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中国政府、SIMカードに電子身分証導入へ。

 一説によれば、2016年、中国の個人情報流出は延べ65億件に上ったそうです。気が遠くなるような数字ですが、単純計算で13億人民は1人当たり5回漏洩されたこととなり、平均で考えてもこれは少し酷いですね。

 日進月歩で多様化を進めるインターネット上で、如何に有効な防止策をとるか?日本なら「各社とも、コンプライアンスを強化し……」とか言いそうなところですが、中国公安部(警察庁に相当)は業を煮やしたのか、抜本的な解決策として、SIMカードへの「電子身分標識」導入を開始する運びになったと、新浪新聞が伝えました。

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 「電子身分標示」(eID)とは、パスワード技術を基礎として、SIMカードのチップに身分標識をインストールし、個人情報を明かさない形で、オンライン上にて身分を識別するものとのこと。

 少しわかりにくいですが、簡単に言うと、eIDは個人情報の入力を必要としない形で、インターネット上で身分を証明するものです。

 eIDの搭載されたスマホを使用した際、インターネット上で個人名、住所、電話番号、身分証番号などの個人情報の入力が不要になります。

 これにより、情報盗用のリスクが大幅に低下し、公民のプライバシー、オンライン取引や仮想財産の安全が担保されるとしています。

 インターネット上の安全、麻薬犯罪、テロ対策などの技術開発を担当する公安部第三研究所の職員の言によれば、eIDのSIMカードへの導入は始まりにすぎず、今後、不動産権の自動検索や、食品薬品検査など、eIDは多方面に活用される予定とのことです。

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 現在、eIDは既に銀行カードで導入が開始されており、今年10月には、不動産登記に海南省海口市で正式運用が開始されるそうです。

 確かに「eID」が導入されれば、発送先として住所氏名電話番号を入力したり、電話で連絡してほしい必要がある場合を除いて、個人情報の入力が必要になる場合は思いつきませんね。メルカリ、更には出会い系のようなサービスも、相手がeID認証されているなら安心です。

 もちろん、どのサイトにアカウント登録をしたのかなど、全てを国家によって把握されてはしまいますが、「自分はなんとなく把握されたくないけど、犯罪者の情報は把握してほしい」という葛藤がありますね。中国では国家権力が圧倒的に強いので、前者の意見は無視されるというか、あまりそういう発想も一般的にないようです。

 中国の「人権」意識のない、徹底的に合理的なハイテク治安維持施策は、SFじみていて、見ている分には楽しいものがありますね。

 なお、新浪新聞の記事のコメント欄には「どうやってスマホを盗まれるのを防ぐつもりだ」とのツッコミが入っていました。

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