザインとして生かしているのがかっこよいです。残量も目に見えてわかるので利便性・デザインすべてにおいて勝ってます。

掃除が楽!!

 加湿器の掃除は前述の通り、シャープのせいでめんどうなイメージがありました。タンク、水の受け皿、フィルターと分解するので一苦労、どれをどう洗えばいいのかもわからず、洗う箇所も細かい場所が多くて嫌になります。詳しくは後述します。

ネットワーク機能

 本機をネットワークに接続することで細かいスケジュール制御や情報を取得することができます。

スケジュール機能

 予め設定した時間や曜日で好みの設定を呼び出すことができます。例えば家で不在の時間や曜日では加湿機能を弱めたり、いつもの就寝時間にナイトモードを自動でオンにしたり、と生活にあったスケジューリングができます。

情報表示

 本体ディスプレイに表示される空気質やPM2.5、PM10、VOC、二酸化窒素、温度、湿度をアプリでどこからでも確認することができます。また、外気の情報も提供されるので、より自分がクリーンな環境で生活できているかを確認することができます。ただこれらの情報はログが吐けるわけではないので、ログ目的では使えないので要注意。

Google Assistant、Amazon Alexa、Siriショートカット対応

 公式でGoogle AssistantとAmazon AlexaとSiriショートカットに対応しています。ただ、ダイソンのコマンドが微妙で利用頻度は少ないです。いつも使おうと思ったときに直感的にコマンドが出てこず、結局リモコンで操作しています。

 購入直後はAlexaのみの対応でしたが、ここ最近のアップデートによりGoogle Assistantにも対応したようで、Google HomeアプリからDysonを追加するだけでGoogle Homeから制御できるようになります。

 SiriはSiriショートカットに対応しているだけ。Homekitには対応していません。非公式ではHomebridgeを利用して制御する方法も存在するようです。

加湿お手入れ

 ちょうど1ヶ月使っているとスマートフォンにクリーニングの通知がきました。本体のディスプレイにも清掃を促すよう表示されます。オレンジに光っているボタンを押すとクリーニングの手順がアニメーションで表示されます。

 指示通りにいつも使っている給水タンクを取り外します。

 手順はディスプレイに表示されていますが、ここから先は風呂場や洗面所など水場で作業します。その場合手順がわからなくなるのでは……?と思いますがさすがはダイソン。タンクにその先の説明も表示されています。

 そしてついさっきまで利用していた加湿フィルターにはたっぷり水が含まれています。しかしタンクをうまく使えば床を一切濡らさずにそのまま給水タンクにフィルターをぶちこみ、風呂場へ持っていきます。

 用意するのはクエン酸。ヨドバシで一番安かったので激落ちくんをチョイス。クエン酸ならなんでも良いそう。

 指示通りにクエン酸150gと水をMAXまで注ぎます。このとき、クエン酸は溶けなくてOKでのようです。あとはまた蓋をしてタンクを本体に装着するだけ。

 フィルターが入った状態でタンクを戻してお手入れボタンを押すとあとは自動でクリーニングが始まります。

 タンクの中に溶けたクエン酸水を水が通るルートに流すことで洗浄する仕組みです。タンクの水にはUV-Cライトが照射され、衛生的というワケらしいです。

 クリーニングが終わるとスマートフォンに通知がきます。これなら他の部屋にいても気づけますね。便利です。

 あとはフィルターをタンクを水ですすいでおわりです。どうでしょう?めちゃくちゃ楽だし濡れないことに感動しました。昔の苦労はなんだったんだろうと思えるくらい楽ちんです。

加湿されない……?

 さて使い勝手や機能は良くても肝心の加湿機能が気になるところ。

 加湿性能を示す1時間辺りに噴霧する水分量は350ml/hです。

 シャープのフラグシップ(KI-PX100)が1000ml/h、ダイキンのフラグシップ(MCK70Y)が700ml/hと比較すると大きく劣ることがわかります。そのため、PH03は広い部屋に置くことが推奨されていません。公式でも洋室で10畳、和室で6畳と表記されています。

 ただ筆者の部屋は洋室の8畳。公式のスペック上は問題ないのですが、使っていても湿度が40%前後をさまよっています。そもそも今まで住んできた家はたまに稼働させる程度で常時加湿器が必要なほど湿度が低いということがありませんでした。原因を調べてみると家自体の構造に問題があるようです。

高気密高断熱住宅が原因?

