このGoogleの中の人に聞いた!! AndoirdとPlayマーケットのあれこれ(講演編) – すまほん!!の続きの記事にあたります。
講演がひと区切りしたところで質疑応答タイムが始まりました。質問、疑問、それから苦情まで受け付けるという内容で数多くの意見が出ました。
質疑応答タイム
質問内容、回答ともに筆者の意訳です。本文だけを見ると非常に殺伐としたイメージを受けますが、笑い声が混ざるなどゆるやかなムードで質疑応答が始まりました。
Q.Androidデバイスのフラグメンテーションが騒がれているが、ちょっとネガティブな意見が多すぎる。ちゃんとしたアプリを作ればそこまで大きな問題ではない。ここでGoogleさんから一言お願いしたい。
A.フラグメンテーションが起きているのは事実。だが、全てのデバイスで動作を検証するのではなく、大多数のデバイスで動作をする、お行儀の良いアプリが増えて行けば良いと考えている。
Q.PCからのアプリ購入数はどれくらいなのか。
A.正直なところ多くない。端末からの購入の方が圧倒的に多い。
以下、4つ(最終的には5つ)は私からの質問でした。
Q.(Playマーケットのランキングについて)マーケットのランキングでは、ユーザからの星の評価が大きなファクターになっている部分が多いとお伺いした。しかし、日本では携帯電話がおおよそ2年のサイクルで販売されており、今でもAndroidのバージョン2.1であったり2.2の端末を使っているユーザがいる。そうすると、いくら素晴らしいアプリを作成しても、古いバージョンや古いデバイスではそのアプリが望まれた形で動作せず結果的に星の評価が下がることとなる。すると、古いハードウェアを足切りしてしまいAndroidのバージョン2.3や4.0だけに対応することで、ランキングの上位が狙いやすくなる。つまり、ランキングという指標を重視することによって、古いバージョンのAndroidが足切りされてしまい、古いAndroidスマートフォンユーザがハッピーになれないのではないか?
A.ランキングの指標として、どれだけ広範囲のAndroidバージョンに対応しているかというパラメータももちろん含まれている。ただし、現状1.6であったり2.1を使っているユーザは非常に少なく、ほとんどが2.3を利用している。そのためその誤差は軽微だといえるだろう。ただし、2.3に対応せず4.0のみに対応するアプリは非常にリスクが高い。その点では自社のChromeはよろしくない(苦笑い)
Q.Bouncerについてお伺いしたい。つい先日にもBouncerの脆弱性が見つかったが、Bouncerによるスキャンはアップロード時のみなのか?
A.基本的に無限ループ。常にスキャンを回し続けている。
Q.UI/UXの話があったが、いくらアプリケーションのUIが良くなっていっても、搭載しているハードウェアのUIが(たとえばボタンとか) ごちゃごちゃだ。これに関してはどう思われているか。
A.Googleの指標として、ボタンが4つあるのは多いと認識して3つに変更。メニューキーは廃止の方向であるが、最終的な判断はベンダーにゆだねられている。
Q.Playマーケットのアカウント停止についてお伺いしたい。一部のフォーラムなどで、Playマーケットの利用規約に抵触しアカウントの停止処分を受けたユーザが既存の収益がもらえず、Googleへの問い合わせが出来ないと憤慨していた。これらを含めてPlayマーケットでのアカウント停止というのは、どのようなものなのか。
A.Googleとして、アカウント停止という処分は非常に重たい措置である。一度、アカウント停止をされた人は基本的に「もう、戻ってこなくていいです」という冷たく突き放す対応である。そのため、基本的にはアフターフォローはしない。もしも、全く身に覚えがないのに、アカウントが停止された場合は私に連絡をしてもらいたい。それでも、95〜99%はアカウントが復活したという例はない。しかし、協議はするので、そのような自体が起きた場合は問い合わせをお願いしたい。もちろんアカウントが復活した例もある。
Q.(補足質問)同一人物が異なるクレジットカード番号を使い、アカウント停止にたいしての対処をしているという話を聞いたことがあるが?
A.それは対処済みである。一定のアルゴリズムを持って複数のアカウントを持っていても、同一人物であるか否かの判定をしている。そのためそのような開発者はマーケットから追い出している。なお、その対策の結果、一部のマーケット登録者に対して代行登録をお願いしている会社が存在する。「貴方の名義で登録してくれれば、収益の何割かを貴方にも還元する」といった形だ。これには絶対に応じないで欲しい。
私の質問はここまで。質問をしたときに足が震えてました。
Q.シャープのエコ技について、Googleとしては、どのような対応をとるのか?
A.引き続きメーカーと協議中。一つの問題として、日本のAndroidスマートフォンはプリインストールアプリが非常に多く、それらが多くの電池を消費しているケースがある。事実、docomoから発売されたGalaxy Nexusは、他の国で販売されているGalaxy Nexusよりも1/3バッテリーが持たない(バッテリーが1/3しか持たないとも捉えられたが恐らく1/3バッテリーが持たないと捉える方が現実的である)
このように、ナンセンスな状態にナンセンスな実装が行われるのは望ましくないため、プリインストールアプリについてはドコモさんとも協議している。
Q.日本から海外のマーケットをみることは出来ないのか
A.正規の手順を踏んで閲覧することは出来ないが、ゴニョゴニョすれば出来る。
Q.サードパーティー製のアプリマーケットについてどう捉えているのか
A.Googleとして、サードパーティ製のマーケットを否定することはない。事実auさんなどは、独自のマーケットに力を入れている。しかし、Googleが実装しているBouncerなどでPlayマーケットがより安全に安心して使えていけるようになることは、外部のマーケットに安全でないアプリが流れていくことを事案している。その点には留意してほしい。
Q.NFCをもっと押して欲しい!!
A.GoogleとしてもNFCの重要性は認知しており、今後押していく予定である。
Q.Playマーケットで要求するパーミションが表示されるが、いかにも無機質である。できれば開発者側から、なぜそのようなパーミションが必要なのかコメントがつけらるようにして欲しい。
A.非常にありがたいフィードバックである。今後意見の一つとして取り入れていきたい。
Q.Eclipse以外の開発ツールで開発させてくれないの?
A.Eclipse以外の選択肢は現状存在する。Googleとしては利用するIDEを強制したくはない。もっと良いツールを作りたいが人手が足りていない事実がある。これは社外からも是非協力をいただきたい。
と、私が拾えた質疑応答の内容はこのような感じでした。特にアカウント停止についてのお話は非常に興味深かったです。
また、松内さんの真摯な対応からGoogleがいかにAndroidへ真面目な取り組みをしているかということを肌で感じることができました。
この後、居酒屋赤からに場所を移し懇親会が始まり、そこでも若干の質疑応答がありましたが、もはや(暗黒編)といっても良い内容ですので、そちらは私の個人ブログでまとめて行きたいと思います。
(お酒の場でありながらも、数々のご無礼、申し訳ありませんでした。今後ともすまほん!!を宜しくお願いします。)