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所有欲満たされる携帯ゲーム機 AYANEO Pocket S

 AYANEOの携帯ゲーミング機「AYANEO Pocket S」を代理店から一定期間借りたので紹介します。

 本機は重量350gのAndroid携帯ゲーム機です。重いですね。まあゲームパッドとAndroid端末をあわせたらもっと重いので、むしろコンパクトにまとまっていると思います。Nintendo Switchより軽い。

 アルミ削り出し一体型筐体と6インチの高解像度IPS液晶を備え、とても高級感のある仕上がりなので、所有欲はわくと思います。パネルが60Hzなのがちょっと残念。

 スペックはSnapdragon G3x Gen 2、メモリLPDDR5X、UFS4.0ストレージ。静音ファンとベイパーチャンバーにより、15Wのフルスロットル時でも安定した動作を実現。Android 13を採用し、Google Playストアも利用できます。

 おそらく購入直後は重要なアップデートが溜まっているので、あらかじめ済ませておくことが肝要です。特に本機はOS側のアップデートと、AYANEO独自の制御・ホームアプリ側のアップデート両面が必要になる点は注意してください。

 1passwordが使えます。ただし横画面時、1passwordアプリ内から各項目が開かない事象があります。各アプリ入力欄で自動入力するか、縦画面にすると良いです。

 指紋認証は電源ボタン兼用。右トリガーの内側にあるRCボタンがバックキー、左トリガーの内側にあるLCボタンがアプリ履歴として機能します。右スティックの右下のボタンがホームボタンです。筐体がこの薄さなのでスティックは流石に専用のゲームパッドには負けますが、基本的なボタン類は押しやすいです。

 本機は、ゲームパッドに正式には対応していないアプリでも、擬似的に利用可能。指でタップするオブジェクトの位置に、各キー/スティックを割り当てて、ゲームタイトルごとに設定を保存可能。

 パッド非対応ゲームにゲームパッドのボタンを割り当るには、ゲーム起動中にAYANEOボタン(右スティックの左下)→Controller→(ゲームタイトル)Go to configuration→Mapping pointを画面上にドラッグ→「A B L R Expand Cancel」の中のL/Rを選択することで、L/Rスティックを画面上に配置。ゲーム画面上に移動スティックが配置されているタイトルの場合は、そこにLまたはRを配置し、Repatに設定。そして移動視点移動の場合はLまたはRを配置しHoldに設定。こうすると上手くいきます。位置等が調整できるので、設定を煮詰めてみて下さい。

 これは正式なパッド対応ではないので、要は「画面上の指の動きを擬似的に再現している」状態ですよね。なのであまり精緻な動作を求めない方が良いでしょう。移動の際のRepat(タップして保持し続ける)はともかく、視点移動は違和感あります。何せ「指をタップして移動して『離して』また指をタップして移動して……」を繰り返しているわけですので、この話す処理の瞬間に視点移動が寸断されるのが特に気になります。さらに視点移動は上下のほうがより指の移動量を求められがちなので、本機のスティック操作では左右は素早く、上下は遅くなるという違和感があります。

 後者の上下左右の違和感については、既に解消するための機能が存在します。前述のGo to configuration→Mapping pointでL/Rスティックの位置調整時、Repatのスティックに、Repatの文字の横に小さな設定アイコンらしきものがあると思いますので、それをタップします。すると、上下と左右で別々の感度にする調整項目が出てきますので、上下の感度を高くすると、視点移動の違和感を減らすことができます。

 また、突然スティックが一瞬反応しなくておかしくなる場合がありますが、そうした場合は、操作キャラクターの周囲にアイテムやキャラクターが近づいてきて、画面上の疑似L/Rスティックにそれらへの「拾う」「会話する」等、様々なボタンが被ってしまう瞬間が無いでしょうか?そうしたボタンに被らないよう、疑似スティック/ボタンを配置するように心がけて下さい。

 このように、ゲームパッド非対応のタイトルにおける、擬似的なゲームパッド対応はクセがあるので、予め自分の遊びたいタイトルがゲームパッドに正式対応しているかを確認した方がいいと思います。

 原神を60fps設定で遊んでいたところ、やはりゲームパッドがあるのはタッチパネルより快適でした。個人的には120fps対応且つネイティブゲームパッド正式対応のiOS版の原神を遊ぶかなぁと思いますが、それは自分のように「外ではデイリー消化」みたいに決めている場合だと思います。いちいちゲームパッドをiPhoneに接続するのも面倒ですし、発熱の問題もあります。

 冷却ファンを内蔵していますし、スマホの電池を消耗してしまうよりかは、本機のような携帯ゲーム機の電池を使うという考え方はアリだと思います。REDMAGIC 9 Proも良い機種ですが、やはりパッドは欲しくなります。外付けをいちいち接続せずに済む、トータルでは軽量コンパクトな構成で済むAYANEO Pocket Sの優位性です。

 総じてハードウェアは素晴らしい端末だと思います。ゲームパッド対応タイトルを中心に遊び、ゲームパッド非対応タイトルもささっと遊ぶ、そんな人には相性がいいかもしれません。

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