中国のスマホ・タブレットメーカーであるUlefoneは、新たなタフネスタブレットの「Ulefone Armor Pad 3 Pro」を発表しました。肝心の処理性能こそあまり高くはありませんが、インパクトが強烈な機能を多数取り揃えています。
Index
ハードウェアのスペック
Ulefone Armor Pad 3 ProのSoCはMediaTek MT8788。比較的古いSoCで、AnTuTuベンチマークスコアは23万点程度。最近主流なMediaTek G99などは40万点前後を叩き出せるため、ここは残念なポイントです。メモリは仮想メモリ含めて最大16GB、ストレージは256GB。
ディスプレイは10.36インチの2K。タフネスタブレットらしく、Corning Gorilla Glass 5を採用しているようです。よく落とすスマホならいざ知らず、タブレットで強化ガラスを搭載していることを声高にアピールするのはいかにもタフネスタブレットらしくてイイですね。
カメラのスペックもきっと最低限で、映ればヨシというレベルかなと思ってしまうところですが、意外にも5000万画素のSamsung GN1を搭載。Pixel 7/7 Proに搭載されているカメラセンサーで、素性は悪くありません。ただSoCの性能が低いため、1080p撮影でも30fpsしか発揮できません。独自のソフト処理にも期待できないため、映りには期待ができないでしょう。インカメラは3200万画素。
特筆すべき機能
小学生の考えた最強のタブレットとも形容できそうなレベルで、Ulefone Armor Pad 3 Proはまるで処理性能以外全部盛りのような強烈なスペックと機能を備えています。
1812時間スタンバイ可能な巨大バッテリー
まずはバッテリー容量。取り外せるといったことはありませんが、容量はなんと3万3280mAh。そんじょそこらのモバイルバッテリーよりも大きい容量で、連続待機時間は驚異の1812時間、連続での通話時間は181時間をアピール。
ちなみに、このバッテリーの容量を換算すると100Wh以上になるため、仮に容量変わらずバッテリー着脱機能があった場合、飛行機に持ち込める替えのバッテリーは2つまでに制限されてしまいます。普通の容量ならこうはならない。
ここまでバッテリー容量が大きいと充電時間も途方もないものになりそうですが、66Wでの有線充電に対応。満充電に必要な時間は記されていませんが、5000mAhで67W対応のスマホを参考にざっと計算したところ、シンプルに3時間前後かかる結果となりました。通常の充電器で充電してしまえば、日が暮れるどころか夜が明けるかもしれません。
なお、タブレットからほかのデバイスに電力をおすそ分けする逆充電にも対応していますが、その速度はたったの10W。この容量のモバイルバッテリーとして使うには少し時代遅れなスピードです。
フルサイズ(!?)のHDMIポート搭載
本体には、なんと標準的なサイズのHDMIポートが搭載されています。これによって外部モニターへの映像と音声の出力が可能になります。本来タブレットならUSB Type-Cポートで対応すべき機能ではあるのですがね……。
残念ながら入力に関する情報はなく、Yoga Tab 13のように映像を入力することはできないかもしれませんが、かなりロマンのある装備です。ただ個人的には、HDMIポート用のパッキンが劣化しそうで怖いところです。
あまりにもデカいデュアルLEDライト
背面カメラの隣にカメラ用のLEDフラッシュを用意していますが、本体背面左右にはクソデカいLEDが鎮座しています。最大輝度は1100ルーメン、それが2基。ご家庭の一般的な電球よりも明るいという、キャンプ用品に最適なLEDです。
LEDを点灯させるためには、専用のアプリを利用するか、照明専用のボタンを押せばいいとのこと。ワクワクはするしロマンはあると思いますが、ちょっと考えれば一般人が使うタブレットには要らない機能ですね……。
耐久性
タフネスタブレットというだけあって耐久性は非常に高いことをアピールしています。すでに紹介したGorilla Glass 5の採用以外にも、最高峰の防水防塵企画であるIP68およびIP69Kに対応。IPX8は一定深度の水に沈める試験、IP69Kは高温高圧なスチームジェットを噴射する試験で、常用ではまず遭遇しないであろう過酷なシチュエーションです。
さらに、米軍の製品調達に関する規格であるMIL-STD-810Hも取得。高い落下耐性をアピールしています。
豊富なオプション
過酷な環境での使用を想定しているためか、プロ向けの装備やオプションも非常に充実しています。
10インチサイズのタブレットを片手で持てるようにする純正グリップは、製品に同梱しています。ありがたい心遣いです。
また、「uSmart Expansion Connector」接点を使用するオプションも用意しています。これは本体側面にある金属接点によりタブレットと接続する製品で、現時点では1000倍のマイクロスコープ、狭いところを見るワイヤーカメラ2種が用意されています。今後製品が増えていく予定であるようです。
業務用のカバーとして「Armor Holster Pro」も別売りにて準備しています。これは同梱の純正グリップの機能やキックスタンドだけでなく、持ち運んだり首から下げたりするといった使いかたにも適応できるもの。
もっと手軽なモデルとして、「Hand Strap with Kickstand」も。こちらはそのまま、ハンドストラップとキックスタンドを兼ねた製品です。
唯一毛色が違うオプションが、この「Exclusive Sound Kit」。一見するとゲーミングスマホのクーラーのような形ですが、これは外付けのスピーカー。LEDリングを2つ搭載し、最大の音量は114dBであるとのこと。キャンプ地でライブでも開くつもりでしょうか?
その他・価格
タブレットでありながらNFCを搭載。さすがにおサイフケータイは無理ですが、Google Payは利用できます。
本体重量は驚異の1.24kg。グリップなしにスマホのように持とうとしたら筋肉痛待ったなしです。Wi-Fi 5やBluetooth 4.2、4Gに対応し、Android 13をプリインストールしています。
価格は現時点で未定ではありますが、さすがにこれだけ詰め込めば、いくらSoCが非力だからとはいっても高くなりそうなところです。
スペック表
OS | Android 13 |
---|---|
SoC | MediaTek MT8788 |
メモリ | 8GB |
容量 | 256GB |
画面 | 10.36型 (2000×1200) |
カメラ | 5000万画素 |
インカメラ | 3200万画素 |
電池 | 33280mAh |
寸法 | 261.7×166.8×21.2mm,1242.9g |
その他 | NFC |