デジほん3冊目「kobo glo発売直前 kobo touchを見直してみる」

 もう誰も目を向けていないのではないかと不安になる楽天率いる電子書籍端末kobo。新型のkobo gloの発売が間近であるのに話題の種になることはない。なるのは笑いの種ぐらいだろう。

 ただ、私はkoboもそこまで捨てたものではないと考えている。kobo gloも発表がなされた11月1日に速攻で予約をした。koboには期待をしたいのだ。

 そんなkoboの最初の端末kobo touchについて、レビューを書いていきたい。

値段相応のハードウェア

左がkobo右がSonyのReaderだ

 ハードウェアの「でき」は値段相応と言えるだろう。電源スイッチやホームボタン。それからmicroSDスロットは本体価格なりのチープさを感じる。おそらく最初にガタがくるのは電源スイッチだろう。ただ、今まで高価だった電子書籍端末を1万円を切る価格で提供したことは偉大だろう。

 また、電子ペーパーの品質は良い。タッチパネルの感度も問題はない。読書をする作業に必要なハードウェアの用件は満たしている。それ以外が少し安っぽいだけだ。

 

問題の多いソフトウェアとその設計

 koboの最も悪いところはソフトウェアの品質である正直「粗悪」といっても過言ではない。なぜ楽天はソフトウェアの作り込みを放棄してしまっているのか、たとえハードウェアが劣悪であっても、ソフトウェアさえしっかりしていれば、それなりの評価は得られたであろう。

1分でセットアップなんて出来るわけがない

 発売された最初期、koboはパソコンがなければ初期のセットアップ作業ができなかった。その後のアップデートにより、本体単体でWi-Fiに接続しアクティベーションとアップデート作業が可能になった。

 しかし、Wi-Fiの接続が猛烈にやりづらいのである。

 SSIDのスキャンまでは可能だがパスワードの入力がソフトウェアキーボードでは猛烈にやりづらい。電子ペーパーの特性もあり入力後に遅延がある。大文字と小文字や数字を混ぜ合わせたパスワードを使っていたり、メーカーの初期パスワードにある「MACアドレスがパスワード」というユーザーはこの時点で猛烈な拷問を強いられることになる。

 筆者が今まで使ってきたWi-Fi対応の端末で「Wi-Fiにつなげる作業」であれほどまでイライラしたのは初めてだった。

 ちなみに、Wi-Fiにつながった後3分以上ソフトウェアアップデートでの時間を要した。1分で使えるようになるというのは、ホラの吹きすぎである。

タッチ操作が考慮されていないUI

 次に出くわしたのはタッチ操作を想定しているとは思えないUI(ユーザインターフェース)である。

ソフトウェアキーボードで「す」を入力した状態

 まず、ソフトウェアキーボードがその代表だろう。非常に入力がしづらい。電子ペーパーという応答速度の低いディスプレイでソフトウェアキーボードの文字入力自体が少々ストレスを感じさせるものだが、予測変換の精度も低く、見当違いな言葉が表示されるのを、電子ペーパーに表示される時間が果てしなく無駄だ。

 そして、ボタンが小さい。とにかくボタンが小さい。何をするにしてもボタンが小さい。押したか押していないのかがわからない。読書中に出すことが出来るメニューも何ができるのか、いまいちわからない。

 縦書きの文字選択も上手に動作しない。また選択をした後に出来ることもいまいちわからない。これもまたストレスがたまる。

 また、タッチ操作をする場所が、右上、左上、右下、左下とポンポンポンポンと遷移する。「戻るボタン」の位置が画面や機能でそれぞれ異なったり、やはりそのボタンが小さかったり。操作をするたびに「ん?」という感情が沸き立ってしまう。

 UIに並ぶ言葉としてUX(ユーザ体験)という言葉があるが、現状のkobo touchでのUXは「イライラ」だろう。もっとハッピーな体験をさせて欲しい。

 

ストアはこれからも頑張って欲しい

 何かと物議を醸すkoboのストアだが、今後ともコンテンツの拡充は頑張って欲しいと思う。言われているほど悪いものではない。ただ「量」を約束してしまったのは楽天の失態だったのかもしれない。

 本の入りも悪くはない。目標に掲げた20万冊には至らないかもしれないが、今後とも頑張って欲しいと思う。これは出版社との足並みがそろわなければ難しいポイントだろう。

 個人的にパブー(個人が電子書籍を作成できるサイト)と連携しているのは面白いことだと感じた。出版社を通していない、いわゆる「同人」的な本を楽しむことができるのは、強みの一つになるかもしれない。

 また、個人的に唯一気に入っているのは、特集機能だ。

 これでアニメの原作もカバーが出来る。

長期的な進化を求む

 文中ではややきつい物言いになってしまったが、今後とも電子書籍は発展して欲しいジャンルである。

 コンテンツの量ももちろん大切だが、それよりももっと大事なのは読みやすさと使いやすさだ。どれだけコンテンツの量が増えても端末自体が使いづらくては意味がない。今後koboのソフトウェアが長期的に進化し成熟していくことを願いたい。

おまけの写真たち

上から2段目 ライトノベルより少し大きい


非常に薄い


解像度はほどほど、気になるレベルではない


相変わらずの楽天である