中国共産党系メディア環球時報の英字版Global Timesは、Huaweiが独自OS「鴻蒙(HongMeng)OS」を搭載したスマートフォンをテスト中と報じました。
鴻蒙OS搭載スマホは、2019年Q4(10~12月)に最大数百万台が出荷されるとのこと。
さらにMate 30シリーズと一緒に発表され、中低価格市場をターゲットとして2000人民元(約3万円)で販売されるといいます。
低価格な鴻蒙OS搭載スマホの発売を計画している理由としては、「ソフトウェア開発者とユーザーをエコシステムに参加させるため」としています。そうであるならば、鴻蒙OS普及の先鞭、開発機・リファレンスモデルのような位置付けとなる可能性もあります。
8月9日に中国広東省で開催のHuawei開発者会議(HDC 2019)にて鴻蒙OSが披露されるとのこと。Huawei幹部は鴻蒙OSは本来は産業用であると発言しており、このOSを搭載する最初のデバイスはHonorスマートTVになるものの、将来的には自動運転、遠隔医療サービス、産業用制御などの分野に拡大されるとのこと。
GoogleからAndroid OSの供給が絶たれた場合、スマートフォンにも拡大されるものと見られます。
Huaweiは鴻蒙OSとAndroidアプリの互換性を検証中で、個人データ保護やプライバシー侵害防止の暗号化機能も備わるとのこと。Linuxカーネルに基づいたAndroidとは異なり、マイクロカーネルに基づいたGoogleのFuchsia OSに似ており、AIの実行にも長けると情報源は話します。
Global Timesは中共の対外プロパガンダ・観測気球を兼ねており、Huaweiを援護射撃するために海外世論や米国企業を揺さぶる大言壮語、ブラフが含まれる可能性もあるので注意が必要です。動揺した米国企業がロビー活動を強め、早期に制裁解除される方がHuaweiにとって利益です。
しかし米中貿易戦争が長期化し、対Huawei制裁も引き続き行われた場合、鴻蒙OSを搭載したスマートフォンの実戦投入など、この記事のいくつかが実現する可能性はありそうです。
- 情報元Global Times