まず「HTC One」に使われていた部品の供給差し止め、それに起因してOneの供給を危ぶむ海外報道を、飛躍してOne自体への差し止め命令が出てしまったかのような表現のあった前回の記事についてお詫びします。
前回の記事の情報元となった海外記事は、Nokia側から発せられたものです。マイク部品だけではなく、HTCは英米独でNokiaと40以上の特許紛争を抱えていることが強調され、HTCに対して非常に不利な印象を与える内容でした。
このNokiaの発表をもとにしたengadgetの記事は海外で大きく反響を呼び、「HTC One」の販売遅延が各所で危ぶまれていた現状があり、それを憂いたHTCは、今回のマイク部品差し止め命令について、Nokiaに対抗する形で海外メディアに電子メールによる説明を送りました。engadget, THE VERGE, SlashGearなどが同様の内容を掲載しています。
それによれば、HTCは、今回のマイク部品の件に関して、適法性の問題は、あくまでもNokiaとSTマイクロエレクトロニクス(STM)の二社間の問題であることを強調。
確かにオランダのSTMへの命令は、一定期間ノキア以外の会社に当該部品である高振幅マイクの販売を禁じるものですが、本件の場合、すでに独占契約をHTCが知らずに悪意なく購入してしまっていたため、購入済みのマイク部品については使用し続けることができると明言。
こうした購入済みのマイク部品のリコールのために、Nokiaが動いていたことをHTCは認め、しかし現在そのNokiaの企みは失敗に終わったと述べ、販売にも問題はないことをアピールしました。
それでも当該部品の在庫が尽きた場合のOneの供給不足が心配になるところですが、購入済みのマイク部品が尽きた時には、改善された別のマイクへ移行する意思があるとも述べ、供給不足に陥らないよう努めていく姿勢を見せました。
海外でも大きく懸念されていた本件の「HTC One」の販売への影響は最小限で済みそうです。依然としてNokiaとは40以上の特許紛争は抱えているものの、何はともあれ、HTL22として日本でも無事登場することを楽しみに待ちたいところです。