Apple関連の著名アナリストであるMing-Chi Kuo氏は、現行のiPhone 16シリーズについて、2024年下半期以降の生産台数は従来比で数百万台程度少なくなるとの予想を示しました。ブログプラットフォームMedium上にて公開されています。
同氏が行った最新のサプライチェーン調査によれば、2024年第4四半期~2025年上半期にかけて、iPhone 16シリーズの受注数は約1000万台削減されるとのこと。これにより、2024年下半期のiPhone 16の生産台数は、従来8800万台程度であるのに対し、8400万台まで落ち込む可能性があると伝えています。
生産台数の低下はここで収まらず、今後2024年第4四半期・2025年第1四半期・2025年第2四半期と、以下のように前年同期比5~8%ほどの減少が予測されている状況です。
- 2024年第4四半期:約8000万台(2023年同時期:約8400万台)
- 2025年第1四半期:約4500万台(2024年同時期:約4800万台)
- 2025年第2四半期:約3900万台(2024年同時期:約4100万台)
Appleは10月31日に2024年第4四半期の決算発表を行う予定ですが、ここでは今回の減産の影響は十分に反映されない可能性がある、とKuo氏。「2023年第4四半期(iPhone 15シリーズ)の生産台数と販売台数のギャップが今回よりも大きかったこと」や「9-10月期にPro Maxモデルの生産台数が増加したこと」等の理由により、現状では増収が予想されています。
一方で、先述したように、前年同期比で出荷・生産台数が減少していることは紛れもない事実。2024年第4四半期後半~2025年第1四半期にかけて、ほとんどのiPhoneサプライヤーが影響を受けることは避けられない状況だと言及しています。
さらに、度々登場が噂されている「iPhone SE 第4世代(以下SE 4)」についてKuo氏は「2024年12月に量産が開始され、2025年第1四半期までに860万台生産される」との予測を示しました。SE 4の登場によりプロダクトミックス(製品ライン)に変化がもたらされることも、経営状況の悪化に影響してくるのではと危惧しているようです。
SEシリーズと言えば、iPhoneの中でも手に取りやすい控えめな価格帯が魅力でした。しかしSE 4に関しては、iPhone 14をベースにしつつ現行SoCであるA18を採用する等、ハード・ソフトともに大幅な刷新が予想されています。これに伴って販売価格も上昇してしまえば、場合によっては売上の低迷に拍車をかける要因にもなりかねません。
以前の記事でも言及しましたが、昨今のiPhoneからは目新しさが減ってきており、新シリーズが発表されても数点変化があるのみ、といった状況が続いています。10月からはiOS18.1搭載機種でいよいよ「Apple Intelligence」が使えるようになったものの、現状備えている機能としてはGoogle・Galaxyといった競合他社とそう違いはない状況。
Kuo氏も「Apple Intelligenceが人気サービスになる長期的な可能性を確信している。しかし、iPhoneの出荷台数が大きく伸びるには、このAI開発に伴うハードウェアのさらなる革新が必要になるだろう。」としているように、Appleがこの低迷を打破するためには、ハード面での大幅な改革が求められてくるのだろうと感じます。
各社力を入れ始めているフォルダブル機構然り、コンデジ顔負けの大型センサー搭載カメラ然り。そろそろAppleにも「おお!」と唸らせられるようなプロダクトの開発を期待したいところです。