Elephone製の印象をガラッと変えてくれるElephone U Pro
「Elephone(エレフォン)」という中華メーカー、名前すら知らない読者もいるかと思います。知っていたとしても、せいぜい有象無象の中華メーカーという認識で、あまり良い印象を持っていない方もいそうです。
しかし今回、GearBestさんより提供していただいた「Elephone U Pro」は、良い意味でこれまでのElephoneの印象をガラッと変えてくれました。
通常モデル「Elephone U」と旗艦モデル「Elephone U Pro」の2種類が存在しており、本記事で取り扱うのは上位の「Elephone U Pro」となります。
Index
- 1 Elephone製の印象をガラッと変えてくれるElephone U Pro
- 2 Elephone U Proの良いところ・悪いところまとめ
- 3 スペック表。上位モデルと下位モデルの比較
- 4 開封
- 5 トレンドを突き詰めた背面デザイン
- 6 イヤホンジャックなし
- 7 非ノッチ、ダブルエッジ最高な前面デザイン
- 8 動画再生
- 9 指紋認証
- 10 OSはプレーンなAndroid
- 11 エッジの魔術師、Edge Apps機能
- 12 作業領域を最大限活用、マルチタスク良好
- 13 AnTuTuベンチマークスコア
- 14 ストレージ容量は128GB、しかもmicroSDまで挿さる!
- 15 カメラテスト
- 16 ワイヤレス充電にも対応
- 17 急速充電対応
- 18 貪欲にトレンドを追う、よくばりな一台
- 19 購入ページ
Elephone U Proの良いところ・悪いところまとめ
👍ココが良い! | 👎ココが悪い! |
+かっこいいダブルエッジ +プレーンに近いAndroid OS +縦長の有機EL +ナビゲーションキーを消せる +デフォルトで日本語対応 +Googleサービスも対応 +付属品が充実 +大容量電池で急速充電にもワイヤレス充電にも対応 +貪欲にトレンドを追う新興メーカーの気合を感じる |
-イヤホンジャックがない -カメラはまだまだ -技適がない -指紋認証があと一歩 -ステレオじゃないスピーカー |
動画は要約的な感じで詰め込んでレビューしているので、ぜひご覧下さいませ。
スペック表。上位モデルと下位モデルの比較
まずは上位モデルElephone U Proと下位モデルElephone Uを比較しておきます。
Elephone U Pro | Elephone U | |
---|---|---|
OS | Android 8.0 Oreo | Android 7.1 Nougat |
SoC | Qualcomm Snapdragon 660 Kryo 2.2GHz オクタコア Adreno 512 GPU |
MediaTek MT6763 (Helio P23) Cortex-A53 2.0GHz オクタコア |
メモリ | 4GB / 6GB | |
ストレージ | 64GB / 128GB | |
ディスプレイ | 5.99型AMOLED FHD+ (2160×1080) 最大10点同時認識 |
|
背面カメラ | 13MP ×2 | |
前面カメラ | 8MP | |
バッテリー | 3550mAh | 3620mAh |
寸法 | 154 x 72.5 x 8.4 mm | |
重量 | 166g | 160g |
その他 | LTE Cat-9, USB C, 指紋認証, デュアルSIM | |
バンド | FDD-LTE:B1/B3/B7/B20 TDD-LTE:B38/B39/B40/B41 WCDMA:B1/B8 |
開封
高級感のある黒い化粧箱。開封すると、付属品が豪華。液晶保護フィルムや保護ケースが付属しているのが良いですね。ダブルエッジってわりと脆弱なので、デフォルトでも保護系の装備が揃うのは嬉しいです。さらにイヤホンをUSB Type C端子に挿すための変換アダプター、そして国外仕様なのが残念ですが急速充電器も。至れり尽くせりの内容物です。
トレンドを突き詰めた背面デザイン
最近流行り始めた反射する光沢ガラスもいち早く採用。光が複雑に絡み、独特の色合いを表現します。
光源の種類や角度によって様々な表情を見せてくれるのが印象的。HTCに続きXperiaも採用し始めたこの趣向。Elephone U Proは単に光沢というだけでなく、なだらかに湾曲し、側面はダブルエッジ形状に。
動画でも外観を収めてレビューしているので、こちらをご視聴下さい。
個人的には金属・マット調の落ち着いた素材の機種が好きではあるものの、Elephone U Proのこういったデザインが流行り始めたトレンドのデザインをいち早く取り入れていることは事実なので、メーカーの姿勢として評価します。
また、指紋が気になるといった反応も想定してか、保護ケースが付属しているのもグッド。クリアタイプなので、背面の光の反射による表情も楽しめます。配慮が行き届いていますね。
イヤホンジャックなし
