ケイ・オプティコムは、これまでKDDIのネットワークを利用してきたMVNOによるサービス「mineo(マイネオ)」に、新たにNTTドコモのネットワークを利用するプランを追加する旨を正式発表しました。以前の報道通りの内容となり、「日本初の個人向けマルチキャリアMVNO」を謳っています。料金は未発表ですが、「市場価格と同等の料金水準を予定している」ことや、家族間で余ったパケット通信量をシェアすることができる「パケットシェア」を拡充し、家族で異なるキャリアのサービスを利用していてもシェアできるようになることが発表されています。
併せていくつかの新サービス追加や既存サービス内容の変更が行われます。まず、新たに9月から「パケットギフト」機能が導入され、家族以外のmineoユーザーとも余ったパケット通信量を送り合うことができるようになります。使い方としてはauの「データギフト」のように任意でパケット通信の残量を送り合うものですが、同一サービスユーザーであれば誰にでも送ることができるというのは非常に珍しいサービスです。
また、海外渡航者向けや訪日外国人向けのプリペイドSIMの販売がそれぞれ9月、10月から開始されます。海外渡航者向けサービスはアイルランドのキュービックテレコム社との協業により提供され、訪日外国人向けサービスはドコモ回線を利用します。
更に、7月からは全てのプランにおいて最低利用期間が撤廃されます。ただし、短期間でのMNP転出には解約精算金相当の転出手数料が設定されます。
7月には「グランフロント大阪」にmineoアンテナショップがオープンします。独自のショップを持つMVNOにはfreebit mobileなどの前例がありますが、まだ少数ですね。今後はこうしたショップを持つサービスが他にも増えてくるものと思われます。
SIMロック解除に対して大手3社が及び腰になる一方で、MVNO各社はシェア拡大に向けて本格的な取り組みを進めています。大手の価格設定に不満を持つ層は決して少なくないため、サポート面などを含めてMVNOが大手キャリアに対抗できるようになれば普及は一気に加速するでしょう。特にブロードバンドサービスを提供しているOCNやぷらら、ケイ・オプティコムなどのプロバイダ各社は、それまで主力としてきた光ファイバーサービスの普及が頭打ちになっていることからMVNO事業に非常に力を入れており、市場でどこまで存在感を示していくことができるのかが注目されます。
(2015/05/27 0:58 プレスリリースへのリンクを追記しました)