音楽ファイルの代名詞に近い存在であるMP3が、いよいよ公式に死を迎えたと世界中で話題となっています。
これはオーディオ規格MP3を開発した独フラウンホーファー研究機構が、MP3に関連する特許の保護期間が終了したことを発表。それを複数の海外メディア(NPRやThe Next Webなど)が「MP3、公式に死ぬ」と報じたことによるもの。
これによって、あなたが持っているMP3ファイルが動作を停止するといったことはなく、従来通り使用し続けることができます。
90年代から2000年代を生きた人ならば、拡張子「.mp3」のMP3ファイルをダウンロードして、自分の音楽コレクションを構築した経験のある人は多いでしょう。音楽ファンならば、CDをバックアップしたり、オンラインを通じて音楽ファイルをやり取りしたりといった経験から、MP3という言葉に格段の思い入れを持っていることでしょう。
個人的にも、中学1年生の頃、なけなしのお小遣いを叩いて買った128MBのMP3プレイヤーを愛用していたことや、それをポケットの中に入れっぱなしにして、洗濯機で洗ってしまい、壊してしまったことなど、思い出が脳裏に蘇ります。今でもライブラリのいくらかはMP3で構成されているので、本当に息の長いフォーマットです。
フラウンホーファー研究機構は、MP3が依然として一部消費者に人気の有ることを認めつつ、新しい音楽フォーマットであるAACは、MP3よりもはるかに低いビットレートでも高音質であると述べています。今後、私達の音楽ライブラリは、MP3よりもAACやFLACがその多くを占めていくことになるでしょう。
同研究機構はMP3、AACの開発で有名であるほか、最近ではスマートフォンのカメラで有害物質を検出できるカメラアプリ「HawkSpex Mobile」を開発するなどしてその名を知られています。