TOMTOPさんより、Ulefone Power 3Sを提供していただいたのでレビューします。
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良いところ 悪いところ
👍ココが良い! | 👎ココが悪い! |
+普通のスマホの2倍の電池容量! +それにしては軽い +急速充電対応 +付属USB OTGで他機種を充電できる! +トレンドを抑えた縦長ディスプレイ +DSDS対応 |
-普通のスマホとしては重い -いまひとつなカメラ -NFCなし -ゲームには不向き -技適なし |
Ulefoneとは
以前、中華メーカー「Elephone(エレフォン)」のスマホ「Elephone U Pro」をレビューしたので紛らわしいですが、今回レビューするのは中華メーカー「Ulefone(ウレフォン)」の機体です。
Ulefoneは、中国深センに本社を置くスマートフォン・モバイルアクセサリーメーカーです。先行する人気メーカー、サムスンやシャオミなどの機種を真似したような格安機種が多く、価格も安いので、中華ガジェットを好む好事家の間で人気です。
今や一流メーカーとして君臨するHuaweiを筆頭として、高級・質のいい中国メーカーの製品が増えていますが、怪しさ含めてのワクワク感がある安いUlephone製品は、少し前の中華ガジェットに求めていたものが今でもある感じで面白いですね。
京セラのようなタフネスモデル「Ulefone Armor」や、超大容量電池搭載シリーズ「Ulefone Power」がありますが、今回レビューするのはPowerシリーズの「Ulefone Power 3S」となります。
適度にUlefone Power 3S
Ulefone Power 5も出ていますが、こちらは中華製大容量電池スマホにありがちな、とにかく電池を載せたゴツいモデル。電池容量はなんと12000mAh(!!)で、厚みはなんと15.8mm。重量は330g。ここまでくると流石にデカすぎ、重すぎ。
ところが、Ulefone Power 3Sは容量を6350mAhとすることで、重量を210gとしています。ちょうどいいぐらいです。それでは、Ulefone Power 3Sを見ていきましょう。
開封
化粧箱は「Power 3」表記。右上に「S」マークのシールが貼られています。どこかで見たことのあるフォントの気がしますが、気付かなかったことにします。
SIMピンや充電器・充電ケーブルなど。クリア保護ケースと液晶保護フィルムも付属。
付属ケーブルが無駄に充実。やたら多いですね。左から、USB Type C充電器、USB C to 3.5mmオーディオ変換アダプター、microUSB to USB C変換アダプター、USB OTGケーブル。
外観
デザイン
筐体は非光沢のプラスチック。
LEDフラッシュ・デュアルカメラ・指紋認証センサー。
DSDS対応の本機。2番目のSIMスロットはmicroSDカードスロット兼用。
大画面液晶を搭載。トレンドの縦長ディスプレイで、ベゼルまあまあは狭め。特大電池のキワモノスマホとなるとデザインも相応にゴツく、ダサかったりするのですが、そういうこともなく、すっきりした見た目。
端子はUSB Type C。動画レビューで外観を確認して下さい。
カラーリング
ブラックとゴールドの2色。
重量実測
重量は210g。誤差で実測値がちょっと重いのはよくありますが、本機は公表値よりも軽い実測206g。
重量198gのXperia XZ2は、バッテリーは前機種から悪化し、容量3060mAh電池。ほとんど重量が変わらないUlefone Power 3Sは、なんと2倍以上の容量を収めているということに。これはすごい。まあ、XZ2が中身スカッスカな割に異常に重いというだけかもしれませんが。XZ2 Premiumよりも当然軽い。まあ常用できるかなと。(XZ2シリーズの問題は重たい上に、指紋認証センサーの位置があまりにも下過ぎて保持が不安定になること)
性能
スペック表
OS | Android 7.1 |
---|---|
CPU | MediaTek Helio P23 MT6763 2.3GHz オクタコア |
メモリ | 4 GB |
ストレージ | 64 GB |
ディスプレイ | 6インチ 18:9 IPS FHD+(2160×1080) ゴリラガラス4 |
カメラ | 16MP + 5MP |
インカメラ | 13MP+5MP |
バッテリー | 6350mAh |
寸法 | 159.2×75.9×9.85mm, 210g |
LTE | B1/3/7/8/20 |
3G | B1/8 |
GSM | B2/3/5/8 |
その他 | Wi-Fi 2.4GHz / 5GHz Bluetooth 4.1, Type-C microSD |
ベンチマーク
AnTuTu v7系統でのベンチマーク結果。
これが標準のバランスモードでの結果。
設定から高性能モードに切り替えた時の結果がこちら。
Helio P23の性能、S4xx~少し前のS6xxあたりですね。さすがにS660機あたりには敵いません。ゲームなどヘビーな利用には不向き、普段使いには良さそう、といったところ。
Google Playも日本語も使える
プレーンに近いAndroid OSを搭載。日本語もGoogle Playも普通に使えます。
プリインストールアプリもシンプル。
画面
こういう安いキワモノは解像度がしょぼかったりするんですが、解像度はしっかりFHD+。正面から静止画や動画、ブラウジング等を楽しむ分には問題ないでしょう。
ただ有機ELを採用した最新の高級ハイエンド機と比較すると見劣りはします。黒の表現は言わずもがな、視野角も狭いです。複数人で覗き込むようなシチュエーションには向きません。真正面からしか見ない、覗き込まれるのが嫌、という人にはむしろメリットかもしれませんね。
気になる充電やバッテリーをチェック!
