
ASUS Japanより、最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 9」をお借りしてレビューします。

前モデルのROG Phone 8から継承されたデザイン言語を採用しつつ、より洗練された印象に。マットでシルキーな背面の手触りは非常に良好で、ここ数年に発売されたスマートフォンの中でもトップレベルだと思います。

側面には超音波ボタン「AirTrigger」を搭載しており、様々なゲーム操作を割り当てることができます。FPSでAimと射撃に割り当てるのがおすすめ。

まずは気になるゲーム性能をチェックしておきますが、ROG Phone 9はSnapdragon 8 Eliteを搭載。高性能というだけではなく、安定性も高いです。
冷却システムはゲームプレイの長さに応じて3段階の冷却機構が動作。まず窒化ホウ素のサーマルシートによる熱拡散が行われ、およそ15分以上の連続稼働で新設計の大型ベイパーチャンバーとグラファイトシートによる広範囲冷却が行われるそうです。本体内部の冷却システムは前モデルから20%向上し、グラファイトシートの容量も57%増加、最も熱が発生するSoCを本体中央に配置することで、ゲームプレイ中の発熱を感じにくい構造になっている本機。
実際、連続ゲームプレイ環境よりもさらに過酷な、ベンチマークを20回連続で走らせる激重3Dベンチマークテストを走らせても、一般的なスマートフォンでは熱ダレが発生するところを、ずっと同程度のスコアを9割維持という、高い放熱性がうかがえます。
- AnTuTu v10.4.5:278万9941点
- 3DMark Wild Life Extreme Stress Test: Best 5555, lowest 5020, 90.4%
- 3DMark Steel Nomad Light Stress Test: Best 2074, Lowest 1850, 89.2%
- 3DMark Solar Bay Stress Test: Best 9457, Lowest 8506, 89.9%
- Geekbench 6 CPU: single 3102, Multi 9779
- Geekbench 6 GPU: 19317

こうした現実の運用とは離れた連続ベンチマークにさえも耐えますが、本体はかなり熱を持ちます。外付け冷却ファン「AeroActive Cooler X」も装着すれば死角がありません。ちなみにPro版にはAeroActive Cooler X Proが同梱します(標準モデルにも対応)。
冷却ファンが外付けとしたことで、IP54などではなく、しっかりとIP65/68の防水防塵にも対応しているのがREDMAGIC 10 Proに対する優位性です。
実際に鳴潮をプレイするとほとんどの場面で60fpsを維持でき、引っかかりも感じず快適にプレイできました。設定は「極高」60fps。ちなみに鳴潮の120fpsオプションは今のところiPad Pro M4などに限られており、Androidではまだ正式に開放されていないようでした。

崩壊スターレイルも快適で、たまにフレームレートが低下する場面はあるもののほとんど気になりません。ゲーム用スマートフォンとしてはベストパフォーマンスで、REDMAGIC 10 Proと遜色ありません。外部冷却ファンなしで快適なので、よほど長時間のプレイでない限り、冷却ファンなしで外出しても楽しめる一台になっていると思います。
ゲーム支援ツール「Game Genie」も引き続き搭載。リアルタイム情報表示やマクロ設定、着信や通知の抑制、画面録画などを呼び出せます。
なお、USB Type-Cコネクタの位置が特殊で、中央ではなくズレているため、汎用コントローラではぴったり合わないという地味な欠点はあります。このあたりは純正品でカバーすべきところでしょうか。

そうそう、この機体はUSB Type-C端子を二本搭載する変態ぶりなので、側面の充電端子で充電すれば、左右に持った時に充電ケーブルが邪魔で持ちにくい……といったこともなし。バッテリーは5800mAhの大容量で、2900mAhのバッテリーを2つ搭載するデュアルセル構成により、充電中の発熱も抑制できます。急速充電は65W。