底部にはイヤホンジャックがありません。イヤホンジャックのない機種の音声出力は、変換アダプターや、Bluetoothイヤホン/ヘッドホンが必要です。本機の場合、付属の変換アダプターを使い、USB Type C端子から出力すると良いでしょう。
非ノッチ、ダブルエッジ最高な前面デザイン
中華メーカーながらもディスプレイはしっかりとトレンドを抑えています。画面サイズは5.99インチの縦長。比率は18:9の縦長。四隅は角丸。前面の強化ガラスはCorning Gorilla Glass 5。
5.99インチといえばかなり大きいイメージですが、縦長なので、表示領域が拾いながらも横幅は狭く収まっているので、実のところイメージ以上に持ちやすかったりします。背面左右のエッジのカーブが何気にホールド感の向上にも寄与しています。
背面だけでなく前面の両端もデュアルエッジスクリーンとなっており、最新のGalaxyシリーズを彷彿させます。ほぼGalaxyの専売特許でしたが、いともあっさり模倣してしまっています。トレンドのギラギラした光沢背面に加えて前後ダブルエッジなど、本当に各社から良いとこ取りした感じのデザインですね。
前面のディスプレイ占有率も高く、とてもクール。的確にトレンドを捉えており、一般人が前面だけ見たら、きっと良くも悪くもGalaxyシリーズなどと見分けがつかないでしょう。(トレンド最先端はノッチですが、ノッチは賛否両論、むしろ否だという人の方が多いので、そこは追っていない方が好感度高そうですね。)
幸いにも本家Galaxyと同様、ダブルエッジスクリーンによる誤作動はほぼナシ。
動画再生
画面方式は有機EL。発色も非常によく、写真閲覧にも向いています。黒の表現に締まりがあり、動画プレイヤーとして高いポテンシャルを秘めています。液晶がバックライトでカラーフィルターを照らす原理上、黒の表現が難しいのに対し、素子の発光する有機ELは、本物の黒色を表現できるからです。
画面が18:9という長い比率であるため、動画視聴時には、黒い帯ができます。これは一般的な動画の主流な比率が16:9であるためです。
NetflixやYouTubeなど、画面領域すべてを埋めようと、拡大することも出来ます。しかしその場合には、動画の上下が見切れることにもなります。気になる人は気になるかもしれませんが、最近の18:9の端末には共通の事象です。
スピーカーは、非ステレオで、さほど音質も良いわけではないですね。中国メーカーでも一流のHuaweiだと高品位のフロントステレオスピーカーを搭載していたりするので、ここはElephoneの今後の躍進に期待といったところでしょうか。
指紋認証
背面に搭載された指紋認証センサー。カメラとフラットで、位置も近いので、カメラに指が行ってしまいレンズが汚れがちなのは好みが分かれそうです。
認証精度自体も悪くはありません。十分常用に耐えると思います。
指紋認証に一度失敗した場合の再試行までの判定が短すぎるのか、他機種なら一度の認証失敗で済むであろうものが、一気に複数回の認証失敗になる事象も確認しています。若干の作り込みの甘さを感じますね。
それでも出荷時の初期ソフトウェアと較べて、アップデートで細かい改善が進んでおり、今後も期待したいところ。
OSはプレーンなAndroid
中華メーカーと言えば、XiaomiやOPPOなどのゴテゴテにカスタマイズされたスキンを想像します。しかしElephoneのAndroidはわりとプレーンに近い方ではあるので、簡単に扱えるでしょう。バグ修正などメーカーによるアップデートも精力的に行われています。
デフォルトで日本語に対応。Gmail、YouTube、Google Map、Google Driveなど、Googleの各種サービスを利用可能です。技適は通っていないので、外国籍の人や海外渡航の多い日本人などにおすすめできます。
エッジの魔術師、Edge Apps機能
左右両端の湾曲したラウンド形状を活かしてか、左右からアプリショートカットを呼び出す「Apps Edge」機能を搭載。どの画面でも、エッジ上のバーを画面内側にフリックすれば、「Apps Edge」を呼び出せます。
好きなアプリや、ショートカットをここに置くことが出来るので便利です。呼び出す位置は自由にカスタマイズが可能です。
単なるアプリ起動だけじゃなくて、アプリの機能ショートカットも置けるのが便利だと思います。ツイート送信画面へのショートカットや、Evernoteの簡易ノート、Keepの音声メモ録音などなど、各アプリの持っている機能へ直接アクセスできるわけです。どっかのGalaxyそっくりですが、意外に重宝します。
作業領域を最大限活用、マルチタスク良好
この18:9の作業領域を最大限活用できるのがAndroid OSの標準機能になったマルチウィンドウです。アプリを2つ並べて並行作業を行う際に絶大な威力を発揮します。動画視聴しながらブラウジング、ブラウザや画像、地図を開いたままオフィスやテキストエディターを開いて作業など、様々なマルチタスキングが捗ります。