 入居時に説明を受けた「この家は高気密高断熱の家なので、少し換気口を開けとかないとドアが開かない」ということ。2003年6月以降の高気密高断熱住宅は建築基準法でシックハウス症候群を防ぐために1時間で部屋半分の空気が入れ替わらないといけないように設計されています。そのため何もしなくとも部屋の空気が自然と入れ替わるようになっています。故に窓やドアをしっかり閉めていても乾燥した外気が入ってくるため湿度が上がらないというわけです。

 またそれが原因で室温が下がるため、エアコンで室温をあげようとすると部屋の温度が上がり自然と湿度が下がる、という二重の問題が発生しているようです。

検証する

 では高気密高断熱住宅が湿度が上がらない原因とした場合、あえて換気ができない状態を作ります。それで湿度が上がれば製品に問題はなく家の構造上の問題となります。しかし、その状態にしても変化がない場合は、製品の加湿性能にやや難ありということになります。

 調べてみると換気方法は3つあるそうです。第一種換気は機械で給気し機械で排気する方式です。第二種換気は機械で給気し排気は自然に行う方法です。そして第三種換気が自然に給気し機械で排気する方式です。筆者の家の場合は第三種換気方式を採用していることがわかりました。風呂場、トイレ、キッチンの換気扇をすべて止めた状態で放置します。

 朝は加湿した状態+暖房をつけており、出社時に暖房をオフ。この時点では換気は生かしています。ゆっくりではあるものの、加湿されていっているのがわかります。帰宅後、暖房をつけたため、急激に湿度が下がっているのがわかります。

 ここで部屋の換気をすべてオフにし、通気孔も塞ぎます。するとわずか短時間で急激に湿度が回復していきました。

 これで以下のことがわかりました。

  • PH03はしっかり加湿できているということ。
  • 住んでいる家はしっかり空気が循環されている、建築基準法に問題のない住居であるということ
  • 暖房は湿度をすごい勢いで下げていくので温度を上げすぎない

原因が特定できればあとはそれに合わせた生活を行うだけです。(それでも面倒なんですが)

不満

 ずんぐりむっくりした外観が微妙です。以前利用していたTP03はスタイリッシュな縦長ボディでしたが、PH03はボディが大きく、高さもそれほどないのでまさに”ずんぐりむっくり”が適した表現かと思います。

 ボディが回転しないことです。TP03は本体が回転する設計で、本体まで移動せずに自由に方向を変えれたので便利でしたが、PH03は正面に設けられた開口部から最大90°の範囲のみで動かせます。範囲が非常に狭いです。これでは本体ごと回転させる必要があり少し不便です。

 そしてダイソンの空気清浄機で一番の問題がフィルターが高いということ。

 本日紹介した加湿のフィルターに加えて空気清浄用のフィルターを備えています。こちらは約1年で交換する仕組みで、このフィルターが6千円ほどするだいぶ強気な設定です。コストは悪いものの、年1でフィルターを交換するため清掃が不要であること、衛生的にも優れています。

総評

 使い勝手がとことん考え抜かれている製品。たまに惜しいポイントもあるが妥協できる範囲。とはいえ8万8千円は微妙なライン。高いから気軽にオススメはできないけど、良い製品だよと言えるレベル。

 正直な話加湿空気清浄機に8万8千円ってもったいないことをしているのでは?と思いましたが、実際に購入して使ってみるととことん使い勝手が考えられた製品ということを実感しました。日本企業ではここまでの製品が出てくることはないんじゃないでしょうか。アルミ風の質感も非常に完成度が高く、写真を撮っていると本物の金属を使っているんじゃないか?と錯覚してしまうほど。

 清掃が楽なのが購入の一番の決め手です。面倒な加湿部分の清掃は自動で、空気清浄フィルターは使い捨て。フィルター交換も両側のレバーを下げれば簡単に外れます。ここまで楽な製品はなかなか無いのでは?と思います。

 ただコストパフォーマンスは最悪です。買う前から十分把握しており、ダイソンは定価で新型を買うべきではないと思っているのですが、今回の製品ばかりは思わず手が出てしまいました。それぐらい良いです。

 と、ここまでは1年前に書いた原稿に加筆をしたものですが、ヨドバシを散歩しているとなんとセールで少し安くなっているとの情報をゲット。直販で購入しても6万9799円、ヨドバシでも6万9800円のポイント5%とお買い求めやすくなっています。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。