弊誌はアフィリエイト広告を利用しています。

噂:サムスンから「4億画素」超えセンサー登場か。中国メーカーやGalaxyが採用?

 スマホカメラ向けのCMOSイメージセンサー大手の韓国サムスンから、2024年後半に4億4000万画素のイメージセンサーなど、3つのISOCELL イメージセンサーが2024年後半に大量生産されると、リーカーのRevegnus氏(@Tech_Reve)がX(旧Twitter)で伝えました。

2024年後半生産のサムスン撮像素子3つ

 Revegnus氏は、サムスンやAppleの製品の数々のリーク情報を伝えていましたが、今回、サムスン製のイメージセンサーについての情報をリーク。以下の3つのイメージセンサーが2024年後半に生産されるとのこと。

  • 2億画素 0.6μm ISOCELL HP7
  • 5000万画素 1.6μm ISOCELL GN6
  • 4億4000万画素 ISOCELL HU1 (ピクセルサイズ不明)

HP2の後継か?2億画素 ISOCELL HP7

 今回の情報によると、ISOCELL HP7は2億画素 0.6μmとのことですが、この画素数とピクセルサイズは今年発売された、Galaxy S23 Ultraのメインカメラ「ISOCELL HP2」と同じ値であり、センサーサイズは1/1.3型となります。このため、HP2の後継として登場する可能性があります。

 ISOCELL HP2では、飽和電荷量と信号転送効率を向上させ、ダイナミックレンジや色再現性を高める、デュアル垂直転送ゲートウェイ技術(D-VTG)や、2×2の画素上に配置されたマイクロレンズにより全画素を位相差検出に使用し、高速オートフォーカスを可能にするSuper QPD、5000万画素でのセンサー内HDR静止画撮影を可能にするデュアルスロープゲイン技術など、多くの最新技術が組み込まれています。

 HP2と同様の画素数、センサーサイズとのことですが、今回の情報のHP7においても最新技術が盛り込まれ、撮影品質が向上することになるでしょう。

 予想される最新技術として、Samsungが開発に取り組んでいるカラールーティングセンサーがあります。

 2022年12月のTech Day 2022で紹介されたこの技術は、ナノメートル単位での光のふるまいや、物体との相互作用について研究をする分野であるナノフォトニクス技術の技術を用いて、屈折率の高いナノ構造を可能にし、受光感度が高くなるとのこと。

 2024年の投入を目標と、今回のHP7が2024年後半に登場する情報に一致しているため、こちらの技術が使用される期待も高まります。しかしながら、残念なことに、Revegnus氏は2025年に発売されるであろう、Galaxy S25 Ultraに搭載される計画であったが、コストが高すぎるために中止になったとしています。なんとか幻のセンサーにはならないでほしいものです。

Samsung初の1型イメージセンサー? ISOCELL GN6

 ISOCELL GN6のスペックは、5000万画素 1.6μmとされていますが、この値は現在、Xiaomi 13 UltraやAQUOS R8 Proなどのフラグシップ端末で搭載されるSONYの1型センサー、IMX989と同じ値となっています。

 近年のスマホカメラにおいて、センサーサイズ競争は激化しており、iPhoneを例にしてもiPhone 11 ProからiPhone 14 Proの3年間で、メインカメラのセンサー面積は約3倍になっています。このセンサーサイズ競争の中でSamsungは、2021年にISOCELL GN2を発表し、1/1.12型と、当時のスマホカメラ向けセンサーとして最大のサイズを達成。

 1度はセンサーサイズ競争をリードしましたが、翌年SONYセンサーのIMX989が登場し、その座を奪われる形に。現在もSamsungは、IMX989と競合するセンサーを発表しておらず、1型のセンサーの人気のために苦戦を強いられてますが、この情報から少なくとも対抗として開発中である可能性が高まりました。

 GN2では、最大級のセンサーサイズだけでなく、オートフォーカスの新技術としてDual Pixel Proを搭載し、画素内の一部のフォトダイオードを斜めに切ったような形にすることで、あらゆるパターンの物体検出を可能にする新技術を搭載していました。今回の情報のGN6も同様に、オートフォーカスの新技術が搭載される可能性がありそうです。

