アメリカの動画配信大手「Netflix」が、2015年秋に日本市場に参入することが正式に明らかになりました。公式サイトにも「近日中に日本でもご利用いただけるようになります」と表示されています。
3600万世帯の日本家庭をターゲットにするのを同皮切りに、アジア市場へ参入します。同社は2年以内に世界200カ国でサービス展開することを目標に掲げています。
インターネット回線を利用したストリーミング配信であることから、回線敷設や衛星アンテナを不要とするため、コストが安く、CATVやCS放送の顧客を奪っているとの観測もあります。元々レンタルビデオ屋として出発したのがNetflixであり、価格の安さを考えても、既存のレンタルDVD店とも当然競合するでしょう。
Netflixは、月額$8.99(約1100円)の定額料金でで映画やテレビ番組を見られるサブスクリプション方式を採用。スマートフォン、タブレット、PC、Chrome Castやテレビなどからの視聴にも対応。先行して日本のVOD市場で展開しているHuluやNTT docomoのdビデオに近い仕組みとなっており、熾烈な競争が予想されます。
なお、AdverTimesが伝えるところによると、dビデオは440万人の会員数を誇っていたのが、去年は390万人台まで減少しており、Netflixの参入は追い打ちとなる可能性があります。単に水増しにも近いオプション強制が加入者増を支えてきた側面がありますし、7GB/月の旧料金プランと同等の料金水準を維持するためには、新料金プランで2GB/月を選択することを強いられるため、ユーザーは屋外での通信量を節約せざるを得ませんから、通信量の必要なdビデオが加入者減というのは、自業自得というか、当然の流れなのではと思います。
国内メーカーも含めて各家電メーカーが、Android TVなどの汎用OSをテレビに採用する動きが加速しており、核となる動画コンテンツの配信サービスはますます重要になります。一体誰が定額制動画配信の覇者となるのか、今後の展開が楽しみなところです。