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Cursor、AIエージェントを自動起動する新機能「Automations」を公開

 コードを書くAIが、こちらの指先を待たずに動き出す。

 2026年3月5日、Cursorを開発するAnysphereは、新機能「Automations」を公開しました。Slackに投げ込まれた一言、Linearに生まれた課題、GitHubでマージされたPR、PagerDutyの警報、あるいは静かな定時実行。そうした出来事を合図に、AIエージェントが自動で立ち上がる仕組みです。

 合図を受けたエージェントは、クラウド上のサンドボックスに目を覚まします。そこで、あらかじめ結びつけておいたMCPやモデル設定に従い、指示を読み、作業し、自分の出力をたしかめます。さらに、過去の実行を踏まえるメモリツールにも触れられるため、同じ役目を重ねるほど身のこなしは洗練されていきます。MCPをひと言でいえば、AIが外部ツールやデータにつながるための共通規格で、公式には「AI向けのUSB-C」のようなものだと説明されています。

 この発想の原型は、すでにCursorの中で働いていました。コードレビュー機能「Bugbot」です。BugbotはPRが開かれた時や更新された時に走り出し、バグやセキュリティ上の問題、コード品質の懸念を拾い上げます。Cursorは公式ブログで、これを「元祖Automation」と呼び、1日に何千回も動き、これまでに何百万ものバグを見つけてきたと説明しています。

 Automationsはその考え方をさらに押し広げ、差分のセキュリティ監査や、より長く考える詳細レビュー、運用タスクの自動化へと踏み込みました。なおBugbotの料金はCursor本体とは別で、アドオンとしてFree、Proが40ドル/ユーザ/月、Teamsも40ドル/ユーザ/月で提供されています。

 たとえば深夜、PagerDutyが障害を告げます。するとエージェントはDatadog MCPでログをたどり、直近のコード変更を洗い、オンコール担当が完全に目を覚ますころには、Slackへの報告文と修正案付きのPRまで整えてしまいます。別のAutomationは、一週間ぶんの重要な変更をすくい上げ、Slackに週報として置いていきます。TechCrunchによれば、CursorはこうしたAutomationsをすでに毎時数百件の規模で回しているといいます。

 非同期エージェント部門を率いるJonas Nelle氏は、人間が消えるわけではないと説明しています。役割が変わるのです。人は、いつも最初に号令をかける存在ではなくなり、工程のしかるべき地点で呼び込まれる監督者になります。これまでのエージェント型開発が「プロンプトを書き、横で様子を見る」リズムだったとすれば、Automationsが目指すのは「出来事が起きれば裏で走り、必要な場面でだけ人が入る」という非同期の流れです。

 料金体系も整理しておきます。Cursor本体は、無料のHobby、20ドル/月のPro、60ドル/月のPro+、200ドル/月のUltraという4段階です。ProにはCloud Agentsと最大コンテキストウィンドウが含まれ、Pro+ではOpenAI・Claude・Gemini系モデルの利用枠が3倍、Ultraでは20倍になります。法人向けはTeamsが40ドル/ユーザ/月、Enterpriseは個別見積もりです。さらに3月4日には、Agent Client Protocol(ACP)経由でJetBrains系IDEにも対応し、IntelliJ IDEAやPyCharm、WebStormなどからCursorのエージェントを利用できるようになりました。有料プランの利用者は、追加料金なしでCursor ACPを使えます。

 勢いは数字にもにじみます。Bloombergは、Cursorの年換算売上高が2026年2月に20億ドルを超え、3か月で倍増したと報じました。Anysphere自身も2025年11月、23億ドルのシリーズDを発表し、事後評価額は293億ドルだとしています。公式サイトでは、5万社超がCursorで開発しているとも掲げています。

 もちろん、この舞台に立っているのはCursorだけではありません。GitHub Copilotは主要IDEとGitHub本体への深い統合を武器に広く浸透し、AnthropicのClaude Codeはターミナルだけでなく、Web、デスクトップ、VS Code、JetBrains、Slack、CI/CDへと出入口を増やしています。CognitionのDevinも、クラウドベースのIDEを備え、20ドルから始まる料金体系で間口を広げました。

 けれどAutomationsが面白いのは、AIが「呼ばれてから働く助手」であることをやめ、イベントのほうからAIを起こしにいく点にあります。「プロンプトを打って待つ」時代の次に来るのは、もしかすると、出来事そのものが開発を前へ押す時代なのかもしれません。

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