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本当に賢い格安SIMの使い方。【鳩の電子便】

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 以前にも『一人歩きする「格安スマホ」について、知っておくべき5つのこと。 【鳩の電子便】』という記事で格安スマホ、格安SIMのメリット・デメリットをご紹介しましたが、先日のケータイWatchの『携帯会社変更希望者のうち2割弱がMVNOを選択』という記事や、匿名鹿さん(@tokumewi)の書かれているCreator Clipでの記事にて、着実にMVNOへの関心が高まっていると感じたので今一度「格安SIMはどう使うべきか?」ということをご紹介していきます。

 

「最新のフラグシップ機種をメイン回線で使いたい」ならキャリアで買おう

 例えば今月の25日にiPhone6sが発売される予定ですが、このような高額で最新の機種をSIMフリーで買って現在の「キャリアで使用している回線」を「使用したいMVNOへMNPで転入」するのははっきり言っておすすめしません。このパターンをおすすめしない理由を挙げると、

  • ケータイ補償が受けられない
  • 月々サポートのような端末購入代金相当の割引が受けられない
  • 多くの場合、2年縛りの違約金がかかる
  • キャリアではカケホーダイプランを導入しているが、MVNOでは現状ない

 まず最も大きな理由は「キャリアによるケータイ補償が受けられない」という点にあります。iPhoneであればAppleCareがありますのでそちらで補償は可能ですが、それ以外の機種をSIMフリーで買うと基本的にそのような補償がありません。最近のフラグシップモデルは高額になってきており、10万円かかるものも多くなってきています。そのような高いものを保険なしで使用するのは少々リスクがあると言わざるを得ません。では、保護フィルムを貼りケースに入れて、分厚くなったSIMフリーフラグシップ機を壊さないよう、恐る恐る使うかというと僕はNOです。キャリアモデルで買ってもSIMフリーで買っても値段が変わらないのならば、補償がつく方、つまりキャリアモデルを買うのがベターであると思います。逆に言えばiPhoneならこの点はクリアしているということでもありますが。

 次の2つは月々、及び2年間のトータルコスト的な理由です。キャリアで購入する場合、(下取りや各種キャンペーンを利用すると)いわゆる「実質0円」という契約で携帯を購入することができます(0円ではない場合もあります)。この「実質」という書き方はよく誤解を招くので念のため説明しますと、「携帯本体は割賦で定価で買ってもらうけど、その代わり同額を毎月の料金から割り引くよ」ということです。キャリアはこの方法で顧客の流出を防いでいる節がありますが、MVNOにはこのような本体代金の割引サービスがないことを考えると、なるほど有効であろうと思うところであります。細かい計算はやや省いていますが、月々の料金と2年間のトータルコストを考えると以下のようになります。

  本体代金  月々の料金 × 24ヶ月  手数料 合計
キャリアで機種変  「実質」0円

 7000円 × 24 = 156000

(ドコモカケホーダイライトプラン、
データSパックから計算)

なし 約17万円

MVNOにMNP
&
SIMフリー版を買う

 10万円

 1600円 × 24 = 38400

(IIJmio、
ミニマムスタートプランから計算)

MNP手数料

約15000円

約15万円

 この計算ではキャリアのまま機種変更で使用しても、MVNOにした場合と比較しても2万円ほどしか差がないことが分かります。確かにMVNOのほうがやや安いですが、先ほど述べたような補償の有無と、次に述べるサービスの違いに2万円の差を見いだせるでしょうか。

 最後の理由はサービス面です。キャリアでは現在「カケホーダイプラン」や「スーパーカケホ」などの、どこに電話しても(海外発信やナビダイヤル等除く)追加料金がかからないプランを提供しています。このプランのせいでキャリアの基本料金が高くなった面も否めませんが、実際使用していると「いくら電話しようが追加で金はかからない」というのは気持ちの面で非常に安心できます。

 また、同じネットワークを用いているとは言え、これは通信速度が同じであることを保証するものではありません。MVNOによっては料金が安い代わりに実効通信速度が著しく遅いようなサービスも存在するため、使用を考えている格安SIMが果たしてどの程度の品質のものなのか、ということをよく確かめなければなりません。

 これらの理由を総合的に判断して、SIMフリーの最新フラグシップ機種を定価購入してMVNOへMNPする、というのは僕はおすすめしません。

 

「前の機種や、格安スマホにSIMを挿して使いたい」なら格安SIMの出番!

 新しい機種に乗り換えれば当然前の機種にSIMは刺さっていませんので、外ではWi-Fiスポットにつなぐ等でしか通信する手段がなくなりますが、「まだこの携帯にSIMを挿して使いたい!」という場合にはMVNOのデータ専用SIMが最適でしょう。格安スマホのみならず、SIMフリーでない従来のSIMロックがかかったスマートフォンの場合でも同じキャリアのMVNOであれば問題なく通信できる、というのはよく見過ごされている点です。例えば、ドコモのSIMロックがかかっているスマートフォンにIIJmioやmineoのdプランのような、ドコモと相互接続をしているMVNOのSIMを挿しても基本的には問題なく通信できます。なお必ず通信できるということではないので、動作確認端末は各MVNOが公開していますのでそちらをご確認ください。

 また、この用途であれば音声プランである必要がないので、データ専用プランで安く収まるのも大きなメリットと言えます。しかも、最近のMVNOによっては新規顧客向けにキャンペーンを打っているところもあり、僕の個人のブログで詳しく紹介していますが、現在mineoではドコモ網のプランであるdプランを半年間800円割り引くキャンペーンを行っており、データプランは解約時に違約金もかからないため、契約によっては6GBを半年間月々100円で使用することも可能な、かなりお得なキャンペーンを行っています。とりあえずMVNOがどんなものか試してみたい、という方には僕は今はこのキャンペーンをおすすめしています。詳しくは下のブログから。

argos.hatenablog.com

 

まとめ

 いずれにしても、メインの音声回線をMVNOにするというのは僕はおすすめできません。わずかな安さと引き換えに失うものが多すぎるという所感です。MVNOを使うならデータ専用で、音声は従来通りのキャリアで、という風に分けて使うのが「本当に賢い格安SIMの使い方」であると僕は考えます。

 

前記事:一人歩きする「格安スマホ」について、知っておくべき5つのこと。 【鳩の電子便】

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