電池待機時間
電池持続時間は、メーカー公式の理論値では通常使用で4日間、連続64時間通話、75日の待機となっています。実際待機させるだけならかなり持ちますね。
実利用で2日程度持続。まあ国内でも「2日間使える!」と謳うスマホが、大体1日保つ程度というお約束の通り、「4日間使える!」と謳う中華スマホが2日程度というのは、そりゃそうだろうなと。
発熱
ベンチマークを回して40度ちょっと、しばらくPUBGつけて42度といったところですね。最近の機種は大体これぐらいですかね。持っていてもほんのり熱いかなといった程度で、許容範囲かと思います。
そういえばXperia Z4は、ハズレの石で制御も甘く防水で薄型という、発熱対策が不十分な欠陥機で、カメラ近くが50度近くにまで発熱してましたね。
大容量電池を活かしてモバイルバッテリーにしよう!
せっかくの大容量電池。USB OTGリバースチャージで他機種を充電できます。
両端USB Type Cケーブルでも充電はできるものの、ソフトウェア上にリバースチャージの可否等を制御する項目は見当たらないので、他のスマホからUlefone Power 3に充電されてしまうことも。
基本的には付属のUSB OTGをUlefone Power 3側に挿した上で、片側USB Type Aのスマホ充電ケーブルを使って他機種を充電する、という形になるでしょう。USB OTGケーブル、付属すればいいのにと思う機種でも結構付属してませんからね。これが付属してるのはポイント高いです。
連続利用比較
同条件下で映画をUlefone Power 3SとiPhone Xで視聴。Power 3Sの方が長時間動画を視聴できます。
急速充電の挙動
急速充電でどの程度速く充電できているのかチェックしてみます。使用する充電器はこちら。
まず、こちらは比較用のBlackBerry KEYoneの結果ですが、アンペア表示は1340mAで、特に速くはないですね。一応、USB-PD/QC対応のACアダプターと充電ケーブルを使っているのですが。
さて、Ulefone Power 3Sは、5V/3Aの急速充電「Fast Charge 4.0」に対応。QualcommのQuick Charge 4.0とは異なります。名称からするとメーカー独自っぽいですが、チップセットのMediaTek Helio P23は急速充電「Pump Express 4.0」対応。これのことでしょうか。
とりあえず充電してみれば、急速充電かそうでないかはわかるでしょう。というわけで充電してみた結果がこちら。2400mA前後。これは速い。
規格上の充電速度は理論値としてあるのですが、各メーカー、やはり発火等事故の防止もしなければなりませんから、実測で結構ばらつきがあったりするんですよね。意外と実測値が出なかったりとか。発売直後に買って試したらめちゃくちゃ速かったのに、ある日のアップデートでかなり実測値が落ちてしまい、もしかすると何か事故でもあって調整したのかなぁとか。
大容量スマホで充電スピードが遅いと、満充電までに時間がとてもかかってしまい、致命的です。本機はしっかり急速充電できて快適です。
ただ、この充電速度をあらゆる状況で維持したら当然事故や故障の原因になりかねないわけで、本機含め多くのメーカーの機体は、満充電に近づくと充電スピードを低減させます。さらに本機、ゲームアプリを起動するなど高負荷処理を行い熱を持った状態で急速充電を行うと、充電スピードが大きく低下するのを確認。
当然ながら大容量バッテリー搭載なので尚更、しっかり充電周りは気を使って開発されていそうですね。
カメラ
この価格帯の中華メーカー製スマホのカメラには期待するものではありません。ただ、縮小画像をぱっと見だけなら、そんなに悪くないように見えてしまいそう。もちろん、拡大すると、主要メーカー高級機種には全く太刀打ちできません。朝~夕の屋外の写真、SNSでちょっと上げるだけ、という用法ならこれでも何とかなるでしょう。
「そりゃまあスマホカメラなんで、こっちに釣られてあっちが潰れたりするよね」といったところを、平気で三眼と画像処理でバンバンしっかり描写してくるHuawei P20 Proが異常なのでしょうね。拡大しなくともP20 Proで撮影した写真を当てるのは即答でしょうが、iPhone XとUlefone Power 3の2枚だけならちょっと迷うかもしれません。拡大したらモロバレですが。
手ブレもしやすいのでちょっと気を付けて撮ってあげるといいでしょう。
ご飯に関しては他機種が圧倒的。Huawei P20 Proが一番おいしそう。中華メーカーの格安クラスの機種は屋内では青白くなり、ご飯を美味しそうに撮れることは少ないです。
格安中華スマホで撮った写真、せめて「InstagramのHefeフィルターで飯ウマ系の色味を強く調整する」というテクを覚えておくといいかもしれません。弱点を補えます。
評価:大容量電池スマホが欲しかったらこれ!
「電池以外は全部ダメ」な大容量中華スマホの既成概念を打ち壊す程度には、デザインもゴツすぎず、重すぎず、性能も低すぎず、適度なラインをクリアしてきたのではないでしょうか。
本機は技術適合認証がないため、海外渡航の予定のある日本人・訪日予定のある外国人におすすめです。
海外渡航では、国際ローミングにお金がかかるので、メイン機以外にサブのWi-Fiルーターなどを持っていく日本人も多いでしょう。そして、その2台を充電するための大きめのモバイルバッテリーなんかも欲しくなりますよね。機器が増えれば、それに応じて持っていく充電ケーブル・ACアダプターまで増えるわけです。これ、地味に嫌ですよね。
そこで本機はどうでしょう。単機でスマホ2台分のバッテリーを内蔵。というかコレ自体をモバイルバッテリーにもできる。しかもデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)。モバイルバッテリーもルーターもいらないので、海外渡航時の荷物をコンパクトにまとめられます。
大容量バッテリースマホを選びたい、海外渡航で使う端末が欲しい、そんな人におすすめの一台となっています。
購入リンク
TOMTOPより購入ができます。