 Samsungは、半導体関連の世界最大規模の国際学会「ISSCC 2023」のイメージセンサーのセッションで、画素内の4つのフォトダイオードの設計により、高速なAFと高いダイナミックレンジを実現するセンサーを発表しています。おそらく、この技術が製品化される際にはDual Pixelのように、Quad Pixelと呼ばれることになるでしょう。SONY一強の1型センサーの土俵で勝負できるのか、気になるところです。

4億画素超えのイメージセンサーが登場!? ISOCELL HU1

 ISOCELL HU1についての情報は4億4000万画素のみ。実は、4億画素超えという超高画素のセンサーの登場の噂は以前にも挙がっています。

 現在主流となっている、4800万画素や5000万画素などの画素数のスマホカメラのほとんどは、RGGBの4画素のパターンからなるBayer配列を2×2にさらに分割した構造(SONYのセンサーではQuad Bayer、SamsungのセンサーではTetracellと呼ばれる)になっています。

 この配列では、分割されている画素を加算し、1画素として扱いBayerとして出力する、ピクセルビニングと呼ばれるハードウェア処理と、高画素のまま出力し、Bayerに変換し直す、リモザイクと呼ばれるハードウェア処理が特徴となります。これにより、高感度と高画素の使い分けや、劣化の少ないデジタルズーム(インセンサーズーム)を可能に。Samsungは同様に3×3に分割したNonacell、4×4に分割したTetra²Pixelのセンサーを製品化してきました。

 特に、Galaxy S23 Ultraに搭載される、HP2などのTetra²pixelの2億画素センサーでは4×4分割のうち、4×4のピクセルビニングによるBayerの1250万画素での出力、2×2のピクセルビニングによるTetracellの5000万画素での出力、ピクセルビニングなしの2億画素での出力の3つの出力が可能になっています。

 今回のHU1についても、製品化されればピクセルビニングやリモザイクのできる配列になるはずです。その場合、撮影画素数として主流な1200万画素前後での撮影を可能にするために、6×6にBayerが分割されたものになることが予想されます。Hexa²pixelの商標が既にサムスンに取得されていることからも、この6×6構造のセンサーの開発をしていることが確定しており、今回リークされたようなセンサーが出る可能性は高そうです。

 

 Hexa²pixelであれば、4億4000万画素だけでなく、1億1100万画素、1233万画素での撮影や、2倍、3倍、6倍での劣化の少ないインセンサーズームが可能になるかもしれません。

 また、センサーサイズやピクセルサイズについては不明となっていますが、1型以下のサイズに抑えるためには、サムスンの製品で現状最小のピクセルサイズである0.56μmより小さくする必要があるため、0.5μmなどのさらに微細化が進んでいることでしょう。

 サムスンは5億7600万画素の人間の目の解像度ともいわれる画素数を2025年に達成することを目標としていました。

 今回の情報では2024年後半に4億4000万画素を実現することとなるため、目標に着実に近づいているといえるでしょう。

 「そんなに画素数を上げることに意味はあるのか」、という声があるかもしれませんが、サムスンはただ画素数を上げるだけでなく、新しい設計や機能の向上、追加をしてきました(HDRやオートフォーカス技術など)。画素数という数字の部分だけでなく、そういった部分にも期待したいですね。

 以上の3つのセンサーがリークの内容でしたが、Revegnus氏はこれ以前にはほとんどイメージセンサーに関するリークがなかったため、信憑性が高い情報であるとはいえません。

 とはいえ、最近のスマホカメラやサムスンの動向からすると、このような高機能・高画素・大型のセンサーが出る可能性は高いと筆者は思います。今後のスマホカメラのイメージセンサーがどう進化してゆくのか、注目です。

情報元Revegnus
すまほん!!を購読しませんか?

Twitterでも最新更新を配信・通知しています

フォローする 再度表示しない