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有線ヘッドホン「SIVGA SV023」レビュー。圧倒的解像感、無名ながらも確かな実力

 音響メーカー東莞のブランド「SIVGA Audio」の有線ヘッドフォン「SIVGA SV023」をレビューします。Amazon.co.jpでの価格は6万2千円。

 2016年設立の若いメーカーで、木を素材に用いたヘッドフォンを数多くリリースしています。日本で無名ですが、本機からは確かな高い実力を伺えました。

 クラシックなデザイン。ヘッドバンドはステンレススチール。革バンドは高級山羊革で柔らかいです。

 ハウジングは木製、高級ウォルナット。ハウジング中央はアルミニウムとステンレスメッシュ。

 付属のケーブルは6.3mm……ではなく4.4mm、なんと最初からバランス接続を想定しているのが驚き。今風ですね。

 ドライバーユニットを構成する振動板は、重くて変形すると音も不正確になるので、硬度が必要とされています。本機は軽量で高い剛性を持つとされるベリリウムメッキを施した、LCP複合振動板を採用した50mmダイナミックドライバーを搭載します。

 なお本機の弱点が、インピーダンスが300Ωとかなり高く、駆動力を要する点。上流機器には据え置き音響機器や強力なDAPを使ってあげて下さい。筆者はFiiO M15Sを使用しています。

 木製ハウジングというと一般的にはその響きから暖かみがあるなんて言われたりもしますが、GRADOやオーディオテクニカ、Mezeなどのメーカーの製品を連想しますが、個性はそれぞれです。

 さて、実際にSIVGA SV023を聴いてみると、その高い解像度に感動します。

 特筆すべきはその中高音域。6万円近辺のヘッドホンの中ではずば抜けて解像感に優れています。開放型らしいヌケ感もあります。音の傾向はどちらかといえば寒色寄り。

 この手の解像度が高く寒色傾向で気になる場合があるのは聴き心地。しかし女性ボーカルのサ行、歯擦音が気になることはなく、聴きやすくやや伸びやかな音、金属系の楽器が耳に来る不快感もありません。響きも綺麗で、モニターヘッドホンに完全に振り切ってはいません。

 開放型の構造上ある程度仕方ないことですが、素晴らしい中高音域に比べてしまうと、低域はそれほどでもありません。量感も多くはなくやや緩めですが、中高音域を引き立てるには十分です。

 開放型の強みのひとつが音場ですが、そこから期待されるほどには広くはありません。

 低音域中心のロック等や広い音場や音像定位を要するライブ・空間オーディオを除けば、最新流行曲含めて幅広い楽曲に適合します。情報密度の高いYOASOBIの『アイドル』を聴いても、6万円のヘッドフォンとは思えないほど各音を高い解像感で聴き分けて楽しめます。これでもし、さらにライブステージ感まであればという欲求は、流石に欲張りすぎるというものでしょう。

 コスパが良すぎる個性的ヘッドホン。日本にはまだ本格進出は果たしておらず、Amazon.co.jpで買えるのみ。実店舗取り扱いや試聴環境が整っていない状況です。

 海外では現在の為替レートで7万円台。しかし日本のAmazon.co.jpでは6万2千円に抑えているのは企業努力を感じます。本作の完成度は高く、今後の製品展開が興味深く思える一品。日本への本格進出含め、SIVGAの今後の躍進に期待します。

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