KDDIは、5月以降発売のスマートフォンにSIMロック解除機能を搭載。購入180日経過の対象端末はSIMロックを解除できることを明らかにしました。これは総務省のSIMロック解除義務化を受けた措置。今までKDDIは3G通信規格CDMA2000を理由にSIMロック解除を拒否してきましたが、現在3Gを切り捨てたau VoLTEの対応を進めつつあり、SIMロック解除が意味のあるものとなりつつあります。
Web経由なら無償解除
Web経由での解除は手数料無料。auショップでの解除は手数料3000円(税抜)。auの回線契約が無い場合、auショップでの解除しか選択肢が無いため、今後は回線の解約前に必ずWebサイトからSIMロックを解除しておきたいところ。購入直後は解除できず、手続きページの公開は2015年8月以降となります。
対象端末
5月以降発売のスマートフォン・タブレット等の端末が対象。ですが、4月23日発売のGalaxy S6 edge SCV31についても、SIMロック解除の対象となります。当然、今後発売されるiPhoneも対象となりますが、昨年発売のiPhone 6 / 6Plusについては対象外です。
6ヶ月という期間設定には疑問
6ヶ月という期間を空ける必要がある点には疑問も感じます。買った直後に海外渡航がある場合には現地SIMで利用することは諦める必要がありそうです。また、回線品質やエリア、サービス内容に問題があった場合に、すぐに解約したとしても、他社および他社系のMVNOで利用することができないことになります。8日以内の回線無償解約が可能なクーリングオフ制度「初期契約解除ルール」が施行され、その制度を使用して回線を無償解約しても、高いお金を払って買った端末が6ヶ月間利用不能ということになりかねません。au系のMVNOであるmineo、UQ mobileならSIMロックが掛かっていても利用できますが、いずれもiOS 8以降の端末では利用不可。
総務省のSIMロック解除の要件の中で、事業者はSIMロック解除までに期間を設けてもいいことにはなっているので、ガイドライン上は問題ないものの、消費者保護の観点からは万全とは言えません。端末代金の支払いが完済している場合に限り、すぐにSIMロック解除に応じるべきだと考えます。
とはいえ、日本の携帯キャリアが端末を回線の付属物と見做し、商慣習を固めてきたのは何度も説明した通り。端末を手放したくないのはどこの会社も同じです。他社もこのような長期間を設定してくる可能性がありますので、他社の動向を注視する必要があります。
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[訂正]初出時に6ヶ月と書くべき部分が3ヶ月となっていたので訂正しました。