加えて、Elephone独自実装の機能として、ナビゲーションバーのカスタマイズがあります。他にも独自にナビゲーションバーのカスタマイズを実装しているメーカーもありますが、Elephoneもそういった部分を作り込むようになってきたのは面白いところ。
ナビゲーションバーのアイコン、配置、色を好みに合わせて自由に変更できます。
さらにナビゲーションバー自体を消すことも出来ます。ナビゲーションバーを消すことで、画面の作業領域がギリギリまで広がることになります。
画面最下端中央から上方向にフリックするとホーム、画面最下端左から上方向にフリックするとバック、画面最下端右から上方向にフリックするとアプリ起動履歴、といった具合に、ナビゲーションバーの機能を呼び出せます。普段通り使えますね。
自分の場合、別途ポインター付きのThinkPadキーボードを接続して利用したいので、ナビゲーションバーは表示していることが多いです。なぜならナビゲーションバーをマウスポインターで押すためです。これでタッチパネルを触らずに作業できるからです。履歴ボタンの上にマウスカーソルを合わせて左クリック長押しをすれば、マルチウィンドウモードをすぐに扱えます。
このような作業環境をしっかり支えているのが、Elephone U Proのマシンスペックです。安い中華Android端末と侮るなかれ、実行用メモリはなんと6GB。(4GBモデルもあるようです。)複数アプリの同時立ち上げには全く支障無し。マルチタスクでの作業には本機は絶大な威力を発揮します。
AnTuTuベンチマークスコア
最近の中華メーカー各社でもミッドハイ以上のモデルにはSnapdragon 660を搭載する傾向にありますので、性能的には不足なしだと思います。AnTuTuベンチマークスコアは14万点弱。
ただ、3Dゲームを高画質でバリバリ遊びたい、という人はより上位のSoCを搭載した機種を選んだ方が良いでしょう。
ストレージ容量は128GB、しかもmicroSDまで挿さる!
ストレージ容量はなんと128GBとなっています。その上デュアルSIMスロットの2番目をmicroSDスロットとして使えますから、マルチメディアファイルをたっぷり保存できます。
カメラテスト
手持ちでカメラ性能が優秀なOnePlus 5、iPhone X、BlackBerry KEYoneと比較してみました。ユーザーがよく使うカメラという部分に先行メーカーほど投資しており、この辺りとの比較は少々酷かもしれません。屋外で光量が多ければ普通に撮れますが、屋内だと差が出ます。
「意外にもTCL製BlackBerryは優秀な飯テロマシン」というのがバレてしまう結果になりました。TCLも多ブランド展開し、経験を積むことで、部分的には大手メーカーに引けを取らないわけでして、Elephoneにも今後の躍進を期待したいところです。カメラメーカーで言えば「OLYMPUSの青色は魅力的で、PENTAXは緑の発色は最高」のような、その程度でも構わないので、何かしら秀でた部分や個性といったものをElephoneには開拓していってもらいたいですね。
ワイヤレス充電にも対応
イヤホンジャック廃止で困るのが、充電中に有線イヤホンで音楽を聴けないということ。
しかし本機はワイヤレス充電にも対応しているので、充電しながら音楽を楽しむのも全く問題ありません。
急速充電対応
Snapdragon 660搭載なので、Qualcommの急速充電規格Quick Charge 4.0に対応。Quick Charge 4.0は「USB PD(Power Delivery)」を内包しているので、USB PD対応充電器とUSB PD対応USB Type-Cケーブルにて急速充電を行ってみました。30分余りで半分ほど充電でき、90%までチャージ。そこから100%までは電池をいたわるよう、ゆっくりと充電されます。
iPhone Xの急速充電との比較考察はこちらの記事を御覧ください。
貪欲にトレンドを追う、よくばりな一台
というわけでいかがだったでしょうか。電池容量も大きめ。トレンドの縦長な約6インチの有機ELディスプレイと大容量ストレージ+microSDにて動画もたっぷり楽しめる。マルチメディアプレイヤーとしてもなかなか面白い機体です。
そして何より、背面の宝石のような光沢ガラスや、ダブルエッジ/有機EL/縦長・急速充電/ワイヤレス充電対応などなど、スマホの最新トレンドを、Elephoneという新興メーカーがいち早く、片っ端から貪欲に取り込んでいるのは、追う者としてのハングリー精神を感じられて良いですね。これまでのMediaTek製プロセッサーではなく、処理性能も人気も高いSnapdragon 660というSoCのチョイスも決意の表れでしょうか。追ってないトレンドはノッチぐらいなものですね。
記事執筆時点での価格は5万円ほど。Galaxy的なかっこいいデュアルエッジスクリーンが好きだけど価格は抑えたい人、安心たっぷり大容量の機種が欲しい人、変わったガジェットが欲しい人、そんな人たちにおすすめできる一台です。
購入ページ
GearBestでのElephone U Proの購入ページはこちら。
GearBestの使い方はこちらの記事より。