AppleはWWDC2017を開催しました。ソフトウェアに関する発表がメインとなるWWDCでありながら、今回は魅力的なハードウェアの発表もありました。
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いよいよ本格的にVRに乗り出すmacOS
Appleは、PC向けの次期OS「macOS High Sierra(macOS 10.13)」を正式発表。開発者向けのベータ版は本日から配布、正式リリースは2017年秋。
High Sierraより、ファイルシステムを「APFS」に変更。読み書きが高速になります。複数の動画ファイルを一瞬でコピーできるようになりました。
Safariも高速化。オート再生ブロックなどの便利な機能にも対応。
ビデオのファイル形式が従来のH.264からH.265(HEVC)に。圧縮効率が40%向上しています。
開発ツールのMetalがMetal 2となり、Metal for VRも新たに提供。VRはHTC製のViveが映し出されました。External Graphics Developer Kitによりサードパーティが外部GPU搭載製品をMacに接続できることも明らかとなりました。macOSでも本格的にVR開発を行える開発環境が整えられつつあるわけです。
Appleは、Steve VRを導入するためにValveと協力していると発表。開発者がVRコンテンツを開発してHTC Viveヘッドセットとモーションコントローラを新型iMacで使用する様子が映し出されました。MacでいよいよVRが始まるという期待はもちろん、今後はMacbook Proに外部GPUを接続してVRなどを処理できる可能性もあるかもしれませんね。
黒いiMac Pro
ワークステーションクラスの性能を備えたiMac Proが登場。発売日は12月を予定。
CPUは8コア、10コア、そして18コアのXeonプロセッサから選択可能。グラフィックはRadeon Pro Vega。内蔵ストレージ容量は最大4TB。本体も周辺機器もダークなカラーリングでまとめられています。
このほか、第7世代CoreプロセッサKaby Lakeを備えた新世代iMac 3モデルも登場。
タブレットでの生産性が向上するiOS 11
新しいDockが実装。iPhone/iPad/Macで最近開いたアプリを優先的に並べます。
コントロールセンターも新しいUIに刷新。
デバイス上のファイルとiCloud / Dropbox / OneDriveのファイルを管理できるファイラーアプリ「Files」が実装。
iPadのSplit View用の機能としてドラッグアンドドロップが追加。二画面表示中の片方のアプリからもう片方のアプリへと情報やメディアを素早く移動可能。
ロック画面をApple Pencilでタップするとすぐにインスタントメモが取れる機能も追加。ロック画面黒板モードで即時メモすることに慣れたGalaxy Note使い的には嬉しい機能。注釈機能などメモデバイスとして適切な進化を遂げています。
そのほか、カメラで撮影した画像の保存に高効率圧縮率画像形式HEIFを採用、ストレージ容量を節約。Apple製のMapは構内マップ3D表示。iOSのメッセージアプリでApple Payを使い個人送金も可能に。
App Storeには新しいTodayタブ、ゲーム専用のタブが登場。ユーザーは、タブからハウツー、ストーリーなどのコンテンツを見つけることができます。
iOS用のARを開発するためのARKitについても提供されることが明らかとなりました。
基調講演内のステージ発表ではその様子を見ることはできませんでしたが、画面録画、FaceTime Live Photos、パスワード自動入力などについてもiOS 11にて実装されます。
iOS 11の提供デバイスはiPhone 5s以降、すべてのiPad AirとiPad Proモデル、iPad 5世代、iPad mini 2以降、iPod touch 6世代。iPad Proユーザーには総じて嬉しいアップデートが多いので、早く適用したいところですね。
512GBストレージを選択可能になったiPad Pro 10.5 & 12.9
iPad Pro 10.5とiPad Pro 12.9インチの新たなモデルがそれぞれ発表。いずれも広色域対応のTrue Toneディスプレイを備えます。
最も注目すべきは、両モデルともにWi-FiモデルもWi-Fi+Cellularモデルも、64GB、256GB、512GBという3種のストレージオプションが提供されるという点です。これまでMacにて選択できたがモバイルでは考えられなかった512GBというストレージオプションをiPadが選択できるようになったという事実は特筆に値すべきです。
写真撮影や動画視聴のみならず、イラストレーションや動画作成といった創造的な用途までをも担えるようになったiPad Proが、Macに迫るストレージ容量を備えることができるというのは当然の流れかもしれません。
また、独自の「ProMotionテクノロジー」により、ディスプレイのリフレッシュレートを滑らかな120Hzにすることでユーザー体験を向上させ、静止画の時は24Hzに低下させてバッテリー消費を節約できることが発表されました。なんともSHARPのIGZO液晶が採用されていそうな予感ですね。
10.5インチiPad Proは6万9800円から、12.9インチiPad Proは8万6800円から。両者ともに本日より注文可能。
Siri搭載スピーカー「HomePod」
以前より噂されていたSiri搭載スピーカー「HomePod」が登場。Apple Musicなどの音楽再生や、HomeKit対応家電の制御が可能。外出先からHomePodを経由して冷暖房や照明をコントロールすることができます。
CPUはA8プロセッサー。部屋内の空間レイアウトを認識し、ビームフォーミングでユーザーに適切な音を向けて聞かせる仕組みを備えます。
12月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売。価格は349ドル。