Xiaomiは、中国で行った新製品発表会にて、同社旗艦スマホの「Xiaomi 15」を発表しました。24年モデルのXiaomi 14シリーズから大きく変わった点はありませんが、着実なブラッシュアップを重ねています。
SoC
SoCは先日発表されたばかりのSnapdragon 8 Eliteを搭載。処理性能はすさまじく、発表前の非公式なAnTuTuベンチマークスコアは300万点前後をマークしています。Xiaomi 14シリーズに搭載されていたSnapdragon 8 Gen 3が採用された端末のスコアがおおよそ200万点前後であったため、あまりに強烈な進化を遂げています。
発熱対策もしっかり行っていることをアピール。先代モデルと比べて冷却プレートが長くなり、より放熱性能が強化されたと謳います。
Snapdragon 8 Eliteが繰り出すゲーム性能も当然に高く、原神ではおそらく最高品質で平均59.9fpsのゲームプレイが可能だとします。メモリは12GBまたは16GB、ストレージは256GBから1TBで選択可能。
ディスプレイ
ディスプレイは6.36インチ。Pixel 9やGalaxy S24無印とそこまで大差ないサイズ感です。もはや当然ですが有機ELを採用。解像度はFHDよりも精細な2670×1200となっています。1~120Hzの可変リフレッシュレートに対応し、ピーク輝度は3200nitsをアピール。2.28倍の明るさの向上を謳いながら、画面の消費電力は10%削減したとしています。
かなり特徴的なのがベゼルの狭さ。独自の実装技術によって画面のフレーム幅をこれまで以上に狭くし、四辺1.38mmで画面占有率94%という驚異的な数値をフラットディスプレイで叩き出しています。
カメラ
残念ながら、Xiaomi 15シリーズのカメラ面での進化は控えめ。広角カメラには5000万画素のLight Fusion 900が続投。このサイズでしっかり1/1.3型という比較的大型なセンサーを搭載しています。いずれも5000万画素の望遠および超広角カメラに関してはセンサー名が明かされていませんが、こちらに関してもXiaomi 14シリーズから構成が変わっていないように見受けられます。広角および望遠センサーについては光学式手振れ補正(OIS)に対応します。
インカメラは3200万画素。このほか、Xiaomi独自のAIを搭載しより良い撮影を行えるとします。AIに撮影を任せるモードが備わり、AIが自動で各種パラメータを調整してくれたり、すでに撮影した写真のレタッチを自動で担ってくれたりするとのこと。
その他ハードウェア
Xiaomi 15のバッテリー容量は5400mAh。Galaxy SシリーズやiPhoneの無印モデルと競合するサイズ感のスマホとしては、同じく6.3インチ級のスマホながら5700mAhを搭載するvivo X200 Pro Miniには劣るもののかなり優秀です。
90Wの急速充電と50Wのワイヤレス充電にも対応。1600回の充電サイクル後も新品時の80%以上のバッテリー容量を維持できるとしています。
当然のようにステレオスピーカーを搭載。4つのマイクを搭載し優れた通話体験を実現するとしています。Dolby Atmosやハイレゾ再生はもちろん、Snapdragon Soundに対応。高音質ながら低遅延で対応する無線イヤホンやヘッドホンを使用できます。先代モデルに引き続き、IP68規格の防水防塵に対応。
ソフトウェア
プリインストールOSはXiaomi HyperOS 2。主にAI関連機能の強化をアピールしていますが、ベースとなったAndroidバージョンはまったく記されていません。さすがにXiaomi 15シリーズに搭載されるものは最新のAndroid 15をベースにしていてほしいところです。
ちなみにOSアップデート終了間近の一部廉価機種においては、Xiaomi HyperOS 2搭載としながら中身は古いAndroidバージョン、という可能性もある点には注意。Xiaomi Pad 5において、Android 13を搭載したXiaomi HyperOSが提供されたという前例があります。
本体デザイン・カラー
本体デザインはXiaomi 13世代以降大きく変わっていません。筆者としてはカメラやセンサーを正方行列的に配置するこのパターンは昔から好きではないのですが、カメラバンプ全体が黒色で目立たない点が救いです。
通常版は淡い紫と緑、ブラック、ホワイトに加えてシルバーの5色。シルバー以外の4色については本体背面と側面の色味を統一しており、かなり自然な質感です。