音響面は、ゲームを楽しむには十分な大音量で、音質もREDMAGIC 10 Proより良いですので、iPhone Pro MaxやROG Phone 7と比べさえしなければ納得できるでしょう。
ちなみにAeroActive Cooler X Proはケース側にサブウーファーを備える変態仕様だそうで、まだ高みを目指せそうでしょうか。Pixel Tabletは本体スピーカーとハブスピーカーの音を組み合わせることが出来ずよくわからなかったですが、もしROG Phone 9はケース側のスピーカーを組み合わせて良い音を出せるなら「そうそう、そんなの待ってたんだよな」とガジェットとしても素晴らしいと思いますね。
今どき珍しい3.5mmイヤホンジャックを搭載しており、USB-C/Bluetooth含めた全てのヘッドホンで空間オーディオ「Dirac Virtuo」を利用可能。
画面は6.78インチのAMOLEDディスプレイを搭載。ゲームモードで最大185Hzのリフレッシュレートとはいうものの、見知ったゲームで対応しているものはほとんどないと思います。とはいえ120Hz、165Hzが選択できるほか、720Hzの高速タッチサンプリングレートや高輝度を誇る高品位なパネルで、見やすく発色も綺麗です。屋外での視認性も良好でした。


カメラ構成は以下の通り。スマホに搭載されるほとんどのマクロカメラは数合わせのオモチャなので、望遠が欲しい人はProモデルを選びましょう。

- 広角カメラ:5000万画素 (SONY LYTIA 700)、6軸ジンバルモジュール搭載
- 超広角カメラ:1300万画素、画角120度
- マクロカメラ:500万画素 (Pro版は望遠カメラ)



メインカメラには6軸のジンバルモジュールを搭載。動画だけではなく静止画でも有効だそうです。広角レンズを使用して静止画を撮る分には特に大きな問題はなかったのですが、低照度で近くのものを撮る場合には手ブレが発生しがちでした。
夜景モードはこんな感じでした。左が広角、右が超広角。


個人的にはご飯が美味しそうに撮れない点が気になりましたが、iPhoneのフィルター機能に乗じてか、フィルター機能を本機も実装しているので、適宜切り替えてということなのかも。

リッチウォームにフィルターを切り替えるとまあまあの結果になります。



新機能として「AI流し撮り」や「ポートレート動画」などの機能も搭載。「AI流し撮り」は背景をぼかして動く被写体を強調できるとしています。右が効果のかかった写真。


OSはAndroid 15ベース。おサイフケータイ(FeliCa)対応や通話録音機能などの便利な機能にも対応します。Zenfoneと共通化されたことでおサイフケータイが使えるようになってるのはROG Phoneにとって恩恵ですね。

ROG Phone 9は、ゲーミングスマホとしてのパフォーマンス維持率を高めつつ、防水防塵性能やおサイフケータイ対応など日常使いの実用性も両立させた完成度の高いモデルに仕上がっています。「ゲーミングスマホが欲しいけど、スマホ2台持ちはしたくない」というユーザーにとって、ROG Phone 9は理想的な選択肢となりそうです。
なお、ほとんどの部分では上位モデルとの差異はわずかですが、無印はストレージ容量が256GBなので、より多くのストレージ容量のあるProを選ぶかどうか悩ましいところですね。

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| 製品名 | ROG Phone 9 |
|---|---|
| 本体カラー | ファントムブラック / ストームホワイト |
| OS | Android 15 (ROG UI) |
| プロセッサー | Qualcomm Snapdragon 8 Elite (オクタコア) |
| メインメモリ | 12GB LPDDR5X |
| ストレージ | 256GB (UFS 4.0) |
| ディスプレイ | 6.78型 LTPO AMOLED、1〜120Hz(最大185Hz)、2400×1080ドット (フルHD+) |
| 背面カメラ | 5000万画素 広角カメラ 1300万画素 超広角カメラ 500万画素 マクロカメラ LEDフラッシュ |
| 前面カメラ | 3200万画素 |
| バッテリー容量 | 5800mAh |
| 充電 | 有線65W急速充電 ワイヤレス充電15W |
| 生体認証 | 指紋・顔 |
| サイズ | 高さ163.8mm×幅77mm×奥行き8.9mm |
| 重量 | 227g |
| AniMe Vision | 85個のミニLED |
| SIM | nanoSIMスロット×2/eSIM×1 |
| インターフェース | USB Type-C×2 ヘッドホン・コンボジャック×1 |
| 同梱品 | USB ACアダプターセット、SIMイジェクトピン、クリアケース、ユーザーマニュアル |
| 価格(税込) | 15万9800円 |
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