前回に引き続き Lideo(BL-121)のレビューを記していきたい。
前回のお詫び
レビューを書く前に、前回の記事で誤りが多数あったことを再びお詫びしたい。Kindle Paper White と Kobo は「LinuxベースのOS」を搭載しているのにも関わらず 「Android ベース」と記していた。指摘を受け、それらが筆者の勘違いであり、誤りであることに気がついた。また、福井県を東北地方と記していたのは、福島県と見間違え、勘違いをしていたことが原因である。
誤った情報を掲載し、混乱を招いたことを反省し二度とこのようなミスを犯さないように、今一度、掲載する情報についての確認に努めたい。
誤りをご指摘をしていただいた方、また誤解を与えてしまった読者の方に謹んでお詫びを申し上げたい。
それでは、本編に戻る。
ピンとこない操作系統
前回の記事でも「ソフトとソフト」「ソフトとハード」で不和が起きていると触れたが、もう少し掘り下げて説明をしたい。
まず書籍のページをめくる方法がふた通りある。
- 画面をフリックする。
- 画面の下部をタップする。
初回起動時のチュートリアルで表示されるが、いまいちこの操作系統がピンと来ない。恐らく縦書きのコンテンツはフリックでのページ送り。横書きのコンテンツは画面のタップで操作送りを想定しているのだろうが、筆者はこの操作に対して非常に混乱した。
また、筆者は左手で端末をもち、指が短い人間なので非常にページめくりがしづらい。それを言い始めればKindle PWもタップする位置でページ送り、戻しの切り替えを行うのだが、Lideo では二つの操作方法が混ざっているため、画面の上部でも下部でもフリックをすれば次ページにも前ページにも移動しえるし、逆にフリックせずとも画面の上下で次ページにも前ページも移動が出来る。
言葉で説明してもややこしいのだが、これを実際に利用するとさらにややこしい。また、連続してページをめくろうと画面下部を連続でタップしていると文字が拡大されて表示される。それは[メニュー]にでも[文字の拡大]とかを入れておけば良いのではないのだろうか。
文字ボタンの謎
フォントのサイズは物理ボタン[文字]から変更が可能である。この[文字ボタン]もくせ者で、電子書籍を読んでいるときと、その他のメニューを操作している時では機能が変わる。
書籍を開いていない状態で[文字]を押すと、画面のリフレッシュ(再描画)が行われる。電子ペーパーは構造上、数回描画したら画面のリフレッシュをしないと汚いノイズのようなものが表示され続ける。
しかし、画面のリフレッシュは若干の時間を要する。そのため極力避けたい行為である。
筆者はてっきり「読書時のレスポンスを改善するため、読み手が気になったら[文字]ボタンを押すことで画面をリフレッシュする」という方式が採用されているのかと思っていたが、電子書籍を閲覧中に[文字]を押すと文字サイズの変更のダイアログが表示される。
では、画面のリフレッシュは何時行われるのかと取り扱い説明書やWebで情報を収集したところ、ユーザでは設定が出来ず、システムが勝手に行うそうだ。
Kindle PW では ページの再読込をするか否か、Koboでは何ページごとにリフレッシュするかの設定が可能であるが Lideo ではその設定項目はない。
せっかく任意のタイミングでリフレッシュが可能なのであれば、リフレッシュは行わずページ送りを高速化させ、ユーザが気になったら[文字]ボタンを押してもらいリフレッシュするという方式が良かったのではないかと思う。
書籍を開くのが遅い
書籍を開くのに要する時間を計測したところ、約30秒弱の時間がかかった。少し意地悪な計測方法をしているように見えるが、普段から[書店]に行ったり、本を読んだりをしている人からすればこれが普通である。
また、書店に行かずに電子書籍を一度開いて[本棚]ボタンを押し、もう一度電子書籍を開いても同様の時間が必要となった。これは強いイライラを覚える一つの原因だ。動画を見て、是非その目で確認をしていただきたい。
電子ペーパーの品質が競合製品よりも劣っている
Lideo の競合製品は Kindle Paper White であり Kobo glo だろう。Lideo の電子ペーパーの解像度は競合する二つの製品よりも解像度が低く応答速度が悪い。コストカットの意向が強いのだろうが、WiMAXに接続できるというアドバンテージを持ってしても、電子ペーパーの質が悪ければ話にならない。
電子ペーパーの解像度が高ければ、マンガやイラストをより高精細に楽しむことが出来るため、WiMAXを搭載している Lideo には最適だろう。しかし電子ペーパーの質の悪さで全てが台無しになっている。
なぜ、このような端末が生まれてしまったのか
Lideo の製造はNECが担当し、製造は日本製だ。本体の背面、そして外装の箱にも誇らしげに Made in Japan の文字が躍っている。
これが 日本メーカーの品質なのだろうか。いいや、そんなことはない、例えばソニーの Reader は生産こそは日本で行っていないものの、高い使い勝手を持っている(筆者が所有している Reader はPRS-650)
では、何か原因なのか、それは以下の原因が考えられる。
- ソフトウェアの製作が間に合わず突貫工事でソフトウェアを制作した
- 下請けや孫請け同士の意思疎通が明確にとれておらず、UIの不一致が発生した
- 価格面でも勝負をするために、消費者にはわかりづらい箇所の性能を落とした
など、考え始めれば山というほど原因らしい原因は見えてくる。
今年のワーストバイは Lideo で間違いない
今年、購入した電子ペーパーを採用した電子書籍リーダは以下の通りである。
- Kobo touch
- Kobo glo
- Kobo mini
- Amazon Paper White(Wi-Fi)
- BookLive! Lideo BL-121
これらの中で比較・検討を行いぶっちぎりの駄目さを誇ったのが Lideo であった。楽天Kobo の不出来は話題となったが、それを遙かに通り越すほどの駄目さである。
来年も数多くの電子書籍リーダが発表されるだろう。もしかしたら Lideo の改良版が発売されるのかもしれない。そのときは、再び購入し、レビューをしていきたいと思う。
おまけ
「利用許諾契約書を本にしてはどうか」というリアクションを数多くいただいたが Lideo にはあらかじめ、分厚い取り扱い説明書がついてきている。参考までにその写真を貼り付けて終わりにしたい。