一方で筆者の主観を述べさせていただくと、シルバーはカメラが強調されるデザインで、先ほどお伝えした嫌いなカメラ配置がより一層強調されるため、やっぱりどうしても受け付けられないデザインです。
無印モデルではガラス背面を採用。本体重量は191gと、このサイズのスマホとしては若干重ためですが、Xiaomiのナンバリングシリーズの無印モデルとしては通常運転。持ちやすさをアピールしており、アスペクト比21:9を維持していたXperia 1 Vまでとほぼ同等の幅です。
ダイヤモンド特別版
今年は特別版を2種類用意。
一つはダイアモンドエディションで、メモリ16GB+1TBストレージのみを用意する高級志向なモデル。ワニ革の質感を再現したレザーを背面素材に採用し、カメラ周辺の盛り上がりも輝きを得た素材に切り替わっています。
さらに、側面にはダイアモンドが埋め込まれているという豪華さ。さすがに人工ダイヤモンドでしょうが、ケースをつけたくなくなりますね。もしくはこの部分だけ露出するタイプのケースとか出てくるのでしょうか?
本体色はオレンジ・ホワイト・グレーの3色となっており、重量は189gと若干軽め。パスポートケースとカードケースが付属します。
カスタムエディション(定制版)
もう一つが定制版。これはカスタムエディションとでも言うべきモデルで、Xiaomiはこれまでも複数のモデルで用意してきたことがあります。
しかし今年は様子が変。なんと20色の背面カラーと2色の側面色、合わせて40通りのカラーバリエーションを実現してきました。正気か?
iPhone XRや、昨日発表されたAQUOS sense9の6色でもかなりカラーバリエーション豊富と言われるこの時代に、計40通り。また本体重量は厚みは通常版と完全に同じ、つまりガラス素材を採用していることが予想されます。
色調も幅広く、Pixelシリーズのようなパステル調の色合いから、原色に近いようなパキっとした色合いまで取り揃えます。
価格
価格は以下の表のとおり。最廉価モデルの4499元は日本円にして9万6000円、最上位の6000元は12万9800円ほどとなっています。
製品名 | 12/256GB | 12/512GB | 16/512GB | 16/1TB |
---|---|---|---|---|
Xiaomi 15 | 4499元 | 4799元 | 4999元 | 5499元 |
Xiaomi 15 ダイヤモンド版 | – | – | – | 5999元 |
Xiaomi 15 カスタム版 | – | – | 4999元 | – |
メモリ構成が8GB/256GBから12/256GBに変化したとはいえ、最廉価モデルの価格は500元、日本円にして1万円ほど値上がりしてしまったのものの、超高性能な代わりに高価なSnapdragon 8 Eliteを搭載してこの程度の値上げなら納得感があります。
それよりも、カスタムモデルが容量ベースで通常モデルと全く同じ値段というのが衝撃です。コストは間違いなくかさむはずですが、どうして実現できるのでしょうか……?
スペック表
OS | Xiaomi HyperOS 2 |
---|---|
SoC | Snapdragon 8 Elite |
メモリ | 12GB/16GB |
容量 | 256GB/512GB/1TB |
画面 | OLED 6.36型 2670×1200 最大120Hzリフレッシュレート |
カメラ | 5000万画素 Light Fusion 900+5000万画素望遠+5000万超広角 |
インカメラ | 3200万画素 |
電池 | 5400mAh 90W有線充電 50Wワイヤレス充電 |
寸法 | 152.3×71.2xmm 厚み:8.08mm(通常版/カスタム版)/8.48mm(シルバー)/8.36mm(ダイヤモンド限定版) 重量:191g(通常版/カスタム版)/192g(シルバー)/189g(ダイヤモンド限定版) |
5G | n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n26/n28/n38/n40/n41/n48/n66/n77/n78/n80/n81/n83/n84/n89 |
LTE | B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28/B66, B34/B38/B39/B40/B41/B42/B48 |
3G | B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 |
